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チビクロさんぽ [<九子の読書ドラマ映画音楽日記>]

先日の日記「ノルウエイの森」の中に出てきた「ちびくろさんぼ」のお話であるが、実は原作が絶版になってから、この話を「差別的でない話」に変えて出版された人がいる。

森 まりもさん。なんと!チビ犬のクロが散歩する「チビクロさんぽ」というお話に仕上がった。
一時期新聞でも取り上げられたから、御存知の方も多かろう。

チビクロひるねの画像 ←こんな本も出ているらしい。

「森 まりも」と書くとわかり難いが、ペンネームは回文、つまり、上から読んでも下から読んでも同じ「もりまりも」である。

こういう凝ったペンネームを考えつく彼は、そう!ただ者ではない。

実は、信州大学教育学部心理学教授の守 一雄先生である。ホームページで「チビクロさんぽ」のストーリーが途中まで読める。

信州大学教育学部附属長野小中学校に子供たちを通わせていると、どこかどこかで大学関係者の子弟と同級になる。

守先生のご長男と次男S、ご次男と長女N子は、小学校6年間ご一緒させて頂いた。
特に次男Sは、先生のお宅にもお邪魔したりしてお世話になった。

母親の方も、次男位までは参観日を皆勤で学校に通い詰めていたので、先生や同じ心理学者でいらっしゃる奥様とも良くお話させて頂く機会があった。

Sが先生のお宅に遊びに行くと聞くと、嬉しい反面、不気味でもあった。
彼が話すたわいのない一言から、我が家の実態が心理学者の手によって暴かれてしまうのではないか?

考えてみるとまだあの頃の九子には、恥じらいというものがあったのである。(^^;

そう!あの頃九子はまだ若かった。(今よりも、より一層!(^^;)
長男Rや次男Sの同級生のお母さんたちは、ほとんどが同世代だった。

ひるがえって今!M子のクラスのお母さん方には、いつも敬語を使われてしまう。
そのうち、立ってると椅子を持って来られそうで、怖い。(^^;

まあそれを怖れてというわけではないが、M子が「参観日なんか来るな!」と言うのをいいことに、ほとんど学校へ行かなくなってしまった。

その言葉の下には、「こんな若くないママなんて、見られるのが恥ずかしい!」という意識があるのではないか・・・と勘ぐる九子がいる。(^^;

とにかく、MK君と次男Sは仲良しだった。
MK君は、さすが!心理学教授の息子さん!と思わせる、自由で個性的な考えの持ち主で、参観日には彼の一挙手一投足が、おかあさん方の注目を浴びていた。

我が家ではその頃、九子も年相応に子供には厳しくしていたので、ほとんどの子供が持っていたゲームも買わせず、テレビは1日1時間とか、決めて見せていたと思う。

う~ん、こうしてみると、九子も昔は結構うるさい母親だったなあ。
お勉強しなさい!だけは言わなかったけど、今のM子に対するほど野放図では決してなかった。

(でも長男曰く「M子みたいに育っちまったら、オレ大変だったよ。不公平なのは嫌だけどさあ・・・。」(^^;)

MK君は確かその頃、本は好きなだけ買って良いと言われ、ゲームも持っていたと思うが、制限時間などなかった・・と言っていたような気がする。

そうだよね。制限時間なんて、所詮姑息な手段だ。
どっかの教育ママが考えそうな手口だよ。(^^;

とにかく、これでも昔は大学の心理部に所属していた九子である。( ^-^)
守先生の講演会ともあれば、何をさておき出かけて行った。

前にも書いた通り、九子が学生時代に習った心理学は、フロイトにせよユングにせよ、人間の心を深く掘り下げる事が目的だったように思う。環境が性格に与える影響とか、そんなことが永遠のテーマのようだった。

一人っ子で、いつも自分の世界の中だけで生きていたような九子は、自分の心の闇が覗けるかもしれないと興味を持ったわけだ。

ところが守先生がやっていらっしゃる心理学は、少々違うらしかった。


九子は長いこと、心理学は文系人間がする学問と思っていたのだが、先生によると、実験をし、計算させ、統計を取るなどという、九子が死んでもまた戻りたくない大学時代の実習室を思わせる光景を髣髴(ほうふつ)とさせる授業が行われるらしい。

例えば昨今、奈良で起こった小学生女児誘拐殺人事件が話題になっているが、犯人の車の色を白という人もあれば、紺という人もあるで、なかなか特定に至らない。

こういう不思議な現象が起こる訳を、先生はHP上で専門の「認知心理学」を使って解説して下さっている。(異なる事態を目撃した2人の目撃者の話し合いによる記憶の変容)

心理学とはいまや、人間の性格がどうの、意識がどうのということを突き詰めるのではなく、こう言う事態が起こると人間はこう反応するという普遍的な事柄を見つけ出して、それをさまざまな場面に応用していくという分野に発展しつつあるようだ。



九子がお昼寝の時使うので、九子の体重で背もたれが壊れかけた座いすが居間に転がっているのだが(^^;、その座いすに隠れて、これも壊れかけた背の低い本だながある。

長い間省みられる事のなかったその本だなの隅っこから、先日次男Sがかつて守先生の家に遊びに行って頂いた一冊の本が出てきた。

「S君へ 森 まりも」とあって、主人公のトラのワッサンの絵が書いてある。

タイトルは「チビクロこころ:中学生高校生のための心理学入門」

Sが読む前に九子が横取りして読んだのを覚えているが、誰もが心理学を勉強したくなってしまう魅力的な本だ。

そんな魅力的な本であっても、九子のうちにやって来ると、危うく出来すぎ母の魔の手にかかって資源ごみの日に出されるか、さもなくば節約家N子に○ックオフに売られるか、そういう修羅場をくぐる運命が待っているかもしれないのであるが・・・。

よかったね。九子の座いすの影に隠れてて・・・。(^^;

守先生!
来年の始めにニュージーランドで御講演だそうで、相変わらずの御活躍、陰ながら応援しております。( ^-^)

(・・・・・・ってゴマすっても、大事な本を粗末にしてた罪滅ぼしって事くらい、心理学者じゃなくたってとっくのとんまにお見通しヨ。(^^;)
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チョッコ

[ちびくろサンボ]
懐かしいです。国語の教科書に出ていました。
小学校2年の教科書かな?
私より妹が先生に暗記してきなさいって言われて、
泣きながら覚えていたのを記憶しています。
最後にバターになってしまうんですよね。
ルルルルル・・・・・・・・。

心理学、以前から気になっていた分野ですが、
最近になって、心理学を勉強してます。
といっても日常生活に心理学を生かそうという
ものです。
年間16回。先生のお話を聞きながら、ちょっとした
意見交換もあります。
岩月謙司さんの本をテキストにした時もありました。

信州大学といえば、カウンセラー養成講座というので
講師を勤められた方が信州大学の先生だったような・・・・
学生の頃は青年心理学や児童心理学も一応勉強した
のですが、ほとんど記憶に残っていませんね。
by チョッコ (2004-12-04 20:52) 

九子

[お返事遅れてごめんね。]
おお!チョッコさんは、かなり本格的に心理学の勉強をしてらっしゃるんですね。
私のは、ほんのお遊び。学園祭の前だけ、ちょこっとかじったクチです。(^^;

でも、心理学って興味あるよね。知ってると知らないとでは、まあ違いが出るって言うか・・。とにかく、交渉事に使ったり、とにかく「勝つ」ために使えそうな気がする。

でも今の心理学は、決して文系ではないそうなのです。科学なのだそうです。そう聞くと、なんだか一歩引いてしまいますが・・。(^^;
by 九子 (2004-12-06 10:00) 

チョッコ

[心理学は自分のため]
娘が通学していた高校のスクールカウンセラーの方に
勧められたの。
そのカウンセラーの師匠にあたる方が開いている講座だって。
今年3年目かな?
1年目は途中からだったけどね。
先生がすきなのね。

そこの話を聞いてくると、なんだか周りの人にやさしく
なれる気がする。

いつも言われることは、I am ok.You are ok.
自分もよくて、相手もいい。

自分の気持ちをよく見よう。自分のめんどうをみよう。

人の話はしっかり聞いて、自分の気持ちは素直に表現できる。

学問は生活に生かせてこそ学問だと思いますけどね。
心理学を勉強すると自分が安定してきますよ。
まあ、向き不向きはあると思いますけどね。
by チョッコ (2004-12-06 22:08) 

九子

[確かに・・・。]
はい。その通り!
心理学を交渉事に応用しようなんてのは邪道ですよね。反省します。

>心理学を勉強すると自分が安定してきますよ。
そうかもしれない。自分の心を知る事が他人の心を知る事につながりますよね。( ^-^)
by 九子 (2004-12-07 17:50) 

チョッコ

[必要な愛情の量]
>自分の心を知る事が他人の心を知る事につながりますよね。( ^-^)

そうですよね。
自分の心のカップを十分に満たせば、あふれ出て、相手の
カップも満たすことが出来るっていいますよ。

もう一つ、そこで学んで私なりに納得したのは、
子どもはその子によって、必要な愛情の量が違うってこと。

100の愛情で心が満たされる子供もいれば、300の愛情を
もらわないと愛されると感じない子。
母親が、その子が必要とする愛情の量を出せればいいけど、
出せる愛情の量が子どもが欲しい愛情の量に足りなければ、
子どもは愛情不足と感じるんだって。

そういう愛情不足と感じる子には親だけでなく、おばあ
ちゃんや近所の人、先生などが足りない愛情を補えばいい
ってこと。

この話を聞いて、ちょっと心が楽になれました。
by チョッコ (2004-12-07 20:38) 

九子

[良い話ですねえ。]
>そういう愛情不足と感じる子には親だけでなく、おばあ
ちゃんや近所の人、先生などが足りない愛情を補えばいい
ってこと。

なるほど!私のような出来そこないお母さんには本当に心が楽になる話です。大家族が良い、核家族は問題ありと言われるのも、結局そういうことなのかしらね。

我が家では、(こう言う母親ですので(^^;)子供たちは生まれながらにして、せいぜい100しかもらえないなあ、300を欲しても無理だなあということを学習しているのかもしれません。(^^;

手がかからなかったというか、手をかけなかったというか、手のかけようがなかったというか(^^;、あっというまにうん十年が過ぎてしまいました。
by 九子 (2004-12-08 22:24) 

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