電話から始まる話 [<正統、明るいダメ母編>]
皆さんは、美味しいものは先に食べちゃう方?それとも、最後に残す方?
九子の場合は断然最初だ!
だって少食だから、(えっ?(^^;;)最後だと食べられなくなるかも・・・・。
こういう身の処し方、つまり美味しいものを最初に食べる方が、精神的には健全らしい。
以前は美味しいものを最後に残していたかどうかはさておき、坐禅を知る前の九子は確かに、自分の気持ちに素直になることよりも、周りの目を気にしてひどくびくびくしていた。
坐禅を知ってからというもの、より主体的に行動しているように思う。
言葉を変えれば、より大人になったのかな?( ^-^)
安倍首相の突然の引退で、政界は蜂の巣をつついたような大騒ぎだ。
ブログ仲間でもやや手厳しい暮石さんやら、かばうような調子の要さんやら城太郎さんやら賛否両論が渦まいている。
自分でも心の病を抱える九子は、少なくとも彼の引退会見の時の発言を捕えてどうのこうの言うべきではないと思う。
もう多分だいぶ前から、首相は善悪の判断が付かないくらい精神的に追いつめられていたはずだ。
そういう状態の時人間が言う言葉はさまざまな憶測を呼ぶものだが、それ自体に意味はないのだ。
彼本来の気持ちに余裕が無くなって、聞かれたままに思い付いたことを口走ってしまう。それだけなのだ。
確かに最低のタイミングでの辞任表明だったかもしれない。
でも安倍さんにはすでにタイミングを図るだけの気力も残されていなかったのだろう。
彼の言葉に、いつでも嘘はなかった。
出来ると思って始めた事が出来なくなってしまっただけだ。
確かに読みは甘かったかもしれないが、誠実であり続けた人だと思う。
安倍さんは、九子が思うに、だんぜん美味しいものを最後に残すタイプのようだ。
まず育ちがいいから、そんなにがつがつして最初にあわてて食べなくても、誰にも取られることがない。
最初に言ったように、より精神的に健全なのは美味しいものを先に食べる人間なのだ。
安倍さんはだから、少々健全ではない、つまり弱さがあるという事になる。
(また、強引な結論付け・・。(^^;;)
これは、安倍さんが選んだ昭恵夫人を見れば一目瞭然だ。
若干の性格的な弱さを持った人間は、パートナーには陽気で楽観的で、細かい事を気にしないタイプを選ぶと言う。
早い話が、坐禅に出会う前の未熟人間だった九子が結婚した相手が、気楽のかたまりと言われたM氏であった訳だ。(^^;;
昭恵夫人が訪米した時は、女学生みたいな的外れな事ばかり言ってる昭恵夫人に正直高い点数はつけられないと思ったものだが、現在苦境にいる首相を全力で支え、救えるのは昭恵夫人の他に無い。
まだまだお若いのだからしっかり休養されて、自民党の重鎮として長い間活躍して頂く事を望む。
例によって前置きが長くなった。
先を急ごう。
たまたま電話から始まる話が二つ続いた。
美味しいものを先に食べる九子は、嫌いなものも先に食べる。
だからまず、嫌な方の話から始めようと思う。
(って、言ってる事が支離滅裂じゃあ・・・。(^^;;)
それは突然の電話だった。
九子の方が全面的に悪い。
客商売の身では、してはいけない事。
でも、仕方が無かったんじゃないかな・・?と、その時は思った。
朝から笠原十兵衛薬局はいつものように暇だった。(^^;;
九子は洗濯が終わると、メールをチェックし、雨で客も来そうに無いので(まるで晴れてたらさも売れる・・・みたいな言い方。(^^;;)ゴロンと寝転んで本を読んでいた。
そのうち心地好い眠りに誘われうとうとしかかったところへ、一本の電話。
出てみると50代か60代の中年女性の声だった。
「こんにちわ。お忙しいところすんません。だんなさんいてはります?」
(とにかく、そんな感じの関西弁だった。)
この「お忙しいところすんません。」と「だんなさん」が問題だった。
過去に何度も九子はこういう電話を受けていた。
全部と言っていいくらい、ゴルフ場やマンションの勧誘電話だった。
最近では呉服屋や着付け教室からの電話も有った。
たいていが中年の女の人だった。
「お忙しいところすみません。」と思う位なら、電話しなきゃいいじゃん!
「だんなさん」でなくて、悪かったわね。!
九子はぷんぷんしながら電話をがちゃり!と切った。
直後にまた電話が鳴った。
さっきの女の人の怒声が響いた。
「どうしたんですか、いったい!こっちが何にも言わないうちにがちゃんと電話切って・・。感じ悪い!
せっかく注文しようと思ったけどやめましたわ。」
ヤバイ!注文電話だった!
「あっ、大変失礼致しました。よく勧誘の電話がかかりますので、それと間違えて・・・。」
「そんなら、なんの御用ですか位聞いてくれはってもいいん違う?いきなりがちゃりはないでしょう。!!」
それだけ言うと、電話は切れた。
薬局の名誉のために言うけれど、こういう事は薬局始まって以来始めての事だった。
考えてみると九子は見かけに寄らず大変短気なのだが(^^;;、その気の短さを相手と面と向かっては決して表に現さないタイプだ。
ところが電話、相手の見えない特に勧誘やセールスの電話となると、本性をもろに現して(^^;;、怒りをこめて中途で受話器を置く癖がある。
今まで何百回となく同じように対処して来た。そしてなんの間違いも無かった。
・・・・・・・・・と信じていた。
今回、はじめて間違った。彼女の言い分が100%正しいのだ。
ここで機転の利く人ならば、もしかしたら「すみません。今受話器を落としてしまって。」とかなんとか、言い訳もできたかもしれない。
ナンバーディスプレー表示でもしてあれば、かけ直して重々お詫びする事も出来たのだが・・。
(NTTに聞いたところ、一般電話なら毎月400円で出来るが、事務所用だと毎月2000円近くかかると言われ、即断った。)
「風の歌を聴け」に書いた最低の気分の原因が、実はこの一件だった。
こういう時こそ、坐禅をするべきなのである。
確かに坐禅の呼吸によって、ああでもないこうでもないとろくでもない事を考えてしまっていた頭の中が、霧がはれるようにすっきりとするはずなのだ。
集中出来さえすれば・・。(^^;;
まあでも集中できなかろうと坐禅の姿勢で背中をまっすぐにしてすわっていると、気持ちもだんだん静まってこれからの方向性なんかも見えてくる。
(本来座禅中はものなど考えず、数息観と言って、数を数えることに集中していないといけないのですが・・。)
今日の電話を教訓に、これからはたとえ勧誘電話であっても、もう少しやんわりとお断りしよう。
きっと九子の今までを反省させるための仏様からの電話だったと考えよう。
(いつまで続くかわかんないけど・・・。(^^;;)
さて続いてはお待ちかね、嬉しい方の話であるが、こちらはまあ結果的に考えてみると嬉しい成り行きになるはずだった淋しい話と言い変えるべきかもしれない。
雲切目薬が全国区になるきっかけとなったのは、4年半前の善光寺御開帳の直前に出た日刊ゲンダイ「妙薬探訪」というコラムだった。
ある日かかってきた一本の電話で、当時元気だった17代笠原十兵衛と娘の九子がS記者のインタビューを受けたところから始まる。
どうせタダで載せてくれる記事なのだからと父母はほとんど当てにしていなかったが、上京した折日刊ゲンダイの実物にお目にかかり、多くのサラリーマンが帰宅途中に電車でよみふけっていたのを知っていた九子は、わずかながら期待はしていた。
結果はなんと、予想を大幅に上回る反響があり、笠原十兵衛薬局の電話はそれから数日間鳴りやむことはなかった。
後でS記者に聞いたところ、善光寺ご開帳の影響もあって、何年間かの連載中、雲切目薬は今まで一番の売上を記録したんだそうだ。
妙薬探訪―からだにやさしい生薬百選 (徳間文庫)の画像こんな本まで出た。(よく見ると真ん中辺りに雲切目薬が・・)
それがたった4年前。
夏草や、つわものどもが夢の跡・・・・・。(^^;;
でもお陰様で、会計士さんに毎年「薬局閉じちゃった方が得ですねえ。」と言われ続けた毎日よりはましになったことは事実である。( ^-^)
今回の久しぶりの電話は、なんと九州からだった。
日刊ゲンダイも、さすがに九州までは威力が及んでいないらしく、今まで九州からの注文はほとんどなかった。
その九州地方を一手にになう西日本新聞社の広告会社からの電話だった。
「今回白内障の特集なんですが、期日も迫っておりますし、8万円のところ半値の4万円でいかがでしょうか?」
九子の弱いもの、もう御存じですね。
そう!「安い!」「お得!」という言葉。(^^;;
考えてみると、最初がタダの新聞広告から売れ出した雲切目薬は、今までお金を払って新聞広告というのに載せてもらったことがなかった。
つまりお金の有り難味を知らないわけである。
この大きさの記事でその金額というのも、実は安いのか高いのかわかりようもなかった。
わかったのはただひとつ。
父が死んだ時の死亡広告は、あんな小さな記事ですごく高かった!
それに比べれば安い!
その上、さらに半額にしてくれるんだって!お得だよ~!(^^;;
若者らしい記者氏は、「雲切目薬は白内障に効くという言い方は出来ないのですが・・」というこちらの言葉を的確にとらえて、ホームページを引用しながら正確に伝えてくれた。
小さいけれど、良い広告だった。
たったひとつNHK(テレビ)が、HNKとなっていた事を除いては・・。(^^;;
(校正も受け取ったはずなのに、気付かなかったこちらも迂闊なのだが・・。)
北九州市版というのに載った。10万部?とかになるのだという。
朝から手ぐすね引いて待っていたが一本も電話はかからなかった。
実は以来現在まで、一本の注文電話も来ていない。(^^;;
注文電話は一本も来ていないのに、その後じゃんじゃんかかってきた電話があった。
それはいろんな会社からの「西日本新聞の広告を見ました。ぜひ我が社にも広告を・・」というものだった。
同じ西日本新聞の各地域が多かった。大分、熊本、長崎、福岡・・・。
そして最後にこの一言が必ずついた。
「いやあ実は今回締め切りが迫ってまして、もう赤字覚悟でこのお値段で結構ですから・・・・・。」
何に弱いって、「安い!」の一言にめっぽう弱い九子である。
しかも最初に来た北九州市版よりも、どの会社も更に安かった。
でも考えてみると、一社当たりは安くても、二社、三社となれば結構な金額だ。
「それでも雲切目薬が九州の人の目に止まれば・・・。」
九子は清水の舞台から飛び下りるつもりで、いや乗りかかった舟、いや毒食えば皿まで・・・・。次々と誘いに乗った。
今から考えれば、あの時九子の目は血走っていたかもしれない。(^^;;
実はまだまだ新聞広告の話は続く。最後は今月27日の日刊スポーツ「通販のすすめ」の小さな広告に至るまで・・。
結果に関しては・・・・・・。
多くを語るまい。
少なくとも雲切目薬が広告業界の人々の目にとまった事だけは確かである。
それで良しとしておこう。
二番目の電話は結局、美味しい見せかけに騙されて、食べてみたらば心淋しい、いや、懐淋しい結果に終わったわけである。
つまり電話から始まる話は、何の利益も生み出さなかったという事になる。
いやまあ、そうでもない。
こう考える事も出来る。
あのままの電話の対応をずっと続けていたならば、きっとどこかで誰かに反感を買う事になった。何より我が家の財産は信用だ。
マンションやゴルフ場を売りつける方だって、仕事上必死で電話かけてるんだろうから。
自らを反省する機会が出来た事を心から喜ぼう。
雲切目薬だって、注文電話はかからないけれど、みんな広告切り抜いて迷っているだけのかもしれない。(^^;;
これからに期待しよう。
坐禅を知って美味しいものから先に食べるようになった九子は、今やM氏の上を行くお気楽人間である。( ^-^)
安倍首相
九子の場合は断然最初だ!
だって少食だから、(えっ?(^^;;)最後だと食べられなくなるかも・・・・。
こういう身の処し方、つまり美味しいものを最初に食べる方が、精神的には健全らしい。
以前は美味しいものを最後に残していたかどうかはさておき、坐禅を知る前の九子は確かに、自分の気持ちに素直になることよりも、周りの目を気にしてひどくびくびくしていた。
坐禅を知ってからというもの、より主体的に行動しているように思う。
言葉を変えれば、より大人になったのかな?( ^-^)
安倍首相の突然の引退で、政界は蜂の巣をつついたような大騒ぎだ。
ブログ仲間でもやや手厳しい暮石さんやら、かばうような調子の要さんやら城太郎さんやら賛否両論が渦まいている。
自分でも心の病を抱える九子は、少なくとも彼の引退会見の時の発言を捕えてどうのこうの言うべきではないと思う。
もう多分だいぶ前から、首相は善悪の判断が付かないくらい精神的に追いつめられていたはずだ。
そういう状態の時人間が言う言葉はさまざまな憶測を呼ぶものだが、それ自体に意味はないのだ。
彼本来の気持ちに余裕が無くなって、聞かれたままに思い付いたことを口走ってしまう。それだけなのだ。
確かに最低のタイミングでの辞任表明だったかもしれない。
でも安倍さんにはすでにタイミングを図るだけの気力も残されていなかったのだろう。
彼の言葉に、いつでも嘘はなかった。
出来ると思って始めた事が出来なくなってしまっただけだ。
確かに読みは甘かったかもしれないが、誠実であり続けた人だと思う。
安倍さんは、九子が思うに、だんぜん美味しいものを最後に残すタイプのようだ。
まず育ちがいいから、そんなにがつがつして最初にあわてて食べなくても、誰にも取られることがない。
最初に言ったように、より精神的に健全なのは美味しいものを先に食べる人間なのだ。
安倍さんはだから、少々健全ではない、つまり弱さがあるという事になる。
(また、強引な結論付け・・。(^^;;)
これは、安倍さんが選んだ昭恵夫人を見れば一目瞭然だ。
若干の性格的な弱さを持った人間は、パートナーには陽気で楽観的で、細かい事を気にしないタイプを選ぶと言う。
早い話が、坐禅に出会う前の未熟人間だった九子が結婚した相手が、気楽のかたまりと言われたM氏であった訳だ。(^^;;
昭恵夫人が訪米した時は、女学生みたいな的外れな事ばかり言ってる昭恵夫人に正直高い点数はつけられないと思ったものだが、現在苦境にいる首相を全力で支え、救えるのは昭恵夫人の他に無い。
まだまだお若いのだからしっかり休養されて、自民党の重鎮として長い間活躍して頂く事を望む。
例によって前置きが長くなった。
先を急ごう。
たまたま電話から始まる話が二つ続いた。
美味しいものを先に食べる九子は、嫌いなものも先に食べる。
だからまず、嫌な方の話から始めようと思う。
(って、言ってる事が支離滅裂じゃあ・・・。(^^;;)
それは突然の電話だった。
九子の方が全面的に悪い。
客商売の身では、してはいけない事。
でも、仕方が無かったんじゃないかな・・?と、その時は思った。
朝から笠原十兵衛薬局はいつものように暇だった。(^^;;
九子は洗濯が終わると、メールをチェックし、雨で客も来そうに無いので(まるで晴れてたらさも売れる・・・みたいな言い方。(^^;;)ゴロンと寝転んで本を読んでいた。
そのうち心地好い眠りに誘われうとうとしかかったところへ、一本の電話。
出てみると50代か60代の中年女性の声だった。
「こんにちわ。お忙しいところすんません。だんなさんいてはります?」
(とにかく、そんな感じの関西弁だった。)
この「お忙しいところすんません。」と「だんなさん」が問題だった。
過去に何度も九子はこういう電話を受けていた。
全部と言っていいくらい、ゴルフ場やマンションの勧誘電話だった。
最近では呉服屋や着付け教室からの電話も有った。
たいていが中年の女の人だった。
「お忙しいところすみません。」と思う位なら、電話しなきゃいいじゃん!
「だんなさん」でなくて、悪かったわね。!
九子はぷんぷんしながら電話をがちゃり!と切った。
直後にまた電話が鳴った。
さっきの女の人の怒声が響いた。
「どうしたんですか、いったい!こっちが何にも言わないうちにがちゃんと電話切って・・。感じ悪い!
せっかく注文しようと思ったけどやめましたわ。」
ヤバイ!注文電話だった!
「あっ、大変失礼致しました。よく勧誘の電話がかかりますので、それと間違えて・・・。」
「そんなら、なんの御用ですか位聞いてくれはってもいいん違う?いきなりがちゃりはないでしょう。!!」
それだけ言うと、電話は切れた。
薬局の名誉のために言うけれど、こういう事は薬局始まって以来始めての事だった。
考えてみると九子は見かけに寄らず大変短気なのだが(^^;;、その気の短さを相手と面と向かっては決して表に現さないタイプだ。
ところが電話、相手の見えない特に勧誘やセールスの電話となると、本性をもろに現して(^^;;、怒りをこめて中途で受話器を置く癖がある。
今まで何百回となく同じように対処して来た。そしてなんの間違いも無かった。
・・・・・・・・・と信じていた。
今回、はじめて間違った。彼女の言い分が100%正しいのだ。
ここで機転の利く人ならば、もしかしたら「すみません。今受話器を落としてしまって。」とかなんとか、言い訳もできたかもしれない。
ナンバーディスプレー表示でもしてあれば、かけ直して重々お詫びする事も出来たのだが・・。
(NTTに聞いたところ、一般電話なら毎月400円で出来るが、事務所用だと毎月2000円近くかかると言われ、即断った。)
「風の歌を聴け」に書いた最低の気分の原因が、実はこの一件だった。
こういう時こそ、坐禅をするべきなのである。
確かに坐禅の呼吸によって、ああでもないこうでもないとろくでもない事を考えてしまっていた頭の中が、霧がはれるようにすっきりとするはずなのだ。
集中出来さえすれば・・。(^^;;
まあでも集中できなかろうと坐禅の姿勢で背中をまっすぐにしてすわっていると、気持ちもだんだん静まってこれからの方向性なんかも見えてくる。
(本来座禅中はものなど考えず、数息観と言って、数を数えることに集中していないといけないのですが・・。)
今日の電話を教訓に、これからはたとえ勧誘電話であっても、もう少しやんわりとお断りしよう。
きっと九子の今までを反省させるための仏様からの電話だったと考えよう。
(いつまで続くかわかんないけど・・・。(^^;;)
さて続いてはお待ちかね、嬉しい方の話であるが、こちらはまあ結果的に考えてみると嬉しい成り行きになるはずだった淋しい話と言い変えるべきかもしれない。
雲切目薬が全国区になるきっかけとなったのは、4年半前の善光寺御開帳の直前に出た日刊ゲンダイ「妙薬探訪」というコラムだった。
ある日かかってきた一本の電話で、当時元気だった17代笠原十兵衛と娘の九子がS記者のインタビューを受けたところから始まる。
どうせタダで載せてくれる記事なのだからと父母はほとんど当てにしていなかったが、上京した折日刊ゲンダイの実物にお目にかかり、多くのサラリーマンが帰宅途中に電車でよみふけっていたのを知っていた九子は、わずかながら期待はしていた。
結果はなんと、予想を大幅に上回る反響があり、笠原十兵衛薬局の電話はそれから数日間鳴りやむことはなかった。
後でS記者に聞いたところ、善光寺ご開帳の影響もあって、何年間かの連載中、雲切目薬は今まで一番の売上を記録したんだそうだ。
妙薬探訪―からだにやさしい生薬百選 (徳間文庫)の画像こんな本まで出た。(よく見ると真ん中辺りに雲切目薬が・・)
それがたった4年前。
夏草や、つわものどもが夢の跡・・・・・。(^^;;
でもお陰様で、会計士さんに毎年「薬局閉じちゃった方が得ですねえ。」と言われ続けた毎日よりはましになったことは事実である。( ^-^)
今回の久しぶりの電話は、なんと九州からだった。
日刊ゲンダイも、さすがに九州までは威力が及んでいないらしく、今まで九州からの注文はほとんどなかった。
その九州地方を一手にになう西日本新聞社の広告会社からの電話だった。
「今回白内障の特集なんですが、期日も迫っておりますし、8万円のところ半値の4万円でいかがでしょうか?」
九子の弱いもの、もう御存じですね。
そう!「安い!」「お得!」という言葉。(^^;;
考えてみると、最初がタダの新聞広告から売れ出した雲切目薬は、今までお金を払って新聞広告というのに載せてもらったことがなかった。
つまりお金の有り難味を知らないわけである。
この大きさの記事でその金額というのも、実は安いのか高いのかわかりようもなかった。
わかったのはただひとつ。
父が死んだ時の死亡広告は、あんな小さな記事ですごく高かった!
それに比べれば安い!
その上、さらに半額にしてくれるんだって!お得だよ~!(^^;;
若者らしい記者氏は、「雲切目薬は白内障に効くという言い方は出来ないのですが・・」というこちらの言葉を的確にとらえて、ホームページを引用しながら正確に伝えてくれた。
小さいけれど、良い広告だった。
たったひとつNHK(テレビ)が、HNKとなっていた事を除いては・・。(^^;;
(校正も受け取ったはずなのに、気付かなかったこちらも迂闊なのだが・・。)
北九州市版というのに載った。10万部?とかになるのだという。
朝から手ぐすね引いて待っていたが一本も電話はかからなかった。
実は以来現在まで、一本の注文電話も来ていない。(^^;;
注文電話は一本も来ていないのに、その後じゃんじゃんかかってきた電話があった。
それはいろんな会社からの「西日本新聞の広告を見ました。ぜひ我が社にも広告を・・」というものだった。
同じ西日本新聞の各地域が多かった。大分、熊本、長崎、福岡・・・。
そして最後にこの一言が必ずついた。
「いやあ実は今回締め切りが迫ってまして、もう赤字覚悟でこのお値段で結構ですから・・・・・。」
何に弱いって、「安い!」の一言にめっぽう弱い九子である。
しかも最初に来た北九州市版よりも、どの会社も更に安かった。
でも考えてみると、一社当たりは安くても、二社、三社となれば結構な金額だ。
「それでも雲切目薬が九州の人の目に止まれば・・・。」
九子は清水の舞台から飛び下りるつもりで、いや乗りかかった舟、いや毒食えば皿まで・・・・。次々と誘いに乗った。
今から考えれば、あの時九子の目は血走っていたかもしれない。(^^;;
実はまだまだ新聞広告の話は続く。最後は今月27日の日刊スポーツ「通販のすすめ」の小さな広告に至るまで・・。
結果に関しては・・・・・・。
多くを語るまい。
少なくとも雲切目薬が広告業界の人々の目にとまった事だけは確かである。
それで良しとしておこう。
二番目の電話は結局、美味しい見せかけに騙されて、食べてみたらば心淋しい、いや、懐淋しい結果に終わったわけである。
つまり電話から始まる話は、何の利益も生み出さなかったという事になる。
いやまあ、そうでもない。
こう考える事も出来る。
あのままの電話の対応をずっと続けていたならば、きっとどこかで誰かに反感を買う事になった。何より我が家の財産は信用だ。
マンションやゴルフ場を売りつける方だって、仕事上必死で電話かけてるんだろうから。
自らを反省する機会が出来た事を心から喜ぼう。
雲切目薬だって、注文電話はかからないけれど、みんな広告切り抜いて迷っているだけのかもしれない。(^^;;
これからに期待しよう。
坐禅を知って美味しいものから先に食べるようになった九子は、今やM氏の上を行くお気楽人間である。( ^-^)
安倍首相
[仏様からの電話]
私だったら限りなく落ち込んでしまいそう.
仏様からの電話だったという反省の仕方に敬服します.
それが信仰による救いなのでしょうね.
by 三ねんせい (2007-09-15 17:47)
[三ねんせいさん!( ^-^)]
>私だったら限りなく落ち込んでしまいそう.
あっ、やっぱりそういう程の事なんですね。(^^;;
いや、なに、その、そんなに信仰があると言って頂けるほどのものではありませんが(^^;;、とりあえずはそうして納得するしかないもので・・。
あれ以来、迷惑電話に優しくなった九子です。( ^-^)
三ねんせいさんの所へは迷惑電話はかかりませんか?
店をやっていると、結構多いんですよ。(言い訳(^^;;)
by 九子 (2007-09-15 20:59)
[大切に]
私は、残しておいて食べる派です。
自分の分を取られる心配がない、長男長女、一人っ子には、割と多い、って聞いたことがあります。
でも、うちの上の子は先に食べちゃうから、どうなんでしょう。
ちなみに、ポリコーンでしたっけ、とうもろこしのお菓子は、大きい物から食べます。
だって、常に一番大きい物が残ってるわけでしょ?
と、ここまで書いて思いました。
確かに、不健全かも(笑)
お電話の方から、もう一度かかってくるといいですね。
ご縁がありますように。
赤ちゃんが突発疹で、お出掛けしてませんでした。
涼しい頃を見計らって、お店に行きますね。
by 瑠璃 (2007-09-18 08:45)
[瑠璃さん!( ^-^)]
大事なものを後から食べる方がなんとなく奥ゆかしくて上品なイメージってありますよね、日本人の場合。
きっと瑠璃さんもそんな方なのでしょうね。( ^-^)
突発性湿疹なんて、ずいぶん懐かしい響き!
そんな頃もありました。(^^;;
あかちゃんのご機嫌のいい時にどうぞお出でくださいね。
( ^-^)
by 九子 (2007-09-18 15:16)