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全ての女性の命を守れるか? [<九子の万華鏡>]

九子は激怒した。(走れメロス風に。(^^;;)

こう見えても九子はとても短気なのだ。我が家の血筋か、(16代はそうでもなかったが、父17代はひどかった。子供達の中にも結構気の短いのが居る。)とにかく怒ってしかるべき時に怒るのはわかるが、そうとも言えない時にむかむかするのは自分でもいい加減にして欲しいと思う。
でもダメなのだ。九子は頭より先に、直感で動く人間らしい。

ムカついたのはウォールストリート・ジャーナル日本版のこの記事を読んだ時だ。

三原じゅん子氏。タレント議員がほぼ全滅と言っていい今回の参議院選挙で当選した実力は認めよう。
九子が怒ったのは「全ての女性の命守る」と題された見出し部分だった。

なりたての政治家の分際で「全ての女性の命を守る」なんて出来るわけ無いじゃん!

神の手を持つと言われるお医者さんだって、全ての患者さんの命を救えるわけじゃないんだよ。
昔のキャラが出て、ちょっと傲慢なんじゃないの?


ここの記事のいいところはすぐに英文が読めるところだ。( ^-^)
英語ではどうなってるのかな?と思って見て見ると、さすが!英文では「全ての女性の命」なんていうバカな事は書いてなかった。

英文ページ

I want to advocate free vaccinations and medical examinations (for cervical cancer) so that every woman can have them.
It is my mission to combat cervical cancer and save women’s lives.

「私は子宮ガンのためのワクチン接種やメディカルチェックを無料にして全ての女性が受けられるように国に働きかけていく。子宮ガンを撲滅して女性達の命を守るのが私の使命である。」

そうよ!こう書いてくれれば九子はイラつかなかったのよ。

前にも書いたが、英語という言語は日本語に比べ非常に論理的で正確な言語だと思う。

たとえば「みんなの党」の英訳は"Your Party"であり、”Everybody's Party"ではない。
土台、日本人みんなが賛同する党なんてありはしないのだ。

賛同しているのは、この場に集まってくれたあなた方のみであり、壁を隔てた彼や彼女は知らん顔なのだ。そこんところをよくわきまえている英国人だか米国人だかの記者は、”Your Party"と上手に意訳してくれたのだろう。

"Your Party"という訳語は、日本人がいかに「みんな」という単語を無造作に使っているかという事を、もっと言えば、「みんな」という言葉にわれわれがいかに惑わされやすいかを教えてくれている。

「みんな」と言えば、"One for all, all for one."
というのも一時流行った。一人はみんなのために、みんなは一人のために。

Wikipediaによると、この言葉はスイスで内戦が起きた時、寄付を募るスローガンとして作られた言葉なのだそうだ。

それがどういう経緯だかこの国に入ってきて皆にすんなりと受入れられ、小学校の合唱曲にまでなって声高に歌われる。

「みんな」と言う言葉に自分を埋もれさせるのが好きなのが日本人なのかもしれない。

あまのじゃくな九子は昔から「みんな」という言葉が嫌いだった。
自分が「みんな」という枠の中に組み込まれて十羽一からげにされるのが気恥ずかしかった。
まあ九子の場合は、「みんな」の水準に達してない自分を絶えず意識してただけなのかもしれないけど・・。(^^;;

・・・と、お得意の脱線があったのでここで起動修正。( ^-^)

三原じゅん子氏が本気で「すべての女性の命を救う」と言っているのか、それとも記者が勝手に付けた見出しなのかを確かめるべく彼女のHPを読んだ。
そして怒りは半減した。(すぐにしゅんとなるのも九子の特徴だ。(^^;;)

子宮頸がんは、がんの中で唯一予防できるがんであります。それなのに、ワクチンの実費が高額であるという事で数多くの方が予防接種を受けることが出来ないのです。他の先進国では当たり前に無料で受けられる予防ワクチンなのに、、、。(中略)
20歳~30歳代の女性が発症するとう事は、子供を産めない女性を作ってしまう危険性が高くなるという事なのです!この病気からすべての女性を救う事こそが、本当の意味の少子化対策ではないでしょうか。

これは正論である。

「すべての女性を救う」という文言は入っているが、「私がすべての女性を救う」という訳じゃなくて、「この病気からすべての女性を救うために(私が)活動したい。」という意味なんだね。

その上彼女は入る施設の見つからない自分の母親のために自費で介護施設まで作ってしまった人だ。行動力もピカ一であるらしい。

そーなんだ!いやあ、三原じゅん子さんって立派だねえ。(^^;;(^^;;


今書いていても、なんであの時彼女のこんな一言にムカついたのかよく理解できない。
いや、理由ははっきりしてるよ。新聞記事の見出しの「すべての女性を救う」というのが、「私がすべての女性を救う」と読めてしまったからだ。
一人の人間がすべての女性を救うことなんか出来もしないのに、そんなに簡単に言っちゃわないでよね。

まあ、主語を曖昧にする日本語にも責任はある。(^^;;

しかしまあムカッとしたのは事実だし、喉元過ぎれば忘れてしまうような熱さにも過剰反応するのが九子なんである。

ところでこの「ムカッ」と言うのにも実は意味があると言うのを、昔、薬大の心理学の講義でならった。
(九子が覚えてるのは、すべて専門に関係ない分野の講義だけだ。(^^;;)

西洋の学問に飽き足らずに東洋の仏教思想、もっと言えば禅の思想を取り入れたと言われるユング心理学。

それによると、あなたが何かに対して普通ではない嫌悪や否定の感情を覚えた時、それはその時あなたの脳の深い部分にある無意識の世界に広がっているコンプレックス(英語の意味そのままの「複合体」)があなたに影響を与えた結果であると・・。

コンプレックスというのは普通「劣等感」と訳されるが、これは本来「心的複合体」と訳されるべき言葉であり、「劣等感」とは別物である。

しいて「劣等感」と呼びたければ、数ある心的複合体の中の劣等感を主な感情とするさまざまな感情の複合体=劣等コンプレックス、この感情の複合体が無意識の領域から意識の領域に働きかける事によって、本人にも理解出来ないような怒りだとかねたみだとか、さまざまな感情が巻き起こるということらしい。
無意識からつきあげる心的複合体の方もいろいろあって、何も劣等コンプレックスひとつじゃないらしいよ。
マザーコンプレックス、俗に言うマザコンもそのひとつ。

この原則を覚えておくと、実はどこかで誰かが何かに過剰反応して突然怒りをあらわにした時、その誰かの無意識の中には劣等感やら何やらの心的複合体があって、それが作用することによって怒りが芽生えたのだな・・と、逆に見抜くことが出来る。

上司に怒られた時なんか、この人の劣等感コンプレックスの原因はいったい何なんだろうかと冷静に考えたりしていると、結構へこまずにすむかもよ。(^^;;


と言う訳で、九子が三原じゅん子さんの「すべての女性の命を守る」という短い新聞の見出しに過剰に反応したという事は、九子の無意識の中で何かのコンプレックス(心的複合体)が働いたという事になる。

それっていったいなんだったのだろう?
たぶん自分にはない何かを彼女は持っているとか、彼女のほうが秀でているとか、そんなことだと思うんだけど、若いとか美人だとか、そういったことはこの際置いといて・・・・。(^^;;

まあ、深い樹海のような九子の心の中を詮索するのはやめておきましょう。( ^-^)

ところで九子の周りには、劣等感コンプレックスのかけらもないという奇特な人が居る。
もちろんM氏である。( ^-^)

彼とつきあい出してすぐに感じたのがこれだった。ユング心理学がまだ鮮明に頭に残ってた頃だったからかもしれない。

彼はまず、怒ることがない。彼がキレたのを見たことがない。
そして彼は自ら「ビンボー神」とのたまうくらいだから(^^;;、ビンボーな事も、はげている事も、メタボな事も、足が短いことも、自分の欠点をすべて笑い飛ばして、明るく生きている。つまり、劣等感がない。

まあ劣等感がなければ、意識をつきあげるエネルギーも無いのだからキレたり怒ったりしないというのは容易に想像がつく。

別の言い方をすれば、心的複合体のない、極めて単純な人間なのである。(^^;;

いいわよ~。こういう人と結婚するって!
だっていっしょに居て楽ちんだし、自分が高尚に見えるもん。(^^;;(^^;;






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