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役立たず  その1 体力  バスケットボール事件 [<正統、明るいダメ母編>]

前回の銀杏の話のオチが思いがけず高尚になってしまったため、引いてしまったただでさえ数少ない読者の方を引き戻すため、九子最大のドジの話をしようと思う。( ^-^)

参考までに、タイトルに「事件」とつくのは、ドジが際立っていたもの、迷惑が他人まで及んでしまったものを指す。だからお急ぎの方でなるべく面白いのを読みたいと思われたら、タイトルに「事件」がつく記事をお探し下さい。



我ながら役立たずだなあと思う。体力、気力、知力、どれひとつをとっても人様に自慢出来るものなどない。

体力がないのは、怠惰なせいだ。体を動かすことが嫌いで、今までスポーツというものには、ほとほと縁が無い。

だけどこれでも中学高校生の頃は、体育の授業というものがあったから、仕方なくスポーツをした。

中学校のバレーボール。九子はオーバーハンドレシーブなるものが全く出来なかった。テレビで見る選手たちの様に、手のひらをボールのカーブに合わせて上向け、指の第一関節あたりの力を上手に使ってボールを自由自在に操る、あれである。。勢いいつも、アンダーハンドレシーブ、つまり、両手を合わせて握り、合わせた親指の付け根あたりにボールを当ててはじき返すというあのスタイルを続けてきた。

ところがこれが難しい。一度足りとも狙った方向へボールが飛んだ事が無かった。まあでもこの程度なら、九子が極端なスポーツ嫌いになった理由にはならない。

最大の理由は、高校生のクラスマッチにあった。

どれをとってもみんなの足を引っ張るばかりの九子であったから、一番チームの人数の多いところへ回って、目立たない様に立ちまわってさえいれば、なあんということは無かったのである。ところが、そこんところが今考えてもとんと理由がわからないのであるが、九子はその年バスケットチームに入った。まあ、俗に言う魔が差したというやつだろう。

バスケットボールの試合は、言うまでもなくチーム5人である。だから、九子の責任は重い。五分の一なのである。

そしてこれまたわけがわからないのだが、なぜかお荷物九子が試合に出るはめになった。
一応身構えた。頑張らねば!

いつも事あるたびに思うことであるが、頑張れない人間は頑張るべきではないのである。そんなばかな事を考えずに、皆のお荷物にならぬように努めていればいいのである。

その大原則がまだ呑み込めない頃であったのは、九子の悲劇であった。そして、わが7組の悲劇でもあった。

コロコロコロとおあつらえ向きのボールが九子の足元に転がって来たのである。パスを受け止める事は下手だが、転がってくるのであれば何とか拾えるではないか。

チャンス!すかさず九子はボールを拾い、やおら慣れないドリブルをし始めた。考えてみると、あの頃すでに変だったのだ。敵も味方も微動だにしない様に見えた。止まった時間の中、九子一人が動いている。そんな感じだった。そういえば、今までしていた歓声も聞こえないようだった。

らくらくとゴールに近づいた九子はスローイン!一度ではだめでもう一度スローイン! (注:後からわかった。バスケットボールでは、「シュート」というのだそうである。「スローイン」は、サッカー!九子はここまでスポーツ音痴である。(^^;)

急に大きな声があちらこちらから聞こえたような気がした。そして、審判の判定は・・・。

えっ!!!まっ・・・さっ・・・・かっ・・・・!

九子が入れたのは味方のゴール。そう、サッカーで言うところの「オウンゴール」と言うやつだ。

九子が反対のゴールに向けて突進し始めたので、みんな一瞬何が起こったのかわからなくなったのであろう。だから、観客は無口になった。そして選手はあっけにとられ、動くのをやめた。

そして、試合は負けた。

優しい級友たちは、慰めてくれた。「九子ちゃんのせいじゃないよ。」
でも、彼女たちの表情は確実にこわばっていた。(^^;

たぶんそれからである。九子がスポーツ嫌いになったのは・・・・・。
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