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誕生日は○○の日 [<九子の万華鏡>]

暑さで少々ご無沙汰致しましたが、本日より九子また稼動致します。 よろしくお願い申し上げます。( ^-^)

お盆の時期、なぜかテレビ画面で日野原重明先生のお姿を拝見することが多かったように思う。

今年94才にして現役医師。睡眠時間4時間。しかも週に一度は執筆のため徹夜をなさり、徹夜明けには普段どおり仕事をされるという、九子から見ればお化けのような気力と体力の持ち主である。

その日野原先生が、「戦争中は誰でも頭がおかしくなる。言ってみればみんなが精神病にかかっていたようなものだ。」という事をおっしゃった。

それで思い出したのが次のエピソードである。


皆さんは自分の誕生日に、どんな歴史的事件があったのかをご存知だろうか?
ふとテレビを見ていたら九子の誕生日9月8日には九子の知らない特別な意味があったことがわかった。
九子とて、だてにぐうたらしてテレビ見てる訳ではないぞ。(^^;

61年前、広島に始めて原爆が落とされた時、医師達はその正体も明かされないまま、死に行く患者達を手をこまねいて看取らなければならなかったが、今の今まで原因もわからずに誰が名づけたか「戦争中毒症」と書かれていたカルテに、はじめて「原子爆弾症」という言葉が使われたのが昭和20年9月8日の事だったと言う。

数日前まで元気に歩いていた人が突然弱って死んでいく。
医師達は苦し紛れに「戦争中毒症」と名づけ、「この病気は「うつる」から気をつけろ!」と言っていたそうだ。

原因がわかってせっかく記された「原子爆弾症」の文字の並ぶカルテも、アメリカ軍に機密書類として撤収され、9月27日の日付をもって最後となる。

つまりこのたった20日間に書かれたカルテだけが、昭和30年にアメリカ軍から返却されるまで、「原子爆弾症」というものが実在した事を物語る唯一の資料であったわけだ。

話を元に戻すが、日野原先生言うところの戦時下に皆がかかったその「精神病」は、奇しくも戦火の医師達が名づけた「戦争中毒症」の一種にほかならなかったのではないだろうか。

もちろん皆が原爆に被爆するわけではないが、「戦争の毒気に中(あたる)」という意味では共通していたと思う。

日野原先生は言葉をついで次のようにもおっしゃった。

「日本の子供達は平和な生活に慣れきって困難な経験をした事が無い。諸外国では兵役があって辛さを経験することが出来るが、日本は自分の国はアメリカに護ってもらって、平和を享受している。
たとえば子供達を開発途上国に送ってボランティアをさせるとか、そういう経験をさせる事が大事だと思う。」

年寄りの知恵という言葉があるが、日野原先生の言葉はまさに知恵そのものだ。

日野原先生に背中を押されて、九子はいつものど元にひかかっていた言葉を口にしてみる。


平和憲法、結構!不戦の誓い、結構!
だけど、イラクで、ベトナムで他国のために戦って死んでいったアメリカ人は本望だったんだろうか。

もしも日本に戦争が起こって、日本を守るために戦うことになるアメリカ人は自国を守る時のように本気で戦ってくれるのだろうか?

他国の人間に守ってもらって、私達日本人は何もしないでいられるのだろうか?
そもそもその時、戦うことを放棄して私達日本人はいったい何をしていればいいの?

せっかくサマワに派遣された一応自衛軍の自衛隊は、武器を使う事も出来ずにオランダやイギリス軍に護衛されていたけれど、自分の身すら自分で守れないで自衛隊って言えるの?

武器も使えないくせに、高価な戦闘機やら船やらたくさん買いこんでどうするの?

もちろん戦争は無いほうが良い。息子が3人もいる九子は、息子達の命を戦場で散らすなどと言うことはとてもとても我慢が出来ない。

でも敢えて言おう。
自分の息子の血は流させたくないけれど、アメリカ人の血なら流してもいいのだろうか。

「日本は憲法9条があるから、戦いたくても戦えないの。だから他の国の人に代わりに戦ってもらうの。」って、いつまで通用するんだろう。

戦争で息子を亡くした母親の悲しみは万国共通だ。だから敢えて戦争はしたくないと思うのも当然である。

日本が世界のお手本になって武器を放棄して白旗揚げて不戦の誓いをするのだという議論がある。
それをするのが哲学者のガンジーならば、十分世界の人々にはわかって貰える。

だけどこれだけの軍備を抱えている日本がそんなこと言ってみても、なかなか通用しそうもない。
通用しない論理を振りかざすほど不毛なものはない。

それならアメリカに軍艦もミサイルも戦車も、みんな引き取ってもらおうか?
それが出来るならそうすればいいけれど、Noと言えない弱腰日本にそれは無理ってもんである。

そんなら一体どうすればいいか?
とりあえずは自衛隊に少なくとも今ある武器を存分に使いきるだけの技量をもってもらう事。

派遣された国で他国の軍隊に護衛してもらうなどというばかげた事をしないでも良いように、武器を使える裁量を与えてあげる事。

一応日本唯一の軍隊である自衛隊は、日本国の軍隊として国連平和軍に合流する日も来るだろう。そんな時、アメリカの顔色ばかり見てないで今回のレバノン派遣に対するドイツ首相のように「今回は一人も出さない!」と言える指導者を養成すること。(ちなみにドイツ首相は女性だったっけ。)

そして日野原先生がおっしゃったように、平和ボケしてお笑い番組ばっかり見ている学生達に、世界の惨状をみせてやる機会を作る事・・・。

そうすればこの国はもう少し大人になれるんじゃあないのかな?


広島原爆記念病院には毎日まだ90人もの被爆者が通い続けていると言う。

昭和20年の9月8日からわずか20日ばかりの間日の目を見た「原子爆弾症」の犠牲者達の突然絶たれたそれぞれの人生に最大限の敬意を表しながら、珍しくまともに日本の行方を考えた九子であった。
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コメント 7

Nana

[Nanaです。]
こんにちは。貴重なお話しありがとうございました。日比野先生のことは日本でよくテレビでみていて、わたし自身もあのお年でさらに活躍している様子に感心していました。クリニックに勤めていて、患者さんのカルテを管理する仕事についているので、非常に興味深かったです。さっそく同僚に言ってみようかと思っているところです。M.D. のドクターにもちらっとふってみようか。。とも思っています。(offensiveにならないように)
カルテをus armyにコントロールされていたことも驚きでしたが、
今まだ90人もの被爆者が病院に通っている事実にもっと驚きました。 61年ですよ。。。 なんかわたしもじ~っと考えてしまいました。。。。
by Nana (2006-08-22 14:58) 

九子

[おお、Nanaさん!!( ^-^)]
遠く離れた米国からコメント頂戴し、嬉しいです。
有難う。( ^-^)

Nanaさんはそういうお仕事されてるんですね。
だから目の付け所が違うんですね。( ^-^)

日野原先生、本当にすごいですよね。どう見ても肉体的、精神的には50代か60代ですよ。

あの、ドクターにはくれぐれも注意してお話してくださいね。
そうそう。くれぐれもoffensiveにならないように・・。

お医者さんについつい気を遣ってしまうのは、どこの国でも同じなのかな?(^^;

私も驚きました。被爆者のうちのかなりの方々がもう亡くなってしまってると思うのに、毎日90人なんて・・。

戦争は本当に悲惨なものですね。
by 九子 (2006-08-22 22:55) 

あずーる

[残暑お見舞い申し上げます!]
お帰りなさい*^^*
ちょっとお休みしただけなのに、復帰でお願いしますって、九子さんの律儀なところが出てます。

日野原先生の本、たちよみ(^^;)したことありますし、インタビューを聞いていても、いいこと言われているし、ご自分が実践されているので、説得力ありますよね。

>平和憲法、結構!不戦の誓い、結構!
ほんとそうですよね~。息子だけじゃなく、娘もとられるかもしれません。沖縄の ひめゆり隊なんて、女の子でしたものね。

毎年、平和式典やって、首相も参加して、平和を謳っているわりに、本当に世界の平和を考えているのだろうかと疑問に思ってしまいます。創価学会母体の公明党も、もっと世界平和に対する発言をしてもいいのに・・・。

非核3原則も、原子力空母はくるし、沖縄で米軍が劣化ウランの射撃練習をしてたとか、日米同盟再編で自衛隊強化にすすんでいますが、さらに米国のいいなりになって軍需産業の大お得意さまになるのを恐れます。今日、新ミサイル受注のニュースがあったし、今も大お得意様だけど・・・

8月は、いろいろ戦争のことについて考える月です。
TBさせてもらいました。
by あずーる (2006-08-23 15:13) 

九子

[あずーるさん、お返事大変遅れてすみませんでした!]
あれっ?コメント通知もトラックバック通知もなぜか届かなかったみたいで、久しぶりに覗いてみて気がつきました。ごめんね。
そしてコメントも、その上トラックバックまでして頂いて光栄です。

戦争の話題は私からするとなかなか取り上げ難いのですが、あずーるさんは積極的にコメントされててすごいなあと思っています。

>創価学会母体の公明党も、もっと世界平和に対する発言をしてもいいのに・・・。

創価学会のみならず、仏教徒としては、仏教くらいまあ穏やかな宗教はないと思っているのですが、その仏教がなぜもっと世界平和に貢献すべく立ち上がらないのかちょっと歯がゆい気持ちです。

世界の3大宗教のうち2大宗教が争ってるんだから、3つ目が調停役になってもいいと思いませんか?

きっと力が無いんでしょうね。

創価学会のほうがずっとお金持ってるかもしれないから、彼らに期待した方がいいのかもしれませんが、そうするとそれを踏み台にまた大きくなられても困るし・・。(^^;;

平和に暮らしてる日本人が唯一戦争について考えるのが8月かもしれませんね。
by 九子 (2006-08-29 15:57) 

あずーる

[戦争のこと]
返事は、いつでもいいですよ。気にしないで。

>コメント通知もトラックバック通知

ずっとどちらも来ていなかったのですが、昨日から、コメント通知だけきてます。へんなのぉ。
九子さんの、この記事、私のところにトラックバック、まだされていません。また、送ってね。

ところで、今年は、戦争の知らない事ばかりでてきて、まだ書いていない満州開拓団のこととかもあるんですよ。
私たち大人も、学校でならっていないし、新聞やTVでとりあげられていないので、もっと勉強しないといけないですよね。

8月13日と15日に読売新聞で戦争責任の大々的な特集をしていました。私は図書館でコピーをとってきたばかりで、まだ読んでいないのですが・・・

>仏教がなぜもっと世界平和に貢献すべく立ち上がらないのかちょっと歯がゆい気持ちです。

>世界の3大宗教のうち2大宗教が争ってるんだから、3つ目が調停役になってもいいと思いませんか?

私もいつも九子さんのように思っています。でも、日本のお坊さんはお金儲けの方がおおいのかも。

リチャード・ギアは、日本の禅から興味をもってチベット仏教を信じているそうです。私は、仏教の高校にいってながら、あんまりわかってないんですよね。勉強しないと、わからないのかも。
by あずーる (2006-08-29 17:54) 

あずーる

[九子さんのTBされていました。]
こちらこそ、気がつかなくてごめんなさい。
ちゃんと、九子さんの この記事、TBされていました。
by あずーる (2006-08-29 17:59) 

九子

[なんのなんの]
>私もいつも九子さんのように思っています。でも、日本のお坊さんはお金儲けの方がおおいのかも

あずーるさんも一緒の考えだったんだ!なんか、安心。( ^-^)
日本って、物事をひとつ変えるのにお金も時間も信じられないくらいかかる国だから、日本の仏教を当てにするのは難しいかも・・。(って、仏教徒が言ってどうする。(^^;;)

チベット仏教で思い出しましたが、ダライラマあたりが活躍してくれるしかないのでしょうか・・。

そういえばリチャードギア、インドで少女のために小鳥を放してるコマーシャルに出てましたよね。あの辺りに良く出没いてるのかしら?

そうそう。メール通知が来ないのはトラブルだったんですね。
今度は大丈夫ですよ、たぶん・・。(^^;
by 九子 (2006-08-31 02:30) 

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