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番外編・・・ウツ病あれこれ・・・その2 医者を選ぶと言うこと① [<番外 うつ病編>]

ごく軽いウツ状態で日記をお休みしていたはずなのに、元気な時より頻繁に日記が更新されるのをいぶかしくお思いであろうか。

これについては、どうしても書きたいので書かせて頂く。

私は今のT先生に出会うまで、医者を2回変わっている。

そこそこ中くらいな規模の町に住み、メンタルクリニックと称する外来患者を扱う精神科の医院が選べる数だけあったということは、幸せなことだったに違いない。

1番大事なことは、医者との相性だと思う。

薬の使い方が上手で、患者の言うことをじっくりと、軽蔑せずに、良く聞いて下さり、最終的な決断を患者にゆだねて下さるT先生のような先生が長野にいらしたことに本当に感謝している。

HPにも書いて、何度も不平を言うのは申し訳無いが、最初診てくださった先生とは、やはり相性が悪かったと言うべきだろう。

その時点で、すでに電話である先生に相談して、「十中八九ウツ病だろう。」という判断を頂いていた私は、これで医者に行けば、薬を貰えて楽になれると信じ込んでいた。

実はそこは、病院とも、メンタルクリニックとも違っていた。

今思うことは、ひょっとしたらそこの施設に、ウツ病を抱えて訪れる人が一体どのくらいいたのだろうと言うことだ。

後から通うことになるメンタルクリニックを標榜する医院では、カウンセラーさん、または受付の看護婦さんが大変訓練されていたように思う。

最初の施設で、ひとしきり女性のカウンセラーさん(だろうか?)に時間をかけて症状を話した。

その時の彼女の対応は、私をひどくがっかりさせた。

「そんなこと、なんでもないじゃない。良くあることよ。」

なんでもない?よくあること?これはじゃあ、わたしの我慢が足りないってことなの?

でも、次に先生がいらっしゃって話しを聞いていただけるというので、気を取り直して待っていた。

別室へ通されて、長いこと話した。家のこと、生い立ち、18才くらいから、毎年のようにウツ状態が来ること。祖母も実は病気だったが、昔のことで薬が無く、祖父が毎年東京へ電気ショックの治療を受けに連れていっていたらしいこと・・。(祖母は本当に気の毒だ。今であれば、私のようにきっと薬で楽になれたであろうに・・。)

そこまで話しても、先生は私の話のある部分だけに興味を持たれたらしい。

「もし一人っ子じゃなかったら、両親がこんなに私を甘やかさずに上手に育ててくれていたら、こんな性格にならずに、もっと楽に生きられたかもしれないと思うことがあります。」

もちろんそれは、その時の本音であった。
重苦しい気持ちに我慢できずに、何とか楽にして欲しかった。

自分がその通り情けない育ち方をしたのは事実だし、話したことに偽りは無い。まさかそれが先生にどんな心象を与えるかなどに、思いをめぐらす余裕など私にはなかった。

今思えば、この一言が先生の全ての判断の基準になったらしかった。

すんなりとウツ病の診断がなされて、薬を貰えて楽になれると考えていた私に、先生はこう言い放った。

「どうもあなたは、ウツ病と言うか、どちらかと言うと神経症性ウツ病とでもいいましょうか。薬はたぶん効かないと思いますが、まあ(気休めに)出しておきましょう。」

あの時のショックを、今でも鮮烈に覚えている。
ウツ病ではないの?薬で楽にはならないの?

へなへなと崩れ落ちそうになるのをようやくこらえた。

確かに先生が出された薬では、いつまで経っても症状は良くならなかった。
最初に言われている以上、もう少し薬を下さいとはとても言い出せなかった。

そもそもウツ状態にあると、ただでさえ思考力が低下する。医者の言うことに反論する事など出来ない。

なんだかんだ言いながら、三ヶ月近くそこへ通った。
行く度に辛くなるので、やっとの思いで2番目に行くことになる先生のところへ電話をしてみた。電話に出られたのは女性のカウンセラーさんだった。

彼女は訓練された立派なカウンセラーだ。
私の話を聞き終わるとこう言われた。

「まあ、それはそれはお辛かったでしょう。今すぐにでも来て頂きたいけれど
今ここは少し混んでいるの。だから、今の先生に、薬を増やしてくださいとお願いしてみて下さいな。ここの名前を出して頂いても結構ですよ。」


「それはそれは、お辛かったでしょう。」

私が求めていた言葉。病気の辛さを受け止め、共感してくれる言葉。
三ヶ月たっても、最初の先生からは言ってもらえなかった言葉。

その一言で、私の背負っている重荷は半分になったような気がした。

・・・・(つづく)


ここで、大事な結論だけを先に言っておきたい。

医者との相性とは、すなわちその医者があなたをどれだけ好意的に見てくれるかと言う事かもしれない。 あなたの話をどれだけ信用して聞いてくれるかということかもしれない。 すべての基本は、信頼関係である。 どんな名医と評判の高い医者であろうと、あなたの人格を否定するような医者は、少なくともあなたにとって名医ではない。 それともうひとつ大事なことは、その医者がうつ病の患者をどれだけたくさん診ているか、すなわち経験があるかどうかということだ。 経験がある医者は、たぶん薬の使い方も上手だ。 ただ、今は薬の種類も数年前に比べたら各段に増えているので、薬の使い方が上手下手という基準で医者を選ぶ必要はないような気もする。 今はやりのメンタルクリニックは、たぶん多くの場合精神科を標榜しているはずだ。 それに対して、心療内科の中には、神経科のみで精神科を標榜していないところもあるやに聞く。 ウツ病を疑うなら、敷居は高くても精神科を受診した方が良いかもしれない。 ただし、大きな大学病院、地域の機関病院などは、却って避けた方が良い。 主治医が転勤のため、短期間に代わってしまう可能性があるからだ。 たくさんの患者が押し寄せるので、一人一人を丁寧に診てくれない恐れもある。 特にウツ病の場合は、じっくりと話を聞いてくれ、信用の出来る医者に出会うまで、患者はドクターショッピングをする権利があると思う。

カテゴリー健康・メンタルヘルスから始めていらっしゃたお客様、どうもお越し頂き有難うございました。 いつも明るい「九子のダメ母の証(あかし)日記」を書いております九子ですが、体調不良のためお休みさせて頂いて、しばらくの間このカテゴリーで書かせて頂くつもりです。 以前の日記はほとんど全て、もしかしたらウツ状態にあるあなたがお読みになるには、明る過ぎて不適当だと思います。 本当に元気になられて、明るい話題が欲しくなった時に、覚えておいて読んで頂けたら嬉しいです。 あなたが一日も早く元気を取り戻されますように・・・・。
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