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今時の教師像 [<学校の話、子供たちの話>]


M子の中学の担任の先生とのお別れの会が、先日あった。

ご承知のようにM子は今年高校二年生である。



実は信大附属中学校では、もうこれでクラスを持たずに教頭先生になるエリート先生方に向けての教育プログ ラムみたいのがあるらしくて、そういう先生方は卒業生と一緒に卒業せずに一年多く4年間学校に留まるらしい。



M子の担任だったY先生もそういう理由で学校に残られた。

そのY先生が一年遅れで長野を去られるのである。



M子は小学校の時からかなり担任の先生に恵まれた。

中でもY先生は親たちの人気も高く、一年遅れのお別れ会にも関わらず、ほとんどの生徒と親の8割 ほどが参加した。





Y先生の人気の秘密は、その人柄にあったと思う。



学年主任という重責にありながら、担任するA組のテストの成績は常に低迷してはいたのだが(^^;;、だからと言って上から押さえつけて無理に勉強させようとはせず、生徒たちの自主性を重んじて、最 後まで生徒を信じてくれたのである。



その結果、高校受験では一人の浪人も出さないと言う快挙を成し遂げ、A組の子供たちは極めてみん な自由で伸びやかで、信大附属中学の大舞台である全国の先生方をお呼びしての「初等教育研究会」いわゆる「初研」と呼ばれる研究授業の際にも、「A組の生徒で研究授業をしたい。」という先生方からの申し込みがたくさん来るほどであったと言う。



Y先生は数学の先生である。

にも関わらず、先生の最初の一言はこうだった。



「僕は実は、数学が苦手で大嫌いだったんです。今でもこんな僕が数学の教師をしていて良いのだろうかと思う事があります。」



考えてみると不思議な発言だった。



先生と言うのはいつでも自信に満ちていて、何を聞いても全てを知っている、そういう人種ではなかったか。



まあそこまでは行かなくても、少なくとも生徒の目線よりは高いところに居て、生徒が困った時に何かを指し示してくれる人であったはずである。



ところがY先生は違った。



生徒と同じ目線で、時には生徒よりも低い立ち位置で、生徒に考えさせる、任せる、時には頼る(^^; 先生だったのだ。



もちろん要所要所は引き締める。



その結果A組は、(特にしっかり者の女子が(^^;;クラスをリードして)自由でまとまりのある良いク ラスであるという評判をほしいままにした。





そのA組に、信大教育学部だか工学部だかの数学の教授先生の息子が居た。

普通なら、先生は何かとやり難かろうと思う。(^^;;



ところがY先生は、その教授先生と一緒に独自の研究を発表される。



それが中点連結定理の研究なんだそうである。



中点連結定理というのを習ったのは中学の時だったか・・。



三角形のそれぞれの中点を結んで出来る線は底辺に平行になる・・というのがその内容だったと思うが、何を今更中点連結定理か・・・と思ったら、先生の研究と言うのは、それならば台形の中点ではどうか・・とか、ブーメラン形の中点ではどうか・・とか考えて行くもので、何よりその研究はA組 の生徒たちが居ないと出来なかったのだそうだ。



「普通のクラスだと、頭の良い子が一言言うと、それで結論が出ちゃうんですが、このクラスはそう じゃないんです。数学がまるっきり出来ない子がむしろ面白い考えを出してくれて、教授だってその疑問に答えられないんですから・・。」





へえっ、そんならその数学の出来ない子っていうのは、実はものすごい頭いい子なんじゃない?



皆様もそう考えられただろうか・・・。九子もそう考えた。



ところがどっこい、彼が行ったのははそれなりの高校だった。

世の中というものは矛盾だらけである。(^^;;





・・と、前置きをこんなに長くして九子が言いたかったことは、不得手な数学の中点連結定理の話なんかじゃもちろん無くて、今時の好ましい教師像についてである。( ^-^)





子供たちの感性は鋭いと言われる。嘘がつけないと言われる。

あふれるばかりの情報の洪水の中に住む現代の子供たちには、とりわけその傾向が強いように思う。



「人生に必要な事はすべて、テレビの知識で覚える。」と豪語するM子に至っては、その感性たるや ・・・・・・・。(^^;;(^^;;。





彼女はご多聞にもれず、好き嫌いがきわめてはっきりしている。

好きな先生の言う事は聞くが、嫌いな先生だと鼻もひっかけない。



つくづく今まで良い先生に恵まれて良かったよ。(^^;;



一番嫌なのは、おやじギャグ を言う先生だそうだ。



おやじギャグを言うというのは、生徒の受けを狙うということだ。

おやじギャグを言う先生に限って、いつも高飛車に叱ったりすると言う。

そんなことで生徒におもねようとするんじゃなくて、もっとしっかり心を受け止めて欲しいという思いのような気がする。



嫌われるのは、「ぶれ」だ。

高飛車な先生は、いつでも高飛車なままの方がまだマシであるらしい。

ふだんの態度とおやじギャグとの「ぶれ」。





実はこの日記を書き始めようと思ったきっかけがawayさんの書かれた「揺れ」、ここで言う「ぶれ」に関する記事だったのだが、同じ「ぶれ」でも人に対する態度の「ぶれ」はどこの世界でも嫌われる ようだ。



生徒の前と父兄の前で、ことさら態度がぶれる先生は最低と言う事らしい。



見えてくるのは、相手によって言う事ややる事を変えるのでは無くて、いつも首尾一貫していること。そしてそれに嘘がなくて、先生の本心が垣間見られると言う事。

つまり、生徒と本音でぶつかってくれる先生が好きという事であると思う。



Y先生は生徒に等身大の生の自分をさらけ出してくれた。自分たちと同じ目線で考えてくれた。

だから生徒たちも、本音で語れた。





自分をさらけ出すのだから、Y先生に嘘は無かった。

先生はその上、生徒をすべて平等に愛して下さった。



いくら嘘が無くても、生徒の中に好き嫌いとかえこひいきがあったりしたら、嘘がない分じかに伝わってしまう。



出来る子も出来ない子も、やかましい子もおとなしい子も、皆そのままで丸ごと先生に受け止めても らえたという記憶が、これからの人生の中で彼らの大きな財産になるはずだ。



だからY先生は、生徒たちばかりか母親達にも人気があった。

うちの子は先生に愛されなかったと思う親がもし一人でも居たら、その親は決してその先生を受け入れない。





Y先生のようなタイプの先生は、珍しいんだろうか。



確かに子供たちの担任の先生の中で、自分は教科に向いていない、先生に向いていないとあれほどはっきりおっしゃった先生は珍しかったような気はするが、九子が向き合った5×5人位の(^^;;さまざまな先生方を見る限りにおいて、昔多かったような上から頭ごなしに押さえつけるタイプの先生の評 判は得てして芳しくない。

そして、少なくとも信大付属小中学校においては、そういう先生方は例外的だったと思う。



基本的にはみんな熱心な素晴らしい先生だったけれども、しかし中には子供たちや親との相性が悪かった、歯車が合わなかった・・というケースが稀に見受けられた・・という事だったのではないか。



今の先生方は本当に大変だ。

昔と同じようにただ威張っているばかりではダメ。



たくさん知識を持っている事よりもむしろ、自分の知識が万能ではない事を潔く認めて、生徒に自主的に考えさせる。



先生が授業をリードするのではなくて、生徒が真ん中にいて、先生は添え物なのだ。



だから当然答えは一つにはまとまらない。

「教科書どおり」に事は進まない。

そういう中で指導要領というものにのっとった授業をする。



その上何かあると親はすぐにうるさく介入して来る。

うつ病にもなろうというものだ。





今の子供たちは皆、飾りを嫌う。(余りにも物の溢れた社会に生きているせいか・・。)

本能とも言える鋭さで、嘘を嗅ぎ分ける。(溢れかえった物の中で選別する目を養っているせいか・・。)

遠慮会釈のない物言いで、本音を語る。

そして、大人と対等に物を言う。(権威のある大人が少なくなったからだろうか・・。)



そういう時代には、そういう時代にふさわしい教師のあり方というのがあるのかもしれないと思う。



Y先生は同じ教員で、しかも大変な養護学級の先生をずっとしてらっしゃる奥さんに頭が上がらないらしい。(^^;



今の時代の教師のお手本のようなY先生だけれど、個人的にはなんだかお気の毒な気がしなくもない 。(^^;



たまにはゆったりと背伸をして、大きく深呼吸でもして頂きたいと思う。( ^-^)


タグ:信大附属中
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away

[記事紹介ありがとうございます ^^]
九子さん、記事のご紹介ありがとうございます。

| 相手によって言う事ややる事を変えるのでは無くて、いつも
| 首尾一貫していること。そしてそれに嘘がなくて、先生の本心
| が垣間見られると言う事。
| つまり、生徒と本音でぶつかってくれる先生が好きという事であると思う。

これって、先生に限らず人間関係全般に言えることではないでしょうか。
先生だって人間で、人間であれば限界もあれば駄目な部分もある。
そういうところはあるレベルでは生徒に対して開いていていいとは思うのです。
ただ(これは暴論と思われるかもしれませんが ^^;)僕は未成年、特に思春期の
子供は「人間ではない」と思っているので、先生側が無制限に自分を開けば、
相手も必ず虚心坦懐になってくれる、という甘い幻想は持たないほうがいい、
とは思いますが。
従って、プラクティカルな部分ではいろいろな工夫はなければまずいし、
教育のプロとは言えないでしょう。

ただ、はっきり言えるのは建前だけの人間は思春期の子供といえども、ちゃんと
見抜く、ということですよね。
それは間違いないと思います。
by away (2007-04-22 17:31) 

九子

[さすが、awayさん!]
びしっとおっしゃいますね。(^^;

>特に思春期の
子供は「人間ではない」と思っているので、先生側が無制限に自分を開けば、
相手も必ず虚心坦懐になってくれる、という甘い幻想は持たないほうがいい、
とは思いますが。

きっとawayさんはきちんとした立派なお父さんなのでしょうね。

我が家では両親が二人ともちゃらんぽらんなもので、子供に甘く見られていて困ります。(^^;;

今の子供たちは少なくとも昔の私よりも分別があるみたいな気がします。

私の頃は、先生を批判するなんて考えもしなかったというか、そもそも先生は批判する対象ではなかったですもん。

後になってから、あの先生はああだった、こうだったと思っていたのが、今の子達はストレートに批判をぶつけてきますもん。

なんか末恐ろしいなあって・・。(^^;;

確かにおっしゃるとおり、先生方にも昔以上に知恵を持って賢くなって頂かないと困るような気がします。

まったく難しい世の中ですね。
by 九子 (2007-04-22 21:41) 

よぽぽ

[ご無沙汰しておりました]
九子さん、お久しぶりです。だいぶお元気になられたようで安心しました。

 家も、やっと新しい生活に馴染み始め、子供たちも新しい環境の中で元気にがんばっています。

 息子の行った高校は県内でもレベルの低い学校ゆえに、服装検査や生活指導が厳しいようですが、息子いわく、
「あのくらい厳しくてちょうどいいんだよ。S中(自分の通っていた中学校)はやわすぎたから…。」
と行っていました。
 子供でさえそう思うのですから、やはりダメなものはダメ!と先生は毅然とした態度で指導をしてほしいと思います。

 M子ちゃんは良い先生に恵まれて良かったですね。よい先生との出会いというのは、子供の大きく影響しますから…。
by よぽぽ (2007-04-24 10:22) 

九子

[こちらこそすみません。]
お便り頂いてター坊君のがんばりと充実した高校生活を想像しておりました。こちらこそご無沙汰すみません。

Yが行った中条高校は、今年か来年に廃校になる予定が、知事さんが変わったりしたものだからなんとかとりあえず存在しています。
「Yが行って良かったよ。」と話しておいた友人のお子さんも行っているらしいので(彼も発達障害が心配されています。)、せめてあと2年は続いて欲しいと思っています。

ター坊君のいらっしゃった学校はそんな心配もなさそうですね。
良かった、良かった。( ^-^)

特に高校生は、余り自由な校風だと特に親は心配になりますから、厳しいくらいでちょうど良いかもしれませんよね。

またあとでメールさせて頂きますね。( ^-^)
by 九子 (2007-04-24 12:27) 

あずーる

[年とるだけではなく、人間として恥じない大人の行動したいですよね♪]
>相手によって言う事ややる事を変えるのでは無くて、いつも首尾一貫していること。そしてそれに嘘がなくて、先生の本心が垣間見られると言う事。
つまり、生徒と本音でぶつかってくれる先生が好きという事であると思う。

awayさんの>>これって、先生に限らず人間関係全般に言えることではないでしょうか。
に同感です。

最近、義母が亡くなり、その葬式で、つくづく人間性というのが見えました。

相手によって言うことや態度が違う人、サイテーだと思います。
特に弱い人(女性や老人など)には、一方的な理論をする人がいますよねっ。(葬儀をめぐって私はぶち切れでした。)

でも、裏返せば、そういう人って本音でぶつからず、自分が満足いくような人生をおくっていないかわいそうな人のように思います。

>たくさん知識を持っている事よりもむしろ、自分の知識が万能ではない事を潔く認めて、生徒に自主的に考えさせる。
>先生が授業をリードするのではなくて、生徒が真ん中にいて、先生は添え物なのだ。

そのとおりで、先生は、学校の先生だけでなく、周りの大人みんななんだと思います。
by あずーる (2007-04-26 18:03) 

あずーる

[書き忘れ]
私は先生によって学科が嫌いになったりして、
大人になって残念だと思っているので、

やっぱり先生や教育関連に働く人たちは、
最低限、人間として恥じない行動のできる人
であってほしいです。
by あずーる (2007-04-26 18:07) 

九子

[あずーるさん、長いコメント有り難う。( ^-^)]
そうでしたか・・。お義母さまが・・。
どこかでお義母さんかおばあちゃまかが入院していらして、その付き添いに行ってとか書いてられなかった?
さっき見なおしたのですがわかりませんでした。違ってたらすみません。

お葬式っていうと、結構いろいろ問題が出てくるようですよ。

我が家の場合は私が一人っ子だったからさほど無かったけど、(まあ皆無ではありませんでしたが・・。)

あずーるさんがおっしゃるとおり!弱い立場の人間にしか強くなれない人って、本当はとてつもない弱虫なのよね。ヤクザさんと一緒!(って、そこまで言い切るか。(^^;;)

なかなかそういう人を哀れむ心境までになるのは難しいと思うけど、そうでも思わないとやってられないわよね、うん!

私もこの頃結構キレてたんだわ。
そいでもって息子に「坐禅もっとやった方がいい!」と言われてしまいました。(^^;;(確かに足りなかった。)

自分を擁護する訳ではないけれど、世の中の不正や不条理にならいくらだってキレテいいと思うよね。でも、人にキレル時は、エチケットってもんががありますよね。

先生の事だけど、確かに先生が好きか嫌いかで学問に対する興味まで違っちゃいますね。

先生って本当に大変で、ますます成り手がいなくなりそうで怖いけど、環境を整備してあげて、優秀な先生を育てて欲しいですよね。
by 九子 (2007-04-27 12:14) 

あずーる

[そうなんですよぉ・・・九子さん]
義母といっても88歳で、口腔上顎ガンで先日なくなりました。
ゴールデンウィーク前に亡くなってくれて、お葬式を手配する
側としては 本当に助かりました。

口腔上顎ガンは、口腔外科でもめずらしいらしいので、
また あとでまとめてガン介護日記でも書こうと思っています。

九子さん、一人っ子ならよかったですね。
私のところは夫が長男で、関東に住む姉がいて、姉の夫が男尊女卑で介護のときもいろいろあって・・・お葬式も、夫と私の2人で全部やって、義姉は手伝おうかとも言ってくれなかったのです。
結局、私にはねぎらいの言葉もありがとうの一言もなく帰っていかはりました。(愚痴になってすいません。)

九子さんが、切れるなんて、ちょっと意外です^^

>世の中の不正や不条理にならいくらだってキレテいいと思うよね。でも、人にキレル時は、エチケットってもんががありますよね。

本当ですよね。ただ、逆切れされると怖いので、相手を見て言わないとね~
by あずーる (2007-04-28 02:32) 

九子

[キレマス、キレマス(^^;;]
>姉の夫が男尊女卑で介護のときもいろいろあって・・・お葬式も、夫と私の2人で全部やって、義姉は手伝おうかとも言ってくれなかったのです。

あずーるさん、本当にご苦労なさったんですねえ。お察しします。

こういう場合はキレルべきです。私などすぐにキレます。

一体どこでどうして、私と言う人間がキレナイなどという妄想が出来上がって行った物か・・。

ネット社会はまったく恐ろしい!!(^^;;

この頃いつになく一生懸命坐禅してるんですよ。
やっぱり坐禅だわねえって・・・。

またそれについても書きますね。

ガン介護日記、楽しみにしてますよ~。( ^-^)
by 九子 (2007-04-28 15:42) 

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