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「心の基地」はおかあさん [<ダメ母のすすめ・・・・新米ママへ>]

三男Yが2歳から通った保育園の図書館に、その本はあった。

平井信義先生著「『心の基地』はおかあさん」
この本以外にもたぶんシリーズで4~5冊出てるはずだ。

いわさきちひろの絵みたいな優しいふわっとしたお母さんの絵が表紙を飾っていたように思う。

当時私は、坐禅を初めて4年目くらい・・。

毎日の気分の浮き沈みは影をひそめ、気持ちに余裕も出て、幸せなお母さんになれたと思っていたのだが、子供が悪いことをした時には人前でもことさら厳しく叱っていたように思う。むろんお尻を叩いたりもした。

私は坐禅で気持ちを安定させているのだから、絶対に感情で叱っているのではない。これは子供のためなのだと信じ込んて叱っていたと思う。

そんな時に出会ったのがこの本だった。

平井先生が提唱されたのは、「やる気のある子を育てる」という事だった。
確か「自発性」とか、「自律性」とかそんな言葉が使われていたと思う。

大人の指示がないと何も出来ない子供が増えている。
大学生になっても、自分が何をすべきかを教授に聞かないと動けない学生が多いという。

そういう子に限って、お母さんがやかましく指示を出して、子供のやる気の芽を摘んでいる。子供が自分で考える力を親が奪っている。

基本的には、子供のやりたいようにさせること。自分が何をやりたいのかを自分で見つけさせること。
そして、子供が何かに熱中している時は、決して声をかけないこと。

お母さんの仕事は、目や耳を鋭敏にして子供に危険が及ばないかを観察していることである。

もしも叱らなければならない事が起こった時は、叱らないで子供に背を向けること。そして、子供がわかるまで口をきかない事。

大好きなお母さんに話を聞いてもらえない、口をきいてもらえない事位子供にとって悲しいことはない。だから、叱られるよりもずっと辛いのだ。
愛情の反対は、憎しみではなく無視であると良く言われるが、それを逆手に取ったわけだ。

これは実際効き目があった。
いつも優しくしてくれる母親が黙りこんでいると、子供はおろおろし、要するに子供のほうから折れて来るのだ。

ただ、気の小さい子には不必要に不安を与える事にもなるので、だんまりを決め込む時間は子供の性格を見ながら判断した方がいいかもしれない。

それともう一つ「親業」という本も記憶に残っている。
親業―子どもの考える力をのばす親子関係のつくり方の画像
これは心理学のカウンセリングの手法をそのまま子育てに応用したものだ。

子供が泣いているとき、まずは気持ちを受けとめてやる。
悲しいなら悲しい気持ち、さびしいならさびしい気持ち、困っているなら困った気持ちを子供が口にしたとおりオウム返しに繰り返す。
「○○ちゃん、悲しいの・・・。」「△△さん、さびしいんだね。」「××君、困ってるんだよね。」

そして子供が口にすることだけを受けとめながら、子供が自分で答えに行き着くのを待つ。
「そうかあ。けんかしちゃったんだね。どうしてかなあ?えっ?友達がはたいて来たの?そっかあ。それで君はどうしたの?」

そうこうしているうちに、子供は相手ばかりでなく、自分にも落ち度があったことを認めて、これからどうしたらいいかを考え始める。

決して親の考えを押し付けてはいけない。
そうしながら、子供は最善の解決方法を自分で見つけていく。

叱らないと言うことは、頭で考えるほど容易な事ではない。
お母さんが疲れていたり、家庭内に問題があったり、とにかくお母さんの心に余裕がないと、気持ちを吐き出すために子供を感情的に叱ってしまうというのはよくあることだ。

そういう状態が長く続いていると、やはり子供にとっても影響が出てくるのではないか。

性格の違いというのもあるので一概には言えないのだが、我が家の場合、一番叱られた長男Rは今でも気が弱い。それに引き換え、叱るべきところも叱られないで育ってしまった次女Mは、どうしようもないわがまま娘ではあるが、転んでもただでは起きないタイプである。(^^;

子供が5人もいると、母親が反省に反省を重ねて、さぞかし一番下は素晴らしい子供に仕上がると思われがちだが、そんな事は無い。理屈通りに行かないのが世の中である。(^^;

それはともかく、これだけを見る限り、叱る、特に体罰を与えると言うことは、子供を萎縮させてしまうように思う。

ただ、あまりにも誰にも叱られずに過ごしてしまうのも、規範の厳しい小学校へ行ってからどうなるのか心配にもなる。実際そのために不登校になったお子さんを知っている。

世の中やはり中庸(ちゅうよう)というのが良いらしい。

エ~ッ、今までわかったような顔して書いて来ましたが、もともと手元に本が残っている訳ではなく、真顔でうそ八百を書き連ねてる可能性もありますので(^^;、是非ともご自身でお読み下さい。

それと、したり顔でいろいろ書いた事を九子がすべて実践した・・などとは、賢明な皆様はよもや思われますまい。
全ては九子流・・・であります。(つまりいい加減(^^;)

それから「お勉強しなさい」を言わなかった結果でありますが、たまたま長男がまじめ人間だったため、誰に言われるとも無く勉強し、弟妹たちはなんとなくそれにつられて勉強していたようです。

ただ、もし一番下のM子みたいなのが一番上であったなら・・・・と考えた時、・・・・・・・背筋がゾゾ~ッと寒くなる九子ではありましたが。(^^;

最後にもう1つ。「子どもは親の言う通りにならないもの」と言う事をどこかで自覚していると楽だそうです。親の思うままになると思ってるからあてが外れて叱りたくなる。最初から期待してなければ、それだけのこと・・・。

子育てって、本当に難しいですね。( ^-^)
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よぽぽ

[理想と現実は…]
>子育てって、本当に難しいですね

 いや、本当に…。でも振り返って思うのに、子供を育てたというよりは、自分が育てられているという感じです。

 上の子はほとんど実験台だったと言っても過言ではありません。それゆえ、いまだに本当に彼がLDだからちょっと変わっているのか、自分の育て方が悪かったからなのか、疑問に思うことがしばしばあります。でも、ここまで育ってしまって、今更やり直しもできないですしね…(^_^;

 言ってはいけないと思いつつ、やはり何もせずにごろごろしてるとつい言っちゃうんですよね~。「勉強しなよ…」って。
 でも、私の中では、勉強じゃなくても、なにか一つ真剣に取り組めるものを見つけてそれに真剣に取り組んで欲しいと思っているんです…。それが子供にとっては大きなお世話なんだとわかっているのですが…。 
by よぽぽ (2004-11-05 21:05) 

よぽぽ

[ついでにトラックバックさせていただきました。]
私も九子さんに刺激されて、昔の本を引っ張りだして読み始めました。

興味のある方はトラックバックしてのでお読みになってください。
m(_ _)m
by よぽぽ (2004-11-05 23:38) 

きよみがはら

[う~ん・・・]
「背を向ける」「黙りこむ」「無視」は反対かな。

DV(ドメスティックバイオレンス)って知っていますか?
親密な関係にある男性から女性への暴力。
簡単にいえば、夫婦や恋人の間におこる暴力。

暴力といっても殴る蹴るの暴力だけではありません。
DVのなかには「黙りこむ」というのが入っています。
ほかにも精神的な暴力が入っています。

実際にやられたら、たまらないです。
親から子どもに対して、お仕置きのつもりかもしれませんけれど、
精神的虐待だと思います。

本に書いてあることを頭の中でやってみて、
自分(親)の言葉・態度で相手(子ども)が
どういう気持ちになるか考え、
また実行しながら子どもの表情をよく見て
状況に応じて対応したほうがいいと思います。
by きよみがはら (2004-11-06 00:13) 

九子

[よぽぽさん。]
>上の子はほとんど実験台だったと言っても過言ではありません

これ、ほとんどのお母さんがそう感じているんじゃないかしら?
上の子は可哀想だなあと思います。でも、また大きくなると違うって。
きっとター君は、お母さん思いの素敵な男の子になるから。( ^-^)

トラックバック有難うございました。m(_ _)m
これから覗きに行きますね。
by 九子 (2004-11-06 20:03) 

九子

[きよみがはらさん。]
言われてみると、そうですよね。

ただ、私の書き方が悪かったかもしれません。
何しろもう十何年も前の事ですから、記憶も薄れているし、先生の言わんとする事と違う事書いちゃったかもしれないし・・。

たぶん、その件に関しては無視だけれど、その事以外では普通通りということだったような・・・。

すみません。とにかくもし機会があったら、読んでみてください。

そして、

>本に書いてあることを頭の中でやってみて、
自分(親)の言葉・態度で相手(子ども)が
どういう気持ちになるか考え、
また実行しながら子どもの表情をよく見て
状況に応じて対応したほうがいいと思います。

これ、本当に大事な事ですね。まったくその通りだと思います。
本に書かれちゃうと、それが全ての子どもに当てはまると思いがちですが、そうじゃない事たくさんあるものね。
気をつけたいです。
by 九子 (2004-11-06 20:10) 

チョッコ

[思春期の子どもたち]
無視をするのと無関心なのとまたちょっと意味合いが
違うような気がします。
最近、中3の娘との付き合い方に難しさを感じています。
同じ年代の子供さんを持つお母さんとも話をしましたが、
余り勉強しなさいっていうと、子どももいやだろうから、
言わないでいると、お母さんは私に関心がなさ過ぎるという。
どうすりゃいいのよってね。

1週間ほど前、娘の部屋を畳がえをした時に、自分の部屋の
ものを片付けずに出かけていました。本人はおじいちゃん、
おばあちゃんに帰ってきたら片付けるから、触らないで
って出かけたんです。

それを待ちきれなかった夫が娘の部屋に戻しちゃったんです。
娘はこれを機会に模様替えをするつもりだったようです。
いろいろやりたいことが目白押しだったのに、お父さんに
勝手に触られて、それ以後全く口を利きません。

私や妹姉とは口を利くのです。お父さんとだけ口を聞かない
のです。これには夫も苦笑いをしながらもとっても寂しい
ようです。

夫は夫で、義父母への遠慮や父親としての威厳もあって、
強制撤去をしたんだと思うのですが・・・・・

どちらの気持ちもわかるだけのわたしもちょっと困ってます。

ほかの家族とは普通にしゃべるのに自分とだけはしゃべら
ないというのはこたえますね。

なんでもほどほどがいいのでしょうが、無視するわけでもなく、
強制するわけでもなく、応援しているよ。なんかあったら
ここに私がいるよ。大丈夫。自分のやりたいことをやりなさ
いって、暖かい気もちで支援するのがいいのはわかっている
のですが・・・・。

やはり、余りにも人(家族も含めて)に迷惑をかけることには
一言言いたくなりますし、今言わなければと感情的になるこ
ともありますね。

無視する場合にも叱る場合にもやはり、その子のことを思っ
てるってことが伝わるような態度が大切なのでしょうね。
無視した後とか叱った後の何気ない一言や行動が大切で
しょうね。
by チョッコ (2004-11-12 10:06) 

九子

[本当に難しいですね。]
お嬢さんの気持も、ご主人の切ないさびしい気持も良くわかります。
それにしても、一人だけ口利いてもらえないのは、かなり堪えるでしょう。可哀想なお父さん。

もう彼女の気持は納まって仲直りしたのかな?

>無視する場合にも叱る場合にもやはり、その子のことを思っ
てるってことが伝わるような態度が大切なのでしょうね。
無視した後とか叱った後の何気ない一言や行動が大切で
しょうね。

もう、この一言に尽きますね。
人間だから、ついつい感情で叱ったり無視しちゃったりする事はあるんんだから、その後の仲直りの仕方ですよね。

お父さんも頑張れ!( ^-^)
by 九子 (2004-11-13 12:54) 

チョッコ

[やっとなかなおり?]
夫と娘。
10日たって、やっと話をするようになったみたい。
ほっ。
by チョッコ (2004-11-14 23:16) 

九子

[よかったね。( ^-^)]
10日もですか・・・。
なかなか根性のあるお嬢さんですね。(^^;

これでお父さんも枕を高くして眠れる。
めでたしめでたし!
by 九子 (2004-11-15 21:37) 

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