同級会事件・・・その２ [＜正統、明るいダメ母編＞]
Ｆ先生は、結局いらっしゃらなかった。
九子に殺された事を憤慨された訳では決してなく、（と言うか、そんな事実、誰が先生に伝えられようか？(＾＾;）途中で担任を降りた教師は、決して担任としてしゃしゃり出てはいけないと言う不文律みたいなものがあるらしくて、Ｆ先生はＹ先生に気を遣って出席されなかったという事みたいだった。
同級会当日は、良く晴れた日であった。
（とりあえず８月のお盆休みにやった訳だから、雨が降るのが不思議みたいなものだが・・・）
出席者は先生を含めて１６人。長野県以外からも４人が出席してくれた。
九子は一応幹事であるからして、本来ならばいの一番に到着してあれこれ指図しなければいけない立場であったが、行く先だって忘れ物をして家に引き返したりしていたものだから、会場到着した頃にはもうほとんどみんな揃っていた。
（ちなみに忘れ物はカメラだった。これが元で、あとでまた一騒動持ちあがる事になるのだが・・・。）
九子の代わりに会費を集めてくれたのが、Ｈさん。
九子と同じく薬学部へ進み、今では九子と違って(＾＾;本格的な薬剤師さんだ。
「九子ちゃんひとりじゃ大変でしょう。出来ることあったら私にやらせて。」という彼女の温かい言葉に、
「とりあえず大丈夫だと思うけど、有難う。何かあったらお願いするわね。」とかっこ良く答えた九子であったが、早速彼女に頼りきる事態に・・・。(＾＾;
あちらこちらではもう３０年の隙間を埋めるかのごとく、話に花が咲いている。
ころあいを見計らって、Ｙ先生を手始めに、一人一人の３０年の越し方の物語の御披露目となる。
たった１５人の中に、ご主人を亡くされた方が三名いた。病気が二人。交通事故が一人。
二人にはもう１０年も前にもなるその深い悲しみを乗り越えて、忘れ形見を一人前にした自信と安堵が溢れていた。
もう一人はまだ日の浅い中を出席して下さったため、時折涙を浮かべながら、それでも気丈にご主人の夢だったことを実現することを目標に生きていくと語られた。
そんなに悲壮でもないありきたりの人生を送った人達の中にも物語りはたくさん隠れていて、それぞれの人生はそのままテレビドラマとして放映出来そうな密度の濃さであった。
３０年前の思い出をＹ先生が語り始めると、あちこちから「そうそう。そんなこともあったよね。」という声がかかる。
先生というのは、本当に記憶力が良い。
同じような年格好の生徒たちを何度も何度も担任して、それぞれのクラスの生徒たちの顔や名前はもちろん、学園祭で何をしてどんな事があったかまで鮮明に覚えていらっしゃる。
こういう時、急に静かになってしまうのが九子である。
どうも九子の場合、みんなと一緒に何かをしたという記憶が薄い。
「学園祭の打ち上げでみんなで酒飲んだの覚えてるかア？」
みんなはわあっと盛り上がったが、九子は一人しら～っとしていた。
まったく覚えがなかったからだ・・。(＾＾;
名残は尽きないが、そろそろ記念撮影でもしてお開きの準備を・・・・と言うわけで、九子が取り出したる一眼レフカメラ。
子供の運動会はいつもビデオで撮っていたのだが、カーブ地点で見逃して、いつでも肝心のゴール地点を撮り逃すので、そんならいっそのこと良い望遠カメラをひとつ買って・・と、長野にはじめて○タムラカメラが出来た時に開店セールで買ったものだった。
確かに望遠カメラで撮ると、子供の表情が鮮明に撮れるはず！・・・ではあった。
しかし何で撮ろうが、なぜか途中で我が子を見失う九子が撮れば、よその子の顔が大きく写っていたり、顔がまったく見えなかったりで、あんまり大した意味はなかったのである。(＾＾;
慌てていた九子は、そのカメラを最後に使ったのは次女Ｍ子の小学校最後の運動会だったことをすっかり忘れていた。
ファインダーを覗いてびっくり！
なんじゃ、こりゃ！顔ばっかりしかはいらないぞ。
それもそのはず。カメラについていたのは運動会で使った大きいほうの望遠レンズ。(＾＾;
従業員さんに頼んで、それでも一番小さく絞ってもらって部屋の反対の壁に張り付いて撮ってもらう。(＾＾;
そんなにまでした上、カメラ屋さんにもかけあったが、結局一眼レフ写真は使い物にならず、記念写真は予備に持っていった１７０万画素のしょぼいデジカメで・・・・・。
あ～あ、ドジは死ななきゃ治らない！(＾＾;
だけど本当楽しかったなあ。
先生もみんなも嬉しそうだったよねえ。
良かった、良かった！
これで３０年の区切りができたよ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
前の日記の冒頭から、読んで下さったみなさん。
何かお気づきの事ありましたでしょうか？
では、もう一度前の日記の冒頭を、特に細心の注意を払ってお読み下さい。
指折り数えて頂いても構いません。
そう。今年大台に載った九子は３年前、何歳だったのか？
なんと！
九子が企画立案した卒後３０年記念同級会は、実はまだ卒後２９年目に開催されてしまったのでありました。(＾＾;
嗚呼！
九子に殺された事を憤慨された訳では決してなく、（と言うか、そんな事実、誰が先生に伝えられようか？(＾＾;）途中で担任を降りた教師は、決して担任としてしゃしゃり出てはいけないと言う不文律みたいなものがあるらしくて、Ｆ先生はＹ先生に気を遣って出席されなかったという事みたいだった。
同級会当日は、良く晴れた日であった。
（とりあえず８月のお盆休みにやった訳だから、雨が降るのが不思議みたいなものだが・・・）
出席者は先生を含めて１６人。長野県以外からも４人が出席してくれた。
九子は一応幹事であるからして、本来ならばいの一番に到着してあれこれ指図しなければいけない立場であったが、行く先だって忘れ物をして家に引き返したりしていたものだから、会場到着した頃にはもうほとんどみんな揃っていた。
（ちなみに忘れ物はカメラだった。これが元で、あとでまた一騒動持ちあがる事になるのだが・・・。）
九子の代わりに会費を集めてくれたのが、Ｈさん。
九子と同じく薬学部へ進み、今では九子と違って(＾＾;本格的な薬剤師さんだ。
「九子ちゃんひとりじゃ大変でしょう。出来ることあったら私にやらせて。」という彼女の温かい言葉に、
「とりあえず大丈夫だと思うけど、有難う。何かあったらお願いするわね。」とかっこ良く答えた九子であったが、早速彼女に頼りきる事態に・・・。(＾＾;
あちらこちらではもう３０年の隙間を埋めるかのごとく、話に花が咲いている。
ころあいを見計らって、Ｙ先生を手始めに、一人一人の３０年の越し方の物語の御披露目となる。
たった１５人の中に、ご主人を亡くされた方が三名いた。病気が二人。交通事故が一人。
二人にはもう１０年も前にもなるその深い悲しみを乗り越えて、忘れ形見を一人前にした自信と安堵が溢れていた。
もう一人はまだ日の浅い中を出席して下さったため、時折涙を浮かべながら、それでも気丈にご主人の夢だったことを実現することを目標に生きていくと語られた。
そんなに悲壮でもないありきたりの人生を送った人達の中にも物語りはたくさん隠れていて、それぞれの人生はそのままテレビドラマとして放映出来そうな密度の濃さであった。
３０年前の思い出をＹ先生が語り始めると、あちこちから「そうそう。そんなこともあったよね。」という声がかかる。
先生というのは、本当に記憶力が良い。
同じような年格好の生徒たちを何度も何度も担任して、それぞれのクラスの生徒たちの顔や名前はもちろん、学園祭で何をしてどんな事があったかまで鮮明に覚えていらっしゃる。
こういう時、急に静かになってしまうのが九子である。
どうも九子の場合、みんなと一緒に何かをしたという記憶が薄い。
「学園祭の打ち上げでみんなで酒飲んだの覚えてるかア？」
みんなはわあっと盛り上がったが、九子は一人しら～っとしていた。
まったく覚えがなかったからだ・・。(＾＾;
名残は尽きないが、そろそろ記念撮影でもしてお開きの準備を・・・・と言うわけで、九子が取り出したる一眼レフカメラ。
子供の運動会はいつもビデオで撮っていたのだが、カーブ地点で見逃して、いつでも肝心のゴール地点を撮り逃すので、そんならいっそのこと良い望遠カメラをひとつ買って・・と、長野にはじめて○タムラカメラが出来た時に開店セールで買ったものだった。
確かに望遠カメラで撮ると、子供の表情が鮮明に撮れるはず！・・・ではあった。
しかし何で撮ろうが、なぜか途中で我が子を見失う九子が撮れば、よその子の顔が大きく写っていたり、顔がまったく見えなかったりで、あんまり大した意味はなかったのである。(＾＾;
慌てていた九子は、そのカメラを最後に使ったのは次女Ｍ子の小学校最後の運動会だったことをすっかり忘れていた。
ファインダーを覗いてびっくり！
なんじゃ、こりゃ！顔ばっかりしかはいらないぞ。
それもそのはず。カメラについていたのは運動会で使った大きいほうの望遠レンズ。(＾＾;
従業員さんに頼んで、それでも一番小さく絞ってもらって部屋の反対の壁に張り付いて撮ってもらう。(＾＾;
そんなにまでした上、カメラ屋さんにもかけあったが、結局一眼レフ写真は使い物にならず、記念写真は予備に持っていった１７０万画素のしょぼいデジカメで・・・・・。
あ～あ、ドジは死ななきゃ治らない！(＾＾;
だけど本当楽しかったなあ。
先生もみんなも嬉しそうだったよねえ。
良かった、良かった！
これで３０年の区切りができたよ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
前の日記の冒頭から、読んで下さったみなさん。
何かお気づきの事ありましたでしょうか？
では、もう一度前の日記の冒頭を、特に細心の注意を払ってお読み下さい。
指折り数えて頂いても構いません。
そう。今年大台に載った九子は３年前、何歳だったのか？
なんと！
九子が企画立案した卒後３０年記念同級会は、実はまだ卒後２９年目に開催されてしまったのでありました。(＾＾;
嗚呼！
タグ：同窓会
[同級会に出れなかったけど]
同級会出れなかったけれど、お話聞けて嬉しかったです。
Ｆ先生はタモリ似の、歩き方のかわいい？先生でしたよね。
昔のことも最近のことも、どんどん忘れていく今日この頃ですが
古い校舎とセーラー服、学食、氷水（学校帰りに食べた）・・・
いろいろ思い出しました。
生きていくって、晴れの日ばかりじゃない。
でも、日はまた昇る。
30年は振り返ると、早いですね。
30年記念同級会の企画をありがとう。
by みるく (2005-10-14 15:08)
[おお、みるくさん！]
コメント嬉しく思います。ありがとう。( ＾-＾)
＞Ｆ先生はタモリ似の、歩き方のかわいい？先生でしたよね。
なるほどね。そう言う見方も出来ますね。(＾＾;
＞古い校舎とセーラー服、学食、氷水（学校帰りに食べた）・・・
なつかし～い！学食の安いだけが取り柄のうどん。
あの頃おやつにジャムとマーガリンを生食パンにはさんだのみんなで食べてたよねえ。それでも太らなかったなんて・・。
また同級会の詳細はメールでご説明しますね。( ＾-＾)
とにかく読んで頂いてコメントまで頂き、有難うございました。
m(_ _)m
by 九子 (2005-10-14 18:52)