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遺伝子のなせるわざ [<九子の万華鏡>]


九子が夢中になって「1リットルの涙」を見ていた時、天から二物も三物も与えられた幸運な亜也が脊髄小脳変性症という不治の病に冒されたという下りで、突然コマーシャルが流れた。

森三中の村上さんと、似た様な体形の男性が、本当の夫婦かどうかは知らないけれど仲の良い夫婦役を演じてじゃれ合っている洗剤のコマーシャルで、二人ともすごく幸せそうな顔をしていた。



その思いはどこからともなく九子の胸の中から湧き上がってきて、余りにも強い思いだったせいか口をついて言葉が飛び出した。

「病気になるのはなんでこの人たちじゃなかったの?なんで美人の亜也ちゃんだったの?」



そう、そうなのだ。九子はもったいないと思ってしまったのだ。大して可愛くも無い(村上さん、すまぬ。)どこにでも居そうな女の子が幸せそうに生きていて、こんなに可愛らしい聡明な頑張り屋の亜也ちゃんが苦難の果てに死んでいくのは不条理・・を通り越して許せない気がした。



人を見た目で判断するのは間違っているなどというのは百も承知だ。

だけどあの時九子が感じた強い気持ちは、まさに感情を超越したものだったように思う。



感情を超越した一体何だったのか?



まあ言ってみれば、本能のようなものではなかったか。



まず九子が「もったいない。」と思った気持ち、これはたぶん分かり易い。

綺麗な女の子が、頭の良い女の子が、努力家の女の子が死んでしまうのは、世の中にとってマイナスである。



そればかりではない。彼女が結婚して、また同じように美形で優秀でエネルギーのある子孫を残す。そういう優良遺伝子は未来永劫に渡り引き継がれるはずであったのに、彼女の死によってそれが費えてしまったとなれば、それはこの国の未来にとっても損失なのだ。



大昔から、力があること、知恵があること、そして見映えが美しいことは世を生き抜く上での強力な武器だった。

奴隷として生まれた者でも、コロッセオでライオンに勝利すればその腕力と知力を認められて奴隷から抜け出すことが出来ただろうし、美しい娘であれば王に見初められる可能性だってあり、どちらにしても今までの悲惨な運命を劇的に変える縁(よすが)になった。



男たちが美人に弱いのも、女たちがイケメンに夢中になるのも、きっと私たちの中の種の保存本能が無意識のうちに働いて、子孫になるべく良い遺伝子を残そうとするからではないだろうか。



それを実証するように・・(と、九子は勝手に考えてしまったのだが。(^^;;)、先日のテレビである夫婦の話が取り上げられた。



女性ははっとするほど綺麗な人だった。男性もイケメンだった。だがしかし、女性は物につかまらなければ歩く事が出来ない病人だった。



彼女の病気は遠位型ミオパチー。聞き慣れない病名だが、遠位という言葉通り心臓に遠い部分から麻痺が始まって筋肉が動かなくなる難病なのだと言う。末路はたぶん脊髄小脳変性症と重なる。



発症は大学在学中で、その当時から現在夫となったサークル仲間の男性があれこれ面倒を見てくれたそうだ。



「美人だったからだよね。」九子は一人つぶやいた。

彼女がもしも世間一般の顔立ちだったとしたら、この男性はもしかしたら結婚までしなかったかもしれない。



そう考える事が夫になった男性にも彼女にとっても大変失礼な事だと思いはしたが、その考えが消える事はなかった。



結婚というのは一生の一大事だ。少々の同情や憐憫で出来るものではない。彼女には障害に勝る何物かがあったからこそ、彼は決意したのだと思う。それがたとえ彼女の「美しさ」だったからと言って、彼への賞賛が変わることはない。



以前九子は「美人妻は金メダル」と書いた。今でもその思いは消えないどころか、日を追って強くなる。





そもそも九子の愛すべき出来すぎ母が我が家に嫁いだ理由も、当時かなりのイケメンだった父に惚れたからだ。

実家の薬局を継ぐべく薬大(当時の薬専)を出た唯一の娘だったのに、父と結婚するために家を捨てて嫁に出てしまった。



母の実家にしてみたらたまったものではなかっただろうが、幸いな事に叔父が薬剤師さんと結婚して薬局は今も健在だ。



そして母のようなやり手のお嫁さんをもらって、我が家はもう万々歳だった。母がいなかったら、雲切目薬は今頃この世に無かったかもしれない。



猪突猛進で突っ走ってきた母が、果たして幸せだったのかどうかはよくわからない。何しろ美人やイケメンは三日で飽きるそうだから・・・。(^^;;



その上美男美女と言われた両親から生まれた一人娘のこの九子は、彼らに似ていると言われたためしがない。

遺伝子上は甚だ(はなはだ)残念な結果だったのである。(^^;;





昨今取り沙汰されている大麻汚染。

売買するイラン人に「この国は本当に大丈夫なのか。」とまで言われて歯軋りしたくなる思いなのだが、都会では主婦や学生にまで広がりを見せているらしい。



気付いたのは売買に携わるイラン人の顔つきだ。以前はヒゲ面のイカツイ顔の男たちが多かったような気がするが、今回逮捕された男たちは皆若くてイケメンだった。



イケメン好きは万国共通、そして外国人に弱い日本女性を狙うには・・というので、彼らが送り込まれたのだと思うと、これはもう戦略負けである。



考えてみるとアラビアンナイトの国の女奴隷は、本当の目印をわからなくするために全ての戸口に目印をつけたという策略家だった。

ひるがえってこちら日本国の有閑マダムは、光源氏の時代から韓流スターの今日まで、見目麗しい色男には目がなかった訳である。



それじゃあもう、勝負は最初から決まってるよね。(^^;;



と言う訳で、九子の独断と偏見で言わせてもらえば、美形好きは遺伝子に乗っかった贖い(あがない)難い行動なんである。



となれば都会に住んでるお金に余裕のある方々、覚醒剤そのものもそうだけど、売ってるイケメン外国人お兄ちゃんにも習慣性(いつもいつも見ていたい)や耐薬性(もっともっと刺激的なイケメンに会いたい)がありそうだ。



イケメン中毒にはくれぐれもお気をつけあそばせ。( ^-^)



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コメント 4

eiko

[何かが足りない]
「何しろ美人やイケメンは三日で飽きるそうだから・・・。」

そうそう。外見の美しさなら、整形をすれば完璧に変身できます。が、内面からにじみでる美しさや個性がなければ。
飽きられるよね~ 

韓国ドラマのポン・ダルヒの中で
「足りない男が理想」という彼女は優秀生
これには笑いましたが、足りない男に女というのは、愛嬌があって人生が何倍も楽しめそうです、これも一つの選択肢かもね。

「美男美女と言われた両親から生まれた一人娘のこの九子」

 あはは~親とそっくさんじゃ個性がないかも。
遺伝子は顔や骨格だけでなくあらゆるところに散らばっているようですよ。大丈夫!!

外見でなければ、内面に「美しさを」ご両親の遺伝子が育って
いると思いますよ。
by eiko (2008-11-21 09:24) 

九子

[eikoさん!( ^-^)]
うっかりしててお返事遅れてごめん。m(_ _)m

>そうそう。外見の美しさなら、整形をすれば完璧に変身できます。が、内面からにじみでる美しさや個性がなければ。

まったくその通り。特に年取ると容姿じゃあカバーしきれなくなるものね。(^^;;

まあね、九子の場合、両親に似てないってだけで、美しくないとは言って無いんだけど・・(^^;;

いづれにせよ美人は得だよね。
by 九子 (2008-11-22 22:21) 

eiko

[あらぁ~~~(^^;]
何かと12月って気が落ち着かないですね。

『九子の場合、両親に似てないってだけで、
美しくないとは言って無いんだけど・・(^^;;』


九子さん、失礼しました(^^; アセタラリ

私ってそそつかしくて、文章が読めない女ですね~
反省しています。 

そうそう、美人は得? え!! 美人って得なのかな??
得より徳が欲しいよ~ 笑 
またわけのわからんコメントに失礼しました<img src='/image/hammy/m102.gif'><img src='/image/hammy/m106.gif'>
by eiko (2008-12-03 18:23) 

九子

[あらぁ~~~,eikoさん(^^;]
すぐに返信したような気になってたのにまだだったんですね。
お返事遅れてごめん。m(_ _)m

>私ってそそつかしくて、文章が読めない女ですね~
いえいえ。そんな事は決してありません。実のところ本当のところを言い当てられたかも・・・。(^^;;

美人は絶対得だよ~。結局最後は顔で選ばれるような気がする。
もちろん年齢に復讐されるとは言うけれど、復讐される頃にはもう良い結婚をして豊かに暮らしている訳だから、やろうと思えば整形手術でシワ取りだって簡単じゃない!

もちろん美人でその上徳もあれば一挙両得で・・、ってこちらもつられてわけのわからないコメントですみません。(^^;;
by 九子 (2008-12-05 23:43) 

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