モーメント [<正統、明るいダメ母編>]
momentumという単語をはじめてジョン先生に習ったとき、それが、昔、学校で習った「力のモーメント」という単元のそのモーメントであり、日本語に直すと勢いとかはずみという意味になるというのを聞いて、ほおっと思った。
「モーメントって何ですか?」とは、当時クラスメートの誰も聞かなかった気がする。
ただなんとなくわからないながらも、モーメントはモーメントとして、中学生だったか高校生だったかの九子の頭の中に刻まれた。
天秤の両側にオモリを下げて、右回りの力のモーメントと左回りの力のモーメントが等しいとき、天秤はつり合うみたいな話だったのを覚えている。
それが、はずみって意味だったのか!
日本語でわかると、理解の深みが違う気がする。(^^;
今日の日記はそのモーメントについてである。
九子が○まむらの常連客であることは「パンツの話」でも書いたが、事もあろうがその○まむらで、少々不快な体験をした。
その前の日曜日、九子はM子に下着を買ってやったのだが、わがままM子は気に入らないと言う。
てっきりそのまま着てくれるものと思っていたので、レシートなど捨ててしまった。しかし、値札等はすべてそのままになっていた。
「買った時のまんまなんだから、レシート無くても返金してくれるよね。」
九子は軽く考えて、父の病院通いの日、雪の中、父を車に残したままで○まむらのサービスカウンターに出向いた。
最初に対応してくれた人は、「この紙を持ってレジに並んで下さい。」と言ってくれたのだが、いざレジに並んでみると、「申し訳ありませんが、レシートが無いお客様の場合は、返品される品物よりも高額の商品とのお取替えということになります。」との事で、レジ係りの人は一歩も引かない。
「すみませんが、子供もいないので、別のものと言われても困るのですが・・・。それに、父も車に待たせてますし・・・。」
「とにかくレシートがないとご返金は出来ないのです。何か別のものございませんでしょうか?」
こちらもレシートを捨ててしまった責任があるので、素直に従って、父の換え下着を二組買うつもりで店内を探した。が、見当たらない。
「長ズボン下が見当たらないんですが・・・。」と言うと、係りの人が店内をくまなく探してくれるが、どうやら季節商品で、もう店内には残っていないらしい。
このあたりでもういいでしょっ?
だって、こっちもレシート無くした責任あるけど、そっちだって客が買いたい品物置いてなかったんだから、これでオアイコってもんでしょ?
九子のテンションが上がりつつある。ご用心、ご用心!(^^;
すかさず九子はこう言う。
「今、車の中に父を待たせているんです。買いたい物がなかったのだから、返金がだめなら商品券かなんかで返していただけないでしょうか?」
「少々お待ち下さい。」と引き下がったものの、係りは誰かと相談して、さらにこう言葉を続ける。
「誠に申し訳ありませんが、レシートの無いお客様の場合は、返金は致しかねます。お子様を連れて明日にでもまたご来店頂く訳には参りませんでしょうか?」
「こっちだってそんなに暇じゃあ無いんですよ。!」
これは本当である。九子は薬局のシャッターを閉めて来ているのである!
(薬局のシャッターが開いてる日に、奥で九子がお昼寝してる話は内緒、ないしょ。(^^;)
再び奥へ引っ込んだ係りの人は、真新しい袋にうやうやしく返品するはずの品物を入れて三度(みたび)九子の前に立つ。
「お客様、大変申し訳ありません。このお品物はこのままこの袋にお入れ致しましたので、お子さんとご一緒に、週末にでももう一度ご来店頂き、ごゆっくりとお買い物をして代わりの品物をお買い上げ頂きたいのですが・・・・・・。」
九子は何に弱いかって、新しい展開と、新しい小物に弱い。
どのくらい弱いかと言われれば「安いよ、安いよお~。」という言葉と、オマケの粗品くらいに弱い。(^^;
よお~く考えてみれば、店側は、なんら譲歩していないのであった。
とりあえずこの場はお引取り頂き、週末にまた、わがままM子と一緒に来店して、また余計なものをいっぱい買って下さいってな訳だ。
それをいかにも親切ごかして、大げさに新しい袋に入れて、にこやかな笑顔で繰り返しただけだったのである。
よお~っく考えてみれば九子にもだんだんわかってくるこのからくりであるが、即座にわかるほど九子の頭は鋭くないのである。(^^;
事もあろうに、○まむらにとってはタダ同然のレジ袋!そして○クドナルドのメニューにも載ってる¥0のスマイルに、ころっと九子は引っかかってしまったのである。
九子の主張すべき論点はこれだった。
「失われた時間」である。
九子がわざわざ薬局のシャッターを閉めてまでここへ返品に来て、今日この場でカタがつかない、次の週末また来てくださいというのであれば、今日の九子の無駄になっちゃったこの時間は、一体誰が保証してくれるのよ?
九子もバカではないからして(^^;、一応納得して受けとってしまったものの、結局こちらの要求は通らずじまいであった事に遅まきながら気がついて、内なるテンションが頂点に達している。
「そうしたら、今度来る時はどうすればいいのでしょうか?」(あくまでも冷静を装って・・。(^^;)
「一応サービスカウンターで対応致しますが、何かございましたら直接店長にお言いつけ下さいませ。」
おう、おう!出たな!店長!
今度来る時は店長呼び出して、店の何たるか、客の何たるかをこんこんとお説教してやるからな!
「一応(売れない薬局ながら(^^;)こちとらだって店長みたいなもんよ!
笠原十兵衛薬局だって、小さいながらも、もっとお客様に優しい薬局よ。
だいたい、客に不快な思いさせたら、もう次から客コネエダローが!
アタシが店長だったら、長ズボン下無かった時点で、金返してるネ!!」
次々飛び出す啖呵(たんか)の数々。(^^;
そして、次の週末の日曜日。
九子はM子と○まむらに赴(おもむ)く。
この時点でもうテンション低いよ。乗り込む!じゃなくて赴くだもん。(^^;
M子のやつが、また止せばいいのにたくさん買いこむ。
九子もまた止せばいいのに三男Yの春先用のセーターとかいろいろ買って(^^;、合計は返品金額の5倍にもなる。
これだけ買えばサービスカウンターの人もさすがになんにも言わない。
九子とM子はするりとレジを抜けて出口へ・・・。(^^;
えっ、店長はどうしたって?
居たよ、店長!
中年の男の人で、他はみんな女性だからすぐにわかる。
♪ちょ~っと待って!(ジャスト・モーメント!Just a moment!)プレイバック、プレイバック
今のことばあ~、プレイバック、プレイバック!♪
「一応(売れないながら(^^;)こちとらだって店長みたいなもんよ!
笠原十兵衛薬局だって、小さいながらも、もっとお客様に優しい薬局よ。
だいたい、客に不快な思いさせたら、もう次から客コネエダローが!
アタシが店長だったら、長ズボン下無かった時点で、金返してるネ!!
店長、アンタ聞いてる?」
と山口百恵ではないけれど、(古!(^^;)用意して来た啖呵は、出所を見出せぬまま・・・。(^^;
いかんせん、モーメントってもんが、つまり勢い、またははずみってもんが足りませんでしたね。
いやあ、世の中良く出来てるよ。
頭冷しちゃうと、人間なかなかテンション(tention)をキープ(keep)するって出来ないものらしい。
そもそも、もののはずみで言ったりしたりしたことにあんまり良い事ないもんね。大抵の罪は、はずみで起こる。だから、犯人達はほとんどの場合、留置場で後悔するんだ。
九子があの啖呵を、店長向かって投げつけていたら、○まむらの方針は変わっていただろうか?
まあ、有り得ない。
その前に、怒りを見せつけるなら、見せつける作法ってもんがある。
あんなにホイホイ買いこんどいて、怒ってるが聞いて呆れる。(^^;
こんど啖呵を切るときは、是非とも熱くなってるうちにしよう! 怒りの表情を相手に見せつけてやろう!
・・・・って、九子も結構口ばっかりなんだよねえ。(^^;
英語
「モーメントって何ですか?」とは、当時クラスメートの誰も聞かなかった気がする。
ただなんとなくわからないながらも、モーメントはモーメントとして、中学生だったか高校生だったかの九子の頭の中に刻まれた。
天秤の両側にオモリを下げて、右回りの力のモーメントと左回りの力のモーメントが等しいとき、天秤はつり合うみたいな話だったのを覚えている。
それが、はずみって意味だったのか!
日本語でわかると、理解の深みが違う気がする。(^^;
今日の日記はそのモーメントについてである。
九子が○まむらの常連客であることは「パンツの話」でも書いたが、事もあろうがその○まむらで、少々不快な体験をした。
その前の日曜日、九子はM子に下着を買ってやったのだが、わがままM子は気に入らないと言う。
てっきりそのまま着てくれるものと思っていたので、レシートなど捨ててしまった。しかし、値札等はすべてそのままになっていた。
「買った時のまんまなんだから、レシート無くても返金してくれるよね。」
九子は軽く考えて、父の病院通いの日、雪の中、父を車に残したままで○まむらのサービスカウンターに出向いた。
最初に対応してくれた人は、「この紙を持ってレジに並んで下さい。」と言ってくれたのだが、いざレジに並んでみると、「申し訳ありませんが、レシートが無いお客様の場合は、返品される品物よりも高額の商品とのお取替えということになります。」との事で、レジ係りの人は一歩も引かない。
「すみませんが、子供もいないので、別のものと言われても困るのですが・・・。それに、父も車に待たせてますし・・・。」
「とにかくレシートがないとご返金は出来ないのです。何か別のものございませんでしょうか?」
こちらもレシートを捨ててしまった責任があるので、素直に従って、父の換え下着を二組買うつもりで店内を探した。が、見当たらない。
「長ズボン下が見当たらないんですが・・・。」と言うと、係りの人が店内をくまなく探してくれるが、どうやら季節商品で、もう店内には残っていないらしい。
このあたりでもういいでしょっ?
だって、こっちもレシート無くした責任あるけど、そっちだって客が買いたい品物置いてなかったんだから、これでオアイコってもんでしょ?
九子のテンションが上がりつつある。ご用心、ご用心!(^^;
すかさず九子はこう言う。
「今、車の中に父を待たせているんです。買いたい物がなかったのだから、返金がだめなら商品券かなんかで返していただけないでしょうか?」
「少々お待ち下さい。」と引き下がったものの、係りは誰かと相談して、さらにこう言葉を続ける。
「誠に申し訳ありませんが、レシートの無いお客様の場合は、返金は致しかねます。お子様を連れて明日にでもまたご来店頂く訳には参りませんでしょうか?」
「こっちだってそんなに暇じゃあ無いんですよ。!」
これは本当である。九子は薬局のシャッターを閉めて来ているのである!
(薬局のシャッターが開いてる日に、奥で九子がお昼寝してる話は内緒、ないしょ。(^^;)
再び奥へ引っ込んだ係りの人は、真新しい袋にうやうやしく返品するはずの品物を入れて三度(みたび)九子の前に立つ。
「お客様、大変申し訳ありません。このお品物はこのままこの袋にお入れ致しましたので、お子さんとご一緒に、週末にでももう一度ご来店頂き、ごゆっくりとお買い物をして代わりの品物をお買い上げ頂きたいのですが・・・・・・。」
九子は何に弱いかって、新しい展開と、新しい小物に弱い。
どのくらい弱いかと言われれば「安いよ、安いよお~。」という言葉と、オマケの粗品くらいに弱い。(^^;
よお~く考えてみれば、店側は、なんら譲歩していないのであった。
とりあえずこの場はお引取り頂き、週末にまた、わがままM子と一緒に来店して、また余計なものをいっぱい買って下さいってな訳だ。
それをいかにも親切ごかして、大げさに新しい袋に入れて、にこやかな笑顔で繰り返しただけだったのである。
よお~っく考えてみれば九子にもだんだんわかってくるこのからくりであるが、即座にわかるほど九子の頭は鋭くないのである。(^^;
事もあろうに、○まむらにとってはタダ同然のレジ袋!そして○クドナルドのメニューにも載ってる¥0のスマイルに、ころっと九子は引っかかってしまったのである。
九子の主張すべき論点はこれだった。
「失われた時間」である。
九子がわざわざ薬局のシャッターを閉めてまでここへ返品に来て、今日この場でカタがつかない、次の週末また来てくださいというのであれば、今日の九子の無駄になっちゃったこの時間は、一体誰が保証してくれるのよ?
九子もバカではないからして(^^;、一応納得して受けとってしまったものの、結局こちらの要求は通らずじまいであった事に遅まきながら気がついて、内なるテンションが頂点に達している。
「そうしたら、今度来る時はどうすればいいのでしょうか?」(あくまでも冷静を装って・・。(^^;)
「一応サービスカウンターで対応致しますが、何かございましたら直接店長にお言いつけ下さいませ。」
おう、おう!出たな!店長!
今度来る時は店長呼び出して、店の何たるか、客の何たるかをこんこんとお説教してやるからな!
「一応(売れない薬局ながら(^^;)こちとらだって店長みたいなもんよ!
笠原十兵衛薬局だって、小さいながらも、もっとお客様に優しい薬局よ。
だいたい、客に不快な思いさせたら、もう次から客コネエダローが!
アタシが店長だったら、長ズボン下無かった時点で、金返してるネ!!」
次々飛び出す啖呵(たんか)の数々。(^^;
そして、次の週末の日曜日。
九子はM子と○まむらに赴(おもむ)く。
この時点でもうテンション低いよ。乗り込む!じゃなくて赴くだもん。(^^;
M子のやつが、また止せばいいのにたくさん買いこむ。
九子もまた止せばいいのに三男Yの春先用のセーターとかいろいろ買って(^^;、合計は返品金額の5倍にもなる。
これだけ買えばサービスカウンターの人もさすがになんにも言わない。
九子とM子はするりとレジを抜けて出口へ・・・。(^^;
えっ、店長はどうしたって?
居たよ、店長!
中年の男の人で、他はみんな女性だからすぐにわかる。
♪ちょ~っと待って!(ジャスト・モーメント!Just a moment!)プレイバック、プレイバック
今のことばあ~、プレイバック、プレイバック!♪
「一応(売れないながら(^^;)こちとらだって店長みたいなもんよ!
笠原十兵衛薬局だって、小さいながらも、もっとお客様に優しい薬局よ。
だいたい、客に不快な思いさせたら、もう次から客コネエダローが!
アタシが店長だったら、長ズボン下無かった時点で、金返してるネ!!
店長、アンタ聞いてる?」
と山口百恵ではないけれど、(古!(^^;)用意して来た啖呵は、出所を見出せぬまま・・・。(^^;
いかんせん、モーメントってもんが、つまり勢い、またははずみってもんが足りませんでしたね。
いやあ、世の中良く出来てるよ。
頭冷しちゃうと、人間なかなかテンション(tention)をキープ(keep)するって出来ないものらしい。
そもそも、もののはずみで言ったりしたりしたことにあんまり良い事ないもんね。大抵の罪は、はずみで起こる。だから、犯人達はほとんどの場合、留置場で後悔するんだ。
九子があの啖呵を、店長向かって投げつけていたら、○まむらの方針は変わっていただろうか?
まあ、有り得ない。
その前に、怒りを見せつけるなら、見せつける作法ってもんがある。
あんなにホイホイ買いこんどいて、怒ってるが聞いて呆れる。(^^;
こんど啖呵を切るときは、是非とも熱くなってるうちにしよう! 怒りの表情を相手に見せつけてやろう!
・・・・って、九子も結構口ばっかりなんだよねえ。(^^;
英語
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