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春の信濃路 [<正統、明るいダメ母編>]

九子の愛車フィ○トは、本来ならば軽やかなはずのエンジンの回転音を奇妙に高低させながら、春の信濃路をひた走る。

エンジン音が必要以上に高くなる時、それは明らかに、省エネ九子が停止中にギアをニュートラルに入れるのは良いが、発進時ギアを戻し忘れて、アクセルだけを空ぶかしして居る時。(^^;

低くなる時は良くわからないが、多分長男Rの助言に従って、経済走行60キロで走っている時ではあるまいか?
(なにしろ九子は自慢じゃあないが、運転中に回転メーターなど一度も見たことも無いのだからして・・・。(^^;)

九子の運転はかなり荒っぽいそうである。
(自分では全く意識していない。)

一番言われることが、制動距離が短いことだそうだ。
「パパやおにいちゃんたちの車に乗るとす~っと止るんだけど、ママのはガックンなんだよねえ。」

そうかなあ?そんなにひどいかなあ?

でも思い当たる事が無いでもない。
自分はADDではないか?と疑うほどの注意力散漫人間・・・というか、内なる世界を広く持つ人間( ^-^)なので、運転中でもついつい白昼夢とでも言うべき状態に陥って、はっとすることがある。

あっ、前に車が!
ってんで、ブレーキを踏むから、そりゃあ多少なりとも衝撃はあるだろう。(^^;
だけどこれでも、ゴールド免許ドライバなんだぞ~、えっへん!
(おおっ、怖!)

そもそも土曜日の朝っぱらから、九子がなんでこんな長距離ドライブをしているかというと・・・。
長女N子から「今体育館に着いたんだけど、靴を忘れたから持って来て!」と電話があったからだ。

行く先は戸倉体育館。今日は卓球の北信大会の日である。
おお、初心者N子も2年生になったんだから、試合には出させて貰えるんだねえ。( ^-^)

戸倉とは「戸倉上山田温泉」の戸倉である。つい最近更埴市と合併して新しく「千曲(ちくま)市」になった。
長野からは九子の車で小一時間程の距離である。(迷って行きつ戻りつする時間も含めて・・・。(^^;)

途中「いもじや」という場所を通る。出来すぎ母の親戚が住んでいる所だ。

交差点の表記は、いつでもひらがなで「いもじや」だから、へんてこりんな名前といつも思っていた。
芋の入った「おじや」でも名物なのかな?

ところが違ったのである!
どんな漢字が当てられていたかというと・・・・。

「鋳物師屋」・・・・で、「いもじや」
日本語って本当に奥が深い。( ^-^)


その「いもじや」を抜けると、いよいよ戸倉は真近だ。
直後行く手を遮るように、連なった山々の稜線がくっきりと重なって見える場所がある。

春はあけぼの。
やうやう白くなり行く山ぎは・・・。

九子って、どうしても教養が邪魔するんだよね。
(実はそこしか知らないんだけど・・・。(^^;)

とにかく枕の草紙ではないけれど、どういう加減か朝の光に照らされて、ほの青く見える稜線が濃淡の影を作る。

最初、光の加減でひとつの山の影が三重に見えてるのかと思ったが、実はそうではなくて、道路すぐ脇に見える山々が、折りたたまれるように重なり合っていて、その証拠に三本の線は自在に、それぞれの方向へたおやかに伸びる。

最初三重だった影は、そのうち五重になる。
つまり五つの山が重なり合って・・・・。

う~ん、いらいらする!
表現する言葉が足りないのである。

そもそも九子のいい加減な記憶の中で、山そのものがどう言う配置で重なり合い、どちら方向から光を受けてどの辺りに像が出来ていたのかの詳細が定かではない。

ただうっとりと、「綺麗だわア。ずいぶん長い間生きてきたけど(^^;、故郷の山々の美しさを改めて感じてるって感じ!今まで知らなかったなんて、うっかり生きてきたもんだわア。」と感激していただけなのである。

カメラでもあったら良かったんだけど・・・。

そうだ!ケータイがあったよ!

ケータイ音痴の九子さんでも、今やカメラ付きケータイを持つ時代に・・・。(^^;
(実はM子と共用なので、言われるままに機種変更しただけ。)

「カシャッ!」
いつも思う事だけど、カメラ付きケータイのシャッター音って、プロのカメラマンの音みたいじゃなあい?
九子はいつも、それにだまされる。(^^;

言っておくが、九子は運転中である。
赤信号を待てども待てども、なかなかこういう時に限って赤にならない。

3個目の信号がとうとう赤になった時、九子は渾身の力を込めてシャッターを押す。
たぶん、とてつもなく余分な力が加わっているはずである。(^^;

案の定、ケータイ写真は不発に終わった。
出来あがったのは、どこがどう写っているのかもわからない心霊写真。(^^;
だけど正直、皆様にお見せしたい程の美しさだった。(もちろん写真の方じゃない。)

実は、あの荘厳なる山々を見て九子の頭にひらめいたことがある。
戸倉という地名の由来だ。

まるで扉を重ねたように山々が連なっている所だから、山を扉に見たてて、戸の倉、つまり戸倉という名前になったのではあるまいか?
ひょっとすると、天の岩戸の戸隠山とも関係があるのかなあ?

凡庸な九子のような人間でも、壮大な時の流れの一代絵巻を見て居るような気分にさせる故郷の山川である。

そう。信州はまさに山の中なのだ。

届けた先の戸倉体育館では、N子が外で待っていた。
「おう、良くここがわかったねえ!じゃあ。」

「・・・・・・・・・・・・。」

母親というもの、これ以上の言葉を期待してはいけないのである。(^^;

戸倉体育館の駐車場は、千曲川を背にして満開の 桜 また桜!

「さあっ、今日も笑顔だ!空気がうまい!」( ^-^)
これからまた気合入れて帰って、ソッコウお昼寝するぞ~。(^^;
タグ:戸倉 信州
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