人はなぜ怒るのか・・・・藤井雅子 [<九子の読書ドラマ映画音楽日記>]
それはもちろん、九子が短気で怒りっぽいから・・。(^^;;
えっ?だって九子さんは坐禅をやって、それなりに修行してるんじゃないの?
・・・と思う人は九子を知らない。(^^;;
まあ坐禅のお陰でだいぶマシにはなったのだけれど、まあ我が家の血筋なんでしょうか。
その時々はカッとして怒り心頭に発するのだけれど、後になるとなんでそんなに怒ったのかワケわかんないことのほうが多い。
ただひとつ覚えてる今現在でも解せない怒りの種がコレ!
ATMでお金を引き出してそのうちの一部をどこかに振り込みたいとき、機械から出てきたはずのお札を同じ機械が受け付けない時!
一枚くらいなら我慢するけど5枚くらい入れてどれもダメってことがたまにある。もうそういう時は怒りまくるっきゃない!!(^^;;
著者の藤井雅子さんと言う人は慶応出の才色兼備のカウンセラーさんだ。
この頃増えているモンスターペアレントやモンスターペーシャントの話を含む第1章から始まって、第2章がタイトルの答えとも言うべき「怒りのメカニズム」、その後の章で怒りを建設的にコントロールする方法が述べられる。
ほら、おいでなさったよ。
何を隠そう、九子は坐禅にたどり着く前自分の暗い性格が嫌で嫌で、少しでも明るくなろうといろんな本を読んだんだけど「考え方を変えなさい」と書いてある度に裏切られたと思った。
だって意志の弱い人間に、考え方を変えろなんて無理な話なんだから!
でも次に出て来た言葉は「たしかに~」と思った。
「他人と過去は変えられない。・・自分と未来を変えるしかない。」
まあそりゃあそうだよね。
怒りの原因は不一致だと筆者は説く。好ましくないことが起こると自分の期待と現実の不一致に怒りを覚えるのだそうだ。
たとえば自分が不当に扱われたと感じると誰もが怒りを覚えるが、それは潜在意識に「私はこう扱って欲しかった」あるいは「こう扱われるべきだ。」という願いがあって、それが叶えられなかったことにより自分に何かしらの不都合が生じた場合に怒りが現れるという事らしい。
中でも「・・・べき」「・・・・しなければならない」という考え方は一番怒りを感じやすい考え方なのだと言う。
さきほどの九子の例で言えば、ATMで出てくるお札は少なくとも機械が認知する程度の新しいお札でなければならない・・と九子が常に考えているから、そうではなかった時に憤怒の気持ちが起こるという事になろうか。
「~べき」思考は、ものごとに100パーセントを期待すること。しかし、100パーセントの結果が返ってくるということは滅多にない。従って、100パーセントに満たない分が、「違い」=「怒り」になるのです。(略)
また、自分が怒っている最中にも「~べき」思考を探るようにすると、思わず衝動的になってしまうことを防げます。これは怒りが大きい時ほど効果的です。
こうした練習を重ねていくと、今まで意識していなかった自分の思いこみに気づけるようになり、その思い込みを修正することで怒りを減らしていく事が出来るようになります。
ふ~ん。まあ言ってる事はわかるけどねえ。(^^;;
次にあった「怒りの上手な表現方法」という章のタイトルが新鮮だった。
怒りを上手に表現するとは、怒りの基となっている満たされていない自分の欲求をできるだけ満たせるように、欲求を満たしてくれていない相手に自分の本当の気持ちを伝えて話し合いをする事だと言う。
実は九子が新鮮だと思ったのはこういうありきたりの事じゃなくて、この間の「そこまで言って委員会」に出てきた中国の人を思い出したからだ。
中国の人は宋文洲さんと言ってソフトブレーンという会社を作った大金持ちだそうだ。
彼がなんだか知らないが、番組常連の西村眞悟氏と討論してるうちに険しい顔つきになって、二人がけんか腰になっているのが見て取れた。宋氏が最初に難癖つけてた感じだったが、たかじんさんも辛坊さんも面白がって止めようとしない。
西村氏は終始不機嫌な怒ったような顔つきだったのだが、宋氏はちょっと場が和んだのを堺に、さっきの怒りはどこへ行った?と思うほど鮮やかな笑顔を取り戻してスタジオに向かって話をし始めた。
そこへ相変わらず不機嫌な西村氏が何か一言言った途端、宋氏がまた鬼のような形相で西村氏を睨みつけたのを九子は見逃さなかった。
ああ、日本に何年住んでいてもこの人は中国人なんだと思った。
見事と言えるほどの怒りの表現。わずかの間に怒りから笑顔に、そしてまた怒りへと表情を巧みに変える技術は、怒りを交渉手段として用いる中国のしたたかさの最たるものだ。
要するに日本人はふだんあんまり怒りを見せることに慣れていないから怒りの納め方もうまくないのだと思う。
日本人はもっと怒らなくっちゃ!
って、とんでもない方に話が行ってませんか?(^^;;
この本の中で九子が一番嬉しかったのは、「国語力」と「ひとりの時間」を評価してくれた事だ。言うまでも無くこの二つは数少ない九子の得意分野のうちの、・・・・全てである。いや、まだお昼寝の能力が残ってた。(^^;;
たとえば、怒っている事を「超ムカつく」と表現した場合、どれくらい怒っているのか。頭から湯気が出そうなくらい怒っているのか、身体中が熱くなっているのか、身体が震えるかんじなのか、何かを蹴っ飛ばしたいくらいなのか、大声で怒鳴りたいくらいなのか、叫びたいのか、誰かに聞いて慰めてほしいかんじなのか、泣きたいかんじなのか、また、それは誰に対しての感情なのか等々、その中身はさまざまです。
面白いことに、こういったことを丁寧に自分に向けて言葉にしていくと、自分の本当の気持ちが理解できるようになり、自分は本当は何を望んでいるのか、そのためにはどうしたらいいのかがわかってきます。そうすると、最初の「超ムカつく」気持ちがいつの間にか和らいでいたりします。
頭にきたとき、「超ムカつく」で終わらせてしまうのと、こうして自分に向き合っていくのとでは、積み重ねて言った人としての成熟度にとても大きな差がでてきます。(略)
つまり、普段から感情をあらわす言葉を使っていないと、肝心なときに自分の気持ちを正確に理解する事も、他人に自分の本当の気持ちを理解してもらうこともできなくなってしまうのです。精神的な大人とは、状況に応じて柔軟に対応ができる人だと思います。(略)
特に肝心なことほど、逃げずに言葉にしていくと大きな気づきを得られます。そうやって、自分に対する理解を深めていくと、自然と他人に対するかかわり方も変わっていきます。自分とも他人とも関係がより深まっていきます。
そして著者は、表現力を磨く方法として本を沢山読んでいろいろな表現に触れることを勧めている。
自問自答であっても、誰かとの会話であっても、具体的に言葉にしていかないと本当の気持ちが明らかになってきません。
いろいろな言葉をあてはめて、ぴったりした言葉が見つかったとき、私たちは「ああ、そうそう。」と納得が行くのです。
そのためにも、普段から国語力を磨いておくことが大切です。いくら気持ちがあっても、それをあらわす言葉がなければ、自分で自分の気持ちを理解する事も、誰かに理解してもらうこともできません。
カウンセラーは相手の言葉にならない気持ちもすくい取らなければならないので、本を読んで国語力や感性を磨く努力をしているとのことだ。
「ひとりの時間」の方にはこんな記述がある。
コミニュケーションの基本は自分との関係。そして、自分との関係を深めるためには、ひとりだけの孤独な時間を持つ必要があります。
ひとりになって自分のココロとカラダの状態を心ゆくまで味わい、誰を気にすることなく、自分が心地よいと思う時間を過ごしましょう。(略)
ひとりでじっとしていられない人、何かせずにいられない人、家でゆっくりできない人、スケジュールがうまっていないと不安になる人は要注意。(略)つまり、ひとりになれないということは、自覚のあるなしにかかわらず、自分に向き合うことを避けているという事です。
いやあ、困ったなあ。その上「ひとりの時間を楽しめるかどうかは、その人の成熟度を知るバロメーターでもあります。」とまで持ち上げられちゃうと、ひとりの時間ばかりの九子はなんだか自分が偉い人間になったような気がしてこそばゆい。(^^;;
そうなんですよ。大事なのは自分と対するひとりの時間。皆さんも、九子を見習って一人の時間を楽しみましょう。自分のココロの声を聞きましょう。そうすれば皆さんも九子みたいに・・・・・・・・・・・・・・。
あれっ?ひとりの時間を人の何倍も楽しんで成熟してるはずの九子さんが、そんなにキレやすいって一体どういうこと?(^^;;(^^;;
youziは私の名前の中国語音なんですが、
そのままで変換してしまうと「ようじ」になるんですよね。
メールアドレスに使っているので、よく男性向けの迷惑メールも
入ってきます(>_<)
男性と思っている方、多いんですよ。
by youzi (2011-02-13 10:41)
youziさん、ごめんなさい。とんでもない時期にコメントを発見しました。
お返事がものすご~く遅いのをお許しください。m(_)m
そうなんだ!中国読みなんですね。
実はわたしも最初は男性かと思ってしまいました。(^^;;
中国大好きのyouziさんに、中国の良さを少しづつ教えていただけたらと思っています。( ^-^)
by 九子 (2012-05-17 06:42)