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とんでもない話・・・前編 [<介護生活、そして父母の事>]

世の中よりによって、とんでもないことが起こるものである。

人間長くやってると(^^;、九子のような能天気な人間にもとんでもない話がふりかかるもんである。



話は株のことである。

九子やらM氏やらという根がまじめ人間(?)は、株などというものにはとんと御縁がないのであるが、我が家にもなぜかささやかながら株券というものが転がっている。



その訳は・・・・・・。



出来すぎ母であった。彼女はもともと大の勝負事好きである。

彼女が好きだったプロレスも野球も、バレーボールもテニスも、勝ち負けが常にはっきりしている。



家庭マージャンや花札をやれば、ちょっと千円賭けない?というのは、決まって彼女だった。

勝ち負けがもっとはっきりした現金の形で出る株と言うものに、彼女がのめり込まないはずがない。



もともとは彼女が儲けたお金である。どう使おうと彼女の勝手・・・ではあるのだが、父を巻き込み、挙句のはては九子まで巻きこまれて「絶対上がる。」と言われた株を買ったのがもううん十年も前。



株の売買と言うもの、日々頭を回転させて市場の動向を研究し、社会情勢に常に目を光らせて初めて出来るものと思うのだが、出来すぎ母の場合はちと違った。



熱くなれば買い、冷めれば売る。

彼女の感情のたぎるままに、我が家の株は動いていたような気がする。



とどのつまりが、父のこの言葉である。

「あ~あ、どっかから来たばあさんのおかげで、うちの財産ちゃちゃめちゃになっちゃった。」(^^;



ちゃちゃめちゃというのは、めちゃくちゃという意味である。

そのめちゃくちゃにした張本人も、さすがにバブルがはじけたショックでやっと目が醒め、株から足を洗い、何分の1かの値段になってしまった我が家の株券は、ずいぶん長い間銀行の貸し金庫に眠っていたのである。



ところが、なんでも来年から、個人持ちの株券を売り買いした場合は、面倒な税金の計算を自分でしなければならなくなったという。



そして、今年12月31日までに、証券会社の「特定口座」というのに株券を預けた場合に限って、その手続きを今後一切証券会社が肩代わりしてやってくれるのだそうだ。



お金の計算など大嫌いな九子は、もちろんなにがしかの手数料はかかっても、証券会社に預けようと言い張った。



それには、このところ我が家のあたりをうろつくようになった某N証券のAさんの影がちらつく。



Aさんは、すぐにわかる関西人である。

N証券という会社は、入社したてはそれこそ日本全国どこに飛ばされるかわからないそうである。



ラグビーの名門大卒ラガーマンの彼は、いつも汗をかきかき自転車こいで、坂の上にある笠原十兵衛薬局にやってくる。



よそ者に冷たいと言われたくない良いかっこしいの九子は(^^;、二度三度とやってこられるとついつい情にほだされて、気になってた「特定口座」の話を切りだす。



相手も、渡りに船である。

とんとん拍子に話が決まって、我が家の株券のほとんどすべてが、N証券の特定口座に移されることになった。



長いこと使われなかった貸し金庫の中、眠っていた株券が目を覚ます。

心なしか震える白魚のような九子の指が(^^;、株券の束を取り出す。



細心の注意を払って株券をかばんに入れ、駐車場へと急ぐ。



数年前なら出来すぎ母が、これらすべての九子の動作に寄り添い、間違いの無いように監視してくれていた。



その母ももう当てに出来ず、平日の昼間となれば一応ボディーガード役を期待できる男の子もいない。

すなわち、九子に全責任がのしかかって来る訳だ。



皆さんは株券をなくすとどうなるかご存知だろうか?



出来すぎ母は言ったものだ。

「株券なんて、なくしたらそれっきりよ。あってナンボのものだもの。

 二足三文どころか、再発行なんかどこでも出来やしないわよ。」



そんなもんかなあ?なんか手立てはあるんじゃないかなあ・・とは思ったものの、株の知識では一枚も二枚も上の母の話を信じるほかはない。



そう言う以上、よもや母がそういうとんでもないことをするとは夢にも思わず、貸し金庫から取りだした株券の束を、九子はうやうやしく家の金庫の中に入れた。



ほっ、やれやれ・・・・・。



緊張が緩んだ九子が、いつもより長いお昼寝を取った事は言うまでもない。

(^^;



N証券のラガーマンは、いつも出足が遅い。金曜日に来て欲しいところが、月曜日になる。

そうだ責任の一端は彼にある!

彼が金曜に来てくれていさえすれば、とんでもない事は起きずにすんだのだ。



土曜日、我が長野市は資源ごみ回収の日である。この日に会わせていつものように、出来すぎ母は家の整理をしていた。今日は金庫の入ってる古い戸棚の整理だそうだ。



幾箱もの段ボールに詰められた古い書類やら、ごみ袋に入った古い手紙の束やらが、母の手により捨てられた。



つくづく思うことであるが、整理する人間によって捨てられるものと取っておかれるものは大部変わってくる。



出来すぎ母が残したのは、雲切目薬の古い注文ハガキとか手紙。

「切手がきれいでしょ。」と本人は涼しい顔である。



えっ?そんなもん取っとくわけ?

九子はにわかに心配になった。



実は九子にはどうしても探したかったものがあった。

それは、活禅寺初代管長無形大師がもしかした祖父16代十兵衛に宛てて書かれたかもしれない手紙である。



いつもお寺に行くたびに「お宅にきっと無形大師の手紙があるはずだよ。探してごらん。」と言われていた。



なんでも市議会の顔であった祖父十兵衛が、活禅寺が宗教法人になるときにお寺のお役にたったことがあるのだそうだった。



それにしても雲切目薬の古い注文ハガキを後生大事に取っておくような母である。



九子が思う大事なもの、例えば、おばあちゃんが父に宛てた手紙とか、おじいちゃんの所へ来た無形大師をはじめオエライサンからの手紙とか、そういう本当に重要なものが、捨てられているかもしれない!



そして九子は、火曜日に出す可燃ごみの中から、出来すぎ母が捨てたと思われるごみ袋2個を選び出して、九子の最終チェック用により分けて取ってあったのである。



今思えば、これがつまりは仏の御加護であった。(^^;



(後編に続く)























タグ:株券
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コメント 4

美文

[株は面倒ですよね。]
うちは 主人の前の会社の持ち株で 車を買ったので
殆ど 売ってしまいました・・・。

今残ってるのは 200株程です。
そして その株は 値打ちがどんどん下がってます。

株って本当に すごいですよ。
だって 記憶が正しければ
その持ってる株は 最高で 1株 12000円
今じゃ 500円~700円 行ったり来たりです。
悲しくなっちゃう!!

なので 株や 先物取引は 十分気をつけてやらないと
大変な事になる可能性大ですね・・・。
by 美文 (2004-11-17 08:35) 

チョッコ

[後編が読みた~い!!]
仏のご加護で終わっているから、大変なことには
ならなかったんだよね!!。
楽しみ楽しみ。
それにしても読ませるのうまいね。
by チョッコ (2004-11-17 08:37) 

九子

[美文さん!]
そちらでもだいぶ損害があったのですね。
バブルの時代、誰もが盲目的に株をはじめ、絶対に値下がりするはずがないと信じ込んだ結果ですよね。ああいうのを集団ヒステリーとか集団催眠とか言うのでしょうか?

とにかく、株は怖いです。
やるとしたら、それ相当の知識を得てからにしないとね。

でも、損したのうちばっかりじゃあないんだって思うと、少々安心した気分です。(ごめん。)
同病相憐れむ。お互い気をつけましょうね。( ^-^)
by 九子 (2004-11-17 22:24) 

九子

[チョッコさん!]
さすが!読みの鋭いチョッコさん。
そうなのです。あわやのところでなんとかなったのです。
お褒めに預かって光栄です。m(_ _)m
次回を楽しみにしてくださいね。( ^-^)
by 九子 (2004-11-17 22:27) 

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