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ちょこっと [<介護生活、そして父母の事>]

出来すぎ母は大手術のあと、なかなか太れないで困ってるのだが、一度にたくさん食べられない分、少しづつを回数多く食べるようになり、以前は全く興味の無かった料理番組やうまいもん情報を、目を皿のようにして見るようになった。

要するに、食べることに目覚めたのである。

そして、母の口癖が「ちょこっと・・」になった。

「わたし、ちょこっとあればいいから。」
「それ、ちょこっとだけちょうだい。」

この手で、身の回りにあるできるだけ多くの食材を、とりあえず口に入れようとする。

この頃九子の家では、カニ玉よりもむしろ、かき卵のえびチリがけが頻繁に食卓に昇る。

わからない人がいるかもしれないので、違いを説明すると・・・・・

カニ玉というのはカニの身(たいていカニ缶づめ)と、時には日本ねぎなんかを混ぜた卵を、たっぷりの油を熱した中華なべでいためて、大ぶりのカニ入り卵焼きを作る。
その上に、ケチャップ、砂糖、酢、砂糖等で調味して片くり粉でとろみを付け、グリーンピースなんかもあしらったソースをかける。

かき卵のえびチリがけは、文字どおりシンプルな卵だけを中華なべのたっぷりの油でふっくらと焼き上げ、その上にえびのチリソースをかけたものである。

この頃良く食卓に昇る・・・というところが実は味噌である。

ご存知の通り、九子のうちの食卓は、経済の影響をもろに受ける。(^^;
大学生二人、そして来たるべく大学生三人時代に備え、贅沢は敵である。

そんな昨今選ばれるものに、高いものがあろう筈は無い。

手の内はこうだ。

カニ玉のカニはかつて、いつも父の冠婚葬祭の引き出物やら贈答品やらで「ただで」手に入ったものだった。
ところが父が要職を退いて5年も経つと、さすがに蓄えてた分も底をつく。

昨今カニ缶というのは貴重品である。

またえびチリソースというのも、それだけをおかずの目玉にしようとすると、結構な量のえびが必要だ。

それを少しでも安くあげるために、九子は大量のたまねぎを良くいためて混ぜる方法を長年やっていたのだが、娘達に「たまねぎまず~い!」と言われて、考えついたのがこのかき卵のえびチリソースがけであった。

考えついたというか、どこやらの中華料理やさんで見つけたんだけどね。
( ^-^)

まず、主役は卵である。
それも、カニなどはいらない、シンプルかつ安価なやつ!

ちょっと豪華なのは、上にかかるソースだけだ。

えびはエビチリにする時は、おおぶりでないと格好がつかないが、上にかけるソースだからして、小ぶりなやつを、さらにまた半分に切ったやつでも事足りる。もちろん量もちょこっとで良い。(^^;

それと、緑色があった方が見栄えがいいから、ねぎでも、グリーンピースでも混ぜて、これでかさも増やせる。(^^;

エビ入りソースはトマトケチャップに甘酢を利かせてたっぷりと、卵を覆い尽くすほどに・・・。
つまりこの場合、エビはアクセントね、アクセント!( ^-^)


先日、またしてもこの卵のエビチリソースがけが食卓を飾った。

大きい卵を6個使って卵焼きを作ったのだが、ソースの量が結構多かった。
卵にたくさんのっけたけど、エビ入りソースがかなり余った。

そうだ!九子に名案が浮かんだ。
ソースだけ冷凍しといたら、いつか高校生二人とM氏のお弁当用に、朝たまご焼くだけで簡単にエビチリたまごが出来る!( ^-^)

九子はソースを入れる保存容器を探していた。
我が家の冷凍庫はいつも結構満杯だ。
だから、なるべく小ぶりで場所をとらないやつが良い。

やっと容器が探せたから、さあ、ソースを入れるぞお・・・・・・!

あっ、あれっ???
ソースが・・・無い!!


その時ひょっと母を見ると・・・。

「あっ、あたしちょこっとだけもらったから、たまごは要らないから、これだけでいいから。」
母の前には、残ったソースに入ってたエビだけきれいにすくったやつが・・・。

「たまごにかかったの、ちゃんとこっちにあるのに・・・・。」と必死の九子。

「いいの、いいの。あたしちょこっとあればいいんだから・・・・・」
母は気のせいか、お皿を手で覆って死守してるように見える。(^^;


・・・・・負けましたわ。


それとこの頃とみに気になるのが、母の視線だ。
とくに九子がお茶飲んでたりする時に、母が確かにこちらを見ている。

最初は気のせいと思っていたのだが、九子ばかりではなく、娘たちがなにか食べている時も、娘たちの口のあたりに、母の視線が注がれている。

なんなんだろう、この不気味な気配・・と思っていたら、理由がわかった。

この視線を感じるとほどなく、母はこう切り出す。

「ねえ、それ、ちょこっとだけちょうだい!」
要するに一人では食べきれないのだけれど、少しなら食べてみたいということなのだ。

そしていつも「おい、おい、それがちょこっとかよ。」とか、「残った分こそちょこっとだよ。」とか、さまざまな思いを九子の胸に刻みながら、母のちょこっと攻撃は続く。


今日も母は「ちょこっとだけ。」と言いながら、すいかの真ん中の十分大きなとこを選んだ。案の定食べきれなかったのか、「悪いけど九子の分半分切って残してあるから、食べてね。」と来た。

お皿に残ったすいかを見て、九子はたまげた!
残ったすいかは、向こう側が透けるほど薄かった。

だいたいさあ、半分ってことは等分ってことじゃあないわけ?

母の名誉のタメに言っておくが、若い頃の出来すぎ母はこうではなかった。
家族のために良いところを取って、自分はいつも一番端っこだった。

食事の途中に客が来ると、大慌てで店に出て、帰ってくると自分が食べていたことすら忘れてしまって、もうそれ以上食べなかった。

そんな母を、子供ながらに、かっこいいと思った。
がつがつしてる九子には(^^;、とても真似できないと思っていた。

とにかく、食べることに欲の無い人だったのだ。
それが、この変わり様である。(^^;


お年よりは大切に。だんだん楽しみが限られてくるのだから、食の楽しみくらい奪っちゃいけない。

それにさあ、たかが娘と母親のたわごとじゃあないの。
嫁姑の確執とは訳が違う・・・。

う~ん、でもなあ。
このもやもやした思いはなんなんだ!(^^;
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ちゃら

[やっと分かったわ]
いつも九子さんの日記読ませてもらっていたのだけど、BBS以外でどうやって返信を書くのか分からなかったの
今日見つけて何とかこのページにたどり着きました。
そうそう、コメントね、
うちの母も昔は自分で食べたい物もがまんして子どもに分け与えていた古風な母なのだけど、今はわりと意地汚い。
言葉は悪いけど、人間の性なのかなとも思います。
夕食は私が食事を作っているのだけど、自分で気に入ると後の人の事を考えないでガツガツ食べてしまいます。(父と一緒になって)
気に入らないと手もつけない。で、自分で食べたい物をつまんでいます。要するに、死ぬまでに後何回食べられるか分からないから、若い人ほど多くはないだろうから、その一食が大切になるのかな?我慢はもちろん出来ないし、いつでもあれが食べたかったと悔しい思いで死にたくないってのが本能かな?心配なのは、隠れ酒。父の手前は昔の女を演じるので、一緒の晩酌では父より少なめに酒を注ぐのだけど、父より強い母は実はそんなちょっとじゃ足りない。その足りない分を私や父に隠れて父が寝た暗い部屋でグイッと飲み干すのよ。キッチンドリンカーに近い飲み方なので、私の前ではグイッはやめてちびちび飲んでと言ってるのだけど、飲んでいるところを見られるのが又いやみたい。
いただいた菓子等、1箱に20個とか入っている饅頭や甘い食べ物が2日で綺麗になくなっている。私は好きじゃないけど、二人で2日でなくなるのはちょっと信じられないペース。それでも糖が出てるわけじゃないから目をつぶっているのですよ。
今の母の世代は戦争で食べ物を我慢したり、食べられなかった思いをしているから、余計に食べ物に執着心が湧くのかも知れないななんて思っています。人間足りなかったことを全部やってから死ぬらしいですから。<img src='/image/hammy/m001.gif'>
by ちゃら (2004-08-08 11:21) 

九子

[おお、ちゃらさん!]
ごめんね。BBSを無効にしたので、ご迷惑かけました。m(_ _)m

ちゃらさんの書きこみ読ませて頂いて、なるほどなあと納得しました。意外にみんな年取ると、若い時に似合わない行動を取るようになるもんなんですね。

確かに我が家は、お酒飲まない分まだましかもしれません。

でも、父の酒量は確かに増えてますよ。昔はからっきし飲めない人でしたが、睡眠薬と一緒に飲むという、とても人様には言えない飲み方をどうやってとめ様としても止めません。年よりは頑固ですからねえ。

確かに言葉は悪いけど「死に欲」って言うの?
ありそうな気がするよね。

自分はそうなりたくないと思っても、そうなっていくのかな?

年は取りたくないと、やっぱり思っちゃいますね。
by 九子 (2004-08-08 12:09) 

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