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副作用 [<薬のこと、ダメ薬剤師のこと、家のこと>]

薬屋というものは、たいてい家中のあちこちに薬が散らばっているものらしい。
長男Rの大学の友人に薬屋の息子がいるのだが、その子も売るほどたくさんの薬を実家から送ってもらっているのだそうだ。

もっとも彼のところと我が家では少々事情が違う。
あちらは5店舗ほどの調剤薬局を持つ地元でもビッグな薬局。こちらは、言わずもがなの落第薬局。(^^;

そう言えばなんでも来年だかさらい年から薬局の信用度ランキングみたいなものが公表される事になったとか・・・・。
どうしよう・・・・。(^^;

まっ、それはともかく、ビッグな薬局の御曹司が持ってる薬は、処方箋がないと手に入らない良く利く薬ばかりらしいが、我が家の御曹司のは、期限の定かでない漢方薬とか、期限が切れて売れなくなった薬とか・・・。(^^;

これから書くことは、あくまでも家の中だけのことである。いくら落第薬剤師とはいえ、薬局店頭の薬は、期限を守って置いてあるので、どうか笠原十兵衛薬局を信用して欲しい。(^^;

今日も薬戸棚を探る九子。
整理整頓と言うことが苦手な上に、薬は後から後から増えるので、必要な薬が薬棚からすぐに出てこない事は我が家ではしょっちゅうである。

その上薬はただと思ってる子供らは、なんのかんのと言っては薬を使いたがる。

もっともこれは子供に限ったことではない。
我が家で一番の薬消費者は、長いあいだ父だった。

とにかく無類の薬好き。
やれちょっと鼻水が出た、ちょっと寒気がすると言っては薬を飲む。
その上短気なので、すぐ効かないと更に別のを飲む。

今でこそボケて来て、自分が朝飲む薬を飲んだかどうかさえ怪しくなってきてからはそうでもなくなったが、とにかく数年前までは、薬を数種類飲まない日はないという毎日を送っていた。

あ~あ、こう言う人がうちのお客さんだったら、薬局もずいぶん潤っただろうに・・・。(^^;

と、話はまたあらぬ方へ行ったが、とりあえず必要な薬は、引き出しの奥から割と早く見つかったのである。

その時一緒に出てきたのが、○ラリ○という抗菌剤。試供品の6錠入りだった。
抗菌剤という言葉が聞きなれない人には、まあ新種の抗生物質みたいなもんである。

期限は、どれどれ・・・・?
けっ、2001年だって!いっくらなんでも3年も前じゃねえ。
九子は潔く、○ラリ○をごみ箱に捨てた。

その時である。
にわかに尿意をもよおした九子は、トイレにかけこむ。
そして、女性に多い膀胱炎の症状が現れていることを知る。

そうなのだ。長野は朝夕急に寒くなる時期である。
その上面倒くさがりやの九子は、冬用ふとんを最後の最後まで出さない。
可哀想に辛抱の人M氏は、薄い布団にくるまって寝てたよ。(^^;
冷えが原因である事は間違いない。

さっそく漢方の特効薬チョレイトウを飲む。
一時間ほどしたが、目立った効果はまだ現れない。(そりゃあ、そうでしょ。)

その時九子の頭に、さっきの○ラリ○がよぎる。
膀胱炎に抗菌剤は第一選択の薬である。

せっかくだもの。いいや、飲んじゃえ!
ごみ箱をあさる九子。(^^;

どれどれ、添付文書には、一日800mgを二回に分けて服用とある。
ここにあるのは、100mg錠剤が6こ。一回3錠だと少し足りないけど、まあいいか!

また一時間が過ぎる。依然として改善は見られない。

やっぱ3年も前のじゃ効かなくなってるのかも・・・。
いいや、残り全部飲んじゃえ。

薬剤師というものは、薬に対してこうも無頓着なものである。
(おいおい、あんたと一緒にしないでくれ!・・薬剤師諸氏の声)(^^;

結果どうなったか。

肝腎の症状の方はあんまり改善されないのに、やおら口の中が苦くて苦くてたまんなくなってきた。
辛いので飴を食べまくる。飴が切れるとまた苦い。

当然九子は横になる。薬局に客など来ない自信はある。(^^;

寝ていると今度は吐き気がしてきた。
またしてもトイレにかけこむが、苦い汁がわずか出るばかりだ。
だけど少しは胸の辺りが楽になった。

添付文書を良く読みなおす九子。
副作用の欄に・・・。あった!
0・1パーセントの割合で(って事は1000人に一人)味覚異常(にがみなど)が起きることがあると書いてある。

これかあ、これだったのかあ!

なんか嬉しい気持ちになる九子。
何しろ身を持って体験したんだから、もう忘れない!
今度もし○ラリ○が処方箋で出たら、自信を持って副作用の話が出来るぞう!
(あの、九子さん、患者さんにいらん不安を与えますから、副作用の話はあんまり薬剤師のほうからおおっぴらにしないのが鉄則じゃあ・・・。(^^;)


結局口の中の苦味はまだ続いているが、膀胱炎は一日でほとんど良くなった。もっとも3年前の○ラリ○が効いたのかどうかは定かではない。

こういう薬剤師の身を犠牲にしての努力があって、薬はたゆまぬ進歩を遂げるのである。
(えっ!!!)

みなさんも、薬は正しく使いましょうね。(^^;


☆またまたお恥ずかしい訂正がございます。 ○ラリ○のことですが、抗菌剤と書いてしまいましたが、純然たるマクロライド系抗生物質でございました。万が一お薬関係の方が読んでいらっしゃる可能性を考慮して、訂正させて頂きました。m(_ _)m しょぼっ! (´_`。)うぅっ。。
タグ:副作用 薬局
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コメント 2

よぽぽ

[もう、体は大丈夫ですか?]
九子さんてもしかして結構無謀な人?
私もかなりいい加減に物事を進めるけ人間ですけど、やはり薬のことは知識がないので、用量を守って服用しています…というか、私の場合薬が大変良く効く体質のようなので、アレルギーの薬とか1回分飲むとそれで、かなり長い期間症状が抑えられますけどね。

九子さんのブログ、本当に面白いです。後ろで娘が読書をしておりますので、笑いをこらえるのに大変でした。
by よぽぽ (2004-10-16 15:00) 

九子

[はい。おかげさまで(^^;]
多少苦味は残ってますが、ほとんど大丈夫です。( ^-^)

>九子さんてもしかして結構無謀な人?

あんまり無謀という認識は本人ないのですが、もしかしたら・・・。(^^;

薬が効く性質、効かない性質ってやはりあるような気がします。
薬が効く方が絶対に得ですよね。( ^-^)

お褒めに預かり恐縮です。
これは面白いぞと思って書いたのがいまいちで、そんなに期待しないで書いたもののほうが出来上がってみると面白かったり・・。いろいろですが、懲りずにまた読んでやって下さい。
本人喜びますので・・。( ^-^)
by 九子 (2004-10-16 23:11) 

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