SSブログ

九子家の年賀状2006 [<学校の話、子供たちの話>]

明けましておめでとうございます。
皆様にとってお幸せな年でありますように。

今年は、我が家最後の高校受験生M子の受験の年ですが、敢えて冒険を望まない彼女は、兄や姉と同じ長野N大高の推薦入学を希望しています。

「お勉強が出来る」という形容詞には長い間縁のなかったM子ですが、中2の春から通いだした英数塾の先生と奇跡的に波長が合って、おかげさまで特進クラスの推薦でも大丈夫というところまでこぎつけましたが、勉強嫌いの本人はあっさり断りました。

特進クラスに居ながら「卓球命」で、成績は底辺をさまよっている姉N子の存在が、自分の受験に悪影響を及ぼすのではないかという計算も働いたのかもしれません。
昔から数学の成績の割には、こういう計算には鋭いものをもっていた娘でした。

かくして我が家の5人の子供達の高校受験が終わろうとしています。
長野の名門N高校に誰も行けなかった事に一抹の寂しさを覚えながら、親は少しだけ肩の荷がおりたような気持ちになっています。(以上実際の年賀状の内容)

**********************************


「サマランチ氏の通訳氏」で書いたM学習塾を、悪態つきながら飛び出したM子(^^;の顔を見ながら、九子は実は途方に暮れていた。

M学習塾のK先生の言葉が、実際、的を射ていたからである。

K先生は言った。
「私の経験上、テレビや音楽を見ながら聞きながら勉強をする子ども、鉛筆箱の中に要りもしないボールペンやサインペンを何十本も入れておく子、そういう子供は必ずと言っていいほど集中力がなく、勉強をやっても決して伸びません。」

まんまM子の事だよ。(^^;
あ~あ、これからいったいどこの塾へ行けばいいのかなあ。

M子の友人のTちゃんのお母さんから電話がかかってきたのは、まさにその翌日のことであった。

「困っちゃったのよ。うちのM子、どこの塾へ行かせればいいのかしら・・・。」
「そうしたらTが行ってるとこへ来ない?附属の子がほとんどで、建物は汚くてボロ屋みたいだけど良い先生なのよ。」

場所を聞いてびっくりした。
それは九子が塾を探し回った時「確か昔ここに塾があったんだけど・・。」という九子の言葉をあざ笑うかのように、郵便受けとおぼしき箱は茶色く錆び付き、駐車場と思われる家の窪みには青いビニールが貼られ、「どう見てもここの塾はどこかへ移ったんだよね。」と思わせるには十分な廃墟(失礼!(^^;)だった所だからだ。

なんでも看板に名前が出ていた「K英数塾」のK先生はかなり前に亡くなられ、助手だったN先生が後を継いでいられるとか・・・。N先生はもちろん通いだから、教室は古いままに使われているらしい。

おかげで月謝も破格の安さで、こちらとしては願ったり叶ったりであった。

早速M子と一緒に見学に行った。
当時は3日に一度更新していた「九子日記」を書くための愛用の白黒画面のノートパソコンも携えて・・・。

N先生は40代はじめ位の穏やかな先生だった。
丁度小学生が使うような机と椅子が10ばかり並び、九子もそのひとつに陣取った。

授業というのはあんまりなくて、各自が与えられた課題を黙々とやっていて、先生が机を回って質問に答えるというやり方。
だから黒板には種々雑多の答えが重ねられていく。
こういう授業が一日3時間しゅくしゅくと続くと言う訳だ。

まあ効率考えたら悪くないよね。だけど先生の力量も試されるスタイルだ。
う~ん。果たしてあのわがままM子のお気に召すのか・・・・。



「お母さん、お母さん、お疲れのようですねえ。」という声ではっと目を醒ます九子。
パソコン開いたはいいが、案の定眠りこけていた。(^^;

あの集中力が足りない娘がこんなに長時間大丈夫なのかなあという心配をよそに、M子はどうやらここの雰囲気が気に入ったらしかった。

そう。彼女は気分屋である。瞬時に相手の好き嫌いを分析して、嫌となったらそれを覆すのは至難の技なのだ。

彼女と彼女のクラスはこれまで信大附属小中を通じて、比較的包容力のあるおおらかな先生方に担任して頂いた。

そういうクラスは、威圧的に上から抑え込むタイプの先生とはどうもそりが合わないようで、小6の時はいろいろあった。

それが附属中学へ入って、これまたおっとりとしたY先生が担任され、伝統的に一番出来る子達が集まると言われ担任は必ず学年主任となるA組にあって、とりあえず担任の担当教科だけは平均点より上なのだが、それ以外は学年の下のほうをさまよっている現状であっても、あんまりうるさい事をおっしゃらず忍の一字を続けていらっしゃるY先生(^^;を、子供達は正当に評価している。

その証拠に、A組は大変仲の良いクラスである。( ^-^)

英数塾のN先生は、幸運なことにM子にとってうってつけの好ましい先生であった。
その後2年間、あのM子がほとんど休むこともなくきっかり塾に通い続け、成績もそれなりに伸ばして行った。

思えば今でもテレビを見ながら勉強し、色とりどりのボールペンを何十本も筆箱に詰めこんでいるM子である。

M学習塾のK先生の言葉はもちろんM子には伝えてないが、「はあ~っ?そういう子でも伸ばしてくれるのが教師ってもんだろうがっ!」というM子の威勢の良い言葉が聞こえて来そうな気がする。

そしてそんな時、親ばか九子は、「そんなに高性能のCPU積んでる訳ではないんだけど(^^;、わが娘なかなか鋭いこと言うじゃない!」と一人ほくそ笑むのであった。

こうして見ると生徒と先生は出会いである。
M子にとってはたまたま相性の悪かった先生方も、他の誰かにとっては人生の恩師ってこともあるだろう。

M子は高校になってもK英数塾に通いたいと言っている。そんなことが可能なのかどうかわからないが、あの九子も手こずるわがままM子をその気にさせたN先生って、どえらい怪物なのかもしれない。(^^;
nice!(0)  コメント(14)  トラックバック(1) 
共通テーマ:育児

nice! 0

コメント 14

あずーる

[今年もよろしくおねがいします!]
新年に良い映画をみたのでTBさせてもらいました。<img src='/image/hammy/m036.gif'>
by あずーる (2006-01-04 17:04) 

よぽぽ

[あけましておめでとうございます]
そうでしたか、一番下のお嬢さんの受験だったのですね。
我が家も来年の今頃は子供より親のほうが血眼になっていそうです。
(^_^;

もっとも、めざす学校は、学力的には最低ラインにちかい
学校なので、そんな学校へ行かせるために
なんでこの子にここまで勉強させなきゃならないんだろう?
と時々疑問に思いながらも、
少し解りはじめた数学が楽しくなってきたようなので、
このまま地道な努力を続けるしかないのかな…
と思います。

九子さんは介護もあるということで
大変ですが、ご自身のお体に無理なさいませんように。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
by よぽぽ (2006-01-05 14:38) 

九子

[あずーるさん!( ^-^)]
先日のコメントのお返事もまだだったのに、またまたコメントやトラックバックまで頂戴し本当に有難うございました。( ^-^)感謝です。

「Pay it forward」運動ってものがあるのですね。
アメリカと言う国は、怖い人もたくさんいるけれど、善意の人も本当にたくさんいる国ですね。
(Pay it forward....なんて訳したらいいのかしら?)

善行の連鎖・・・みたいな事ですよね。

またまたお寺の話で恐縮なのですが、活禅寺の無形大師(と言わなければいけないのですが、私の心の中ではいつでも「無形老師」です。)が「仏教の一番大事な事は子供でもわかる簡単な事で、『悪い事をするな、良いことをせよ』である。」とおっしゃった事を思い出しました。

考えて見ると簡単なようですごく難しい事ですよね。

でもアメリカ人はいとも容易く良い事と悪い事を区別するように思います。

あっ、すみません。なんか話がそれました。(^^;
by 九子 (2006-01-05 23:45) 

九子

[よぽぽさん!( ^-^)]
そうなんです。我が家は毎年誰か誰かが受験なんです。

>少し解りはじめた数学が楽しくなってきたようなので、
このまま地道な努力を続けるしかないのかな…
と思います。

すごい!お母さんの努力が実を結びましたね。
私は端っから努力するのを諦めてしまいましたが、お母さんの努力で学習障害の子も力がつくって事をよぽぽさんがしっかり示して下さった事、必ずやLDの子達やお母さん方の大いなる希望になると思いますよ。
( ^-^)

はい。両親のことは次回の日記ででも書きますね。
病院への往復が無くなった分はお陰様で楽になりましたが、年寄りはすぐに体調が変動するので目が離せません。

CMではないけれど頑張らない介護生活やってます。( ^-^)
by 九子 (2006-01-06 00:34) 

のりP

[おめでとうございます!!]
九子さん おめでとうございます。
末子ちゃん 受験ご苦労さまでした。
何をするにつけ 最後の子って
「ああ コレで終わり~」
っていう感傷にひたるのではないですか?
5人だもんねぇ。今年もよろしくです。
 ああ それから お薬好評につき
今年は注文に行きますです。(^_^;)
by のりP (2006-01-06 05:09) 

あずーる

[さっそくレスありがとうございます!]
九子さん、介護もなさっているんですか~
仕事、子育て、介護なんて私には到底できないですよ・・・
無理しないでくださいね~。

『悪い事をするな、良いことをせよ』当たり前のことですよね。
でも、最近、悪いことをしても罰せられない人たちが多すぎて・・・そんな中で、Pay it forwardは、人の心まで直してしまうというスゴイ威力をもっているような気がします。<img src='/image/hammy/m018.gif'>
by あずーる (2006-01-07 01:35) 

のどか

[遅くなりましたが・・・]
あけましておめでごうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
すっかりご挨拶が遅れてしまい、大変失礼いたしました。

教師との相性ってホント大事ですよねぇ…
ウチの弟を見ててつくづく思いました。
ちっちゃいときからやんちゃな子で、勉強も全然ダメで、でも小学校3~4年のときの担任の先生がとてもよかったみていで、すごく落ち着いてきたのに、、、5年のとき担任が変わって相性が悪かったらしく、あららら…と。。。ま、弟の場合、教師のせいだけじゃないですけど(^_^;

九子さん、お体を大切になさってくださいね。
by のどか (2006-01-09 02:38) 

近くの住人

[遅い新年のご挨拶]
九子さん 遅ればせながら新年のご挨拶を申し上げます。
昨年はほんとにココロのケアーありがとうございました。

子供が3学期から一応今のところ登校するようになりまして
PCを使える時間が与えられました。

というわけで子育ては修行!ですなーと、つくづくと思う昨今です。

今年も宜しくお願いします。ではまたPC使用可能時間まで。
by 近くの住人 (2006-01-12 13:10) 

九子

[のりPさん!( ^-^)]
またまた遠い異国からお便り有難う。( ^-^)

そうなんです。やっと末っ子が高校生になります。
そちらはたぶんまだまだしばらく先で、これからも十分楽しめますね。( ^-^)

確かに長かったけれど、あっという間と言えばあっと言う間だったような気もします。

育てあがったという感慨を感じるって言うのはまだまだでしょうね。ひょっとすると子供の結婚式の時なのかな?

目薬も百草も、いつでも送るわよ。気に入って下さったのなら嬉しいです。( ^-^)

介護生活のためコメント遅れがちですが、どうか今年もよろしくね!

本当の年賀状の部分に出ていた娘達の本名見られちゃったかな?今日になって慌てて気づいて消しましたが・・。(^^;
by 九子 (2006-01-12 21:12) 

九子

[あずーる]
>仕事、子育て、介護なんて私には到底できないですよ・・・

あっ、あの~・・。
いつも誤解されるのですが、笠原十兵衛薬局、そんな忙しい薬局じゃあないので、お昼寝の時間も取れますし(^^;、そんなすごいことではないのです。

でもまあ、介護保健というのを使ってみると、なかなか一筋縄ではいかない事も多く・・・。

この当たりの事はまたおいおい書きますね。

Pay it forward、多くの人に浸透するといいですね。( ^-^)
by 九子 (2006-01-12 21:31) 

九子

[のどかさん!( ^-^)]
弟さんにとって、その先生との出会いは一生の宝物でしょうね。
でも結局は、その先生がどれだけその生徒を大事に思ってくれるかにかかっているのかもしれませんよね。
キャンディーのコマーシャルじゃないけれど、1人1人が特別な存在として先生に認識されていたら、どの子もきっと伸びるのじゃないかしら・・。

はいはい。大丈夫です。
疲れた時はコメント書きませんので、なかなかお返事遅くなりますが必ず書きますからご心配なく・・。

性懲りも無く毎日九子日記をクリックして見てくださいね。
(そうやってアクセス数上げようという魂胆!)(^^;
by 九子 (2006-01-12 22:22) 

九子

[近くの住人さん!( ^-^)]
お嬢さん登校されたんですね。良かった良かった!

本当に子育ては修行。人生もまた修行の連続かもしれませんね。

こちらも老人二人を抱え、なかなか肝心の禅の修行も出来ず、お寺にもずっとご無沙汰しています。

お寺でお会いできる可能性はかなり少なくなりましたが、またPC利用可能時間帯にいつでもコメントして下さいね。

このまま良い方向に進むといいですね。( ^-^)
by 九子 (2006-01-12 22:28) 

ジョン

[あけましておめでとうございます。]
大変遅れましたが、ご挨拶です。
子育てについてすごく鋭く
イイお母さんですよ。それは色々な
事があったみたいですが・・
今年も宜しくお願いいたします。
by ジョン (2006-01-14 14:34) 

九子

[ジョンさん!( ^-^)]
いえいえ。
わざわざおいで頂きまして恐縮しております。有難うございます。

はい。おっしゃる通り、いろいろございましたが、今はいろいろな事がすべて必然であったと思っています。
何しろこれでも一応仏教徒ですから・・。(^^;

ここのところだんだん時間が取れる日もあるので、今日はジョンさんのHPで猫のペンダントを見せて頂いてきました。婦唱夫随のペンダント作り。素敵ですね。( ^-^)

今年もよろしくお願いします。
by 九子 (2006-01-14 16:59) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1

優良家族救急車の呼び方 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。