Ｍ氏の弁明

タイトルを読んで、Ｍ氏が良からぬ事（ナンダロー？）をして、九子に平誤りに誤っている場面を想像されたとしたら、それはとんでもない誤りである。

歴史的名著に、プラトンという哲学者が書いた「ソクラテスの弁明」という本がある。今日のタイトル「Ｍ氏の弁明」の「の」は、「ソクラテスの弁明」の「の」である。Ｍ氏の名誉のために、九子が一肌脱ごうじゃないの・・・という意味である。

ソクラテスの弁明、ご存知でしたかあ？九子の日記はためになるでしょう。読んでない方、是非読んでみてね。（そして内容を、九子に教えて　！(＾＾;）

つい教養が邪魔をして、九子の話はややこしくなったが、最近の日記役立たずその２や役立たずその３を改めて読んでみると、九子がＭ氏を軽んじているように誤解されるムキが少なからずあるようである。が、それはそれは全くの大間違い。英語で言うところの「イッツトータリーウロング」という奴である。あっ、やっぱ英語の方がわかりやすいか。"It's totally wrong　!"


Ｍ氏は地元有数の進学校Ｎ高の出身である。しかもあの頃Ｎ高といえば、東大へ毎年２０人以上が進学していて、ぶっちぎりの名門校であった。

彼のうちは、兄姉みんなが理系人間だ。その上、揃いも揃って手が器用と来ている。Ｍ氏は我が家では器用の代名詞だが、兄姉の中では一番不器用なのだそうだ。世の中は本当に広い。

彼は子供たちにとって、素晴らしい家庭教師である。気が長いから、いくら出来なくても、カッとしないで教えてくれる。それより何より、本当に昔の勉強を良く覚えているのだ。

高校数学、高校化学、物理、高校地理、歴史。

あなたはどのくらい覚えているだろうか？九子はからっきしである。(＾＾;

前にも言ったが、彼は努力の人である。決して目から鼻へぬけるタイプではない。しかし、そうして苦労して覚えた知識というのは、忘れないのである。九子のように、一夜漬けで暗記して、テストが終わればすぐに忘却のかなたへ忘れ去られてしまう知識など、物の役には立たないのである。

ところが　！・・・である。
勉強となると持ち前の根気を発揮するＭ氏ではあるが、なぜかその根気が
身体を動かすことにまでは回らないらしい。

例によってお腹をつまみながら一言。「太ったな。今日からダイエットだ !」
そして、食パン半分ダイエットというのを始める。
何の事は無い。朝食の食パンを半分にする、というただのそれだけである。そして夜になると、お菓子をぱくつくのである。(＾＾;

もう十年程前だろうか。それでも彼は今よりは若く、自分の可能性というものをまだ信じていた。

勤務先まで車をやめて、歩いて行こうという無謀な計画を立てた。もちろんダイエットのためだ。車で１５分程の距離である。

リュックを背負い、靴まで買って木枯しの中を歩き始めた。それでも十日程続いた。彼にしては拍手喝さいものである。

結局彼はひどい風邪を引き、一週間仕事を休む羽目になった。もちろんそれであえなくお仕舞いであった。あとには靴だけが残された。

縄跳びをたった５回だけ・・というのもやった。「回数増やすと日数続かないからなあ・・・」
一週間だった。どうせ一週間でやめるなら、３０回やった方がまだマシだったのに・・・と、九子は思った。

腕立て伏せ１０回もあった。案の定３日で終わった。

（・・・・・・・・・ん？話が本来の目的からはずれてきたような・・・。）

という彼ではあるが、本当はとっても努力家で、根気強いのである。九子の言葉に偽りは無い。正真正銘、針千本飲んでも良い。

Ｍ氏の弁明　by 九子、あなたにうまく伝わりましたか？(＾＾;