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おばさんファッション [<正統、明るいダメ母編>]

昔はこれでもファッションにはいささかの自信はあった。二日に一度は必ず着替えて、色使い、小物使いに気を配った。「スカーフの使い方が上手ね。」などと言われ、いい気になっていた。

それが、あんまり・・・いや全然(^^;気を遣わなくなってしまったのはいつ頃からであろうか?もちろん、しかるべき時はちゃんとおしゃれをする。問題は平日のことである。

毎日なるべく坐禅をしたい。昔はしっかり朝早起きして、お寺で坐っていたので問題無かったが、今はお寺に通うのは夜、しかも週に2回ほどという怠けぶりだ。坐禅は朝のうちにやらないと1日損をするから、結局家の中で坐ることになる。その時に欠かせないのが、ひざがゆったりしたズボンなのだ。

だから坐禅に使えるズボンはおのずと限られる。今使っているのはスリーシーズン用として3本。それを履きまわしているわけだ。(^^;一応は、これがあくまで家の中用で、外へ出る時は足の長く見えるジーンズを・・・という建前ではある。

ただし、このひざがゆるいズボンと言うのは、履いてしまうと楽チンで、なかなか脱げなくなってくる。そのうちひざも伸びて丸くなってくるが、それもまたご愛嬌。かくして、坐禅が済んだら履きかえるはずが、日がな一日これで過ごしてしまうことも多いのである。

家といえば聞こえはいいが、ご承知のとおり薬局である。お客様も少ないとは言え、たまにはいらっしゃる。(^^;

善光寺ご開帳の時はさすがに凄かった!時あたかも、雲切目薬が日刊ゲンダイに取り上げられた直後でもあった。「いらっしゃいませ!」と・・・・・考えてみるとよくこの格好で出ていったものである。(^^;

中でもひときわ娘達に評判の悪いのが、昔はニッカポッカと言ったと思うが、要するに乗馬ズボン状の腰が張り裾の細い、黄土色の確か当時「エクセーヌ」とかいう生地名で出来ていたそこそこ高かった覚えのあるズボンである。クリーニング代をケチって、何度も家で洗濯機で回したため、そこここが擦り切れ、ひざが抜け、さすがに家で着るのもためらわれる状態になったため、考えた秘策が「ひざ当て」だった。

ほとんど足を運ぶことなどない手芸店で、キルト用の布の中から、随分時間をかけて選び出したろうけつ染模様。「これならきっとしっくり来るわ。」と勇んで、これもまた何年かぶりで取り出したミシンで、ひし形に、ひざはおろか向こうずねまで隠れそうなやつを縫い付けた。今見ると、随分ジグザグな縫い目だが、自分では当時あくまでまっすぐ縫っているつもりだった。(^^;

早速家で着た。隣りの八百屋や角の肉屋へ着ていった。郵便局へも着ていった。挙句の果ては、ご開帳で賑わう善光寺界隈をすり抜けて、銀行へも着て行った。

ある日娘がこう言った。「ママ、お願いだからそのズボンで外歩かないでよね!」「あらそう?なんで?」と私。娘の、信じられないものを見るような視線が鋭い。「まあ、隣りの八百屋と角の肉屋くらいならいいよ。でも銀行なんて・・・。ママのセンスおかしいよ。理解出来ない!!」

そうかなあ。善光寺の大門町界隈は、オリンピックの時にすっかり模様替えをして、今では石畳とレトロな蔵作りが美しいおしゃれな町に生まれ変わった。
私のズボンだって、レトロといえばこれ以上はないほどレトロな昭和40年代?のニッカポッカだ。レトロと言うのは要するに懐古趣味ってことでしょ?
大門町はまあ多分昭和初期か大正時代よね。古けりゃ良いってんなら、ひざ当てなんか戦中戦後の象徴じゃないの。(^^;

そうか!もんぺ!彼女達がこのズボンを忌み嫌う理由がわかった!実にもんぺを連想させるのだ。ゆるいウエストにゆるい腰回り。その上ひざ当てだ!

だけどさあ、レトロな町並みにレトロなズボン。なんか文句ある~?
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