ドリームジャンボ宝くじ三億円! [<九子の読書ドラマ映画音楽日記>]
しばらく見ないと「あれっ?そういえばこの頃やらなくて淋しいなあ。」と思うコマーシャルってそんなに多くは無いと思うけれど、西田敏行のドリームジャンボ宝くじのコマーシャルは数少ないそういう一本だったと思う。
このYou Tubeの画面から、テレビでやってた歌の前にも歌詞があったことを知った。
前の部分を含めて書くとこんな歌詞だ。
「わたしはいいことが無いといつもこう思うようにします わたしは今運を貯め込んでいるのだと
前を向いて生きていけば運の花が咲く日が来ると ドリームジャンボ宝くじ三億円 」
こういう御時世だからこそ、前を向いて生きるとか、運の花が咲くとかいう言葉に日本人みんなが反応する。
その上九子も強く思ったのが西田敏行と言う人の演技力だ。多くの人のコメントでも指摘されている。
王冠を被り重々しい光る衣装や装飾品を身に付け、いかにも身分の高そうな彼が自信たっぷりに歌う。
胸で拳を握り腕を広げて、彼についていけばみんな幸せになれるんだよオーラみたいなのを醸し出している。
その上、壁に灯るたいまつの炎が揺れる感じもいいよねえ。希望の光みたいで。( ^-^)
九子はなぜこのコマーシャルがみんなに夢を与えるのかをもうちょっとだけ考えてみた。
まず西田敏行が扮しているのが王様という設定。
これがもし、日本のお殿様だったらどうだったか。
たとえば西田さんじゃなくてもう少しカッコいい松平健さんであっても、やっぱりお殿様じゃダメなんだと思う。
それは、現代社会の一般人の生活がもうずっと前にお殿様の生活を越えちゃっているからだ。
今の庶民の方が昔のお殿様なんかよりよっぽどいい暮らししてるってことをみんな知っているからだ。
それが西洋の王様であれば、訳わかんない分だけまだ夢を持っていられる。
金ぴかのお城に暮らす王様の暮らしならば、今時の自分の暮らしよりもずっと贅沢なんじゃないだろうかと。
憧れっていうか、夢があるっていうのが大事なんだよね、きっと。
次にやっぱりちょんまげじゃダメって根拠は、音楽との相性だ。
時代劇だと時代劇風の音楽って事になっちゃうけれど、時代劇で使われてる歌で元気が出るのは少ない。
「ミファラシレミ ミドシラファミ」っていう和音階のせいか、それともリズムが悠長だからだろうか・・。
というところでひとつ思いついたのが、例の水戸黄門の主題歌。「人生楽ありゃ苦もあるさあ~。」というあれだ。(^^;;
びっくりした事にはこの曲は行進曲(マーチ)になっていて、リズムが「タン、タタタタンタン」でドリームジャンボCMとぴったり一緒だった!
だけどまさか!リズムは良くても詞の内容があまりにも被災者の方々をバカにしている。
あのひどい震災を「苦もあるさ~」なんてレベルで歌われたら、それこそたまらない。
という訳で、結局ちょんまげの殿様はいずれにしても没(ボツ)になったんだろうなあ、と九子は思った訳。
(このCM考えた人もきっとそう考えたんじゃないかな(^^;;)
考えてみると西田敏行と言う人は凄い役者さんだ。
上のYoutubeの画像が終わると、大友康平さんと並んだ素顔に近い西田敏行の白黒写真が写るけれど、(写らない時は 元動画を。m(_ _)m)、あれを見る限り失礼ながら王様のオーラなど片鱗も無い。
むしろ釣りバカ日誌のハマちゃんの方が素の西田敏行に近いのかもしれないと思う。軽妙で人情家で、庶民そのものといった風体。
でもその西田が王様を演じるとあれだけの風格がある。これってなんなんだろうか?
西田敏行の代表作といったら、やっぱり押しも押されもしない釣りバカ日誌の浜崎伝助ことハマちゃんだろう。
例によって九子はテレビでちょっと見ただけなんだけど(^^;;、釣りという生き甲斐を持って、毎日を生き生きと生きてる人だよね。
釣り仲間のスーさんこと鈴木社長が、実は年収50億を稼ぐゼネコン大手の大社長で、自分の会社の社長だった事すら知らないってとこも太っ腹だ。(まあそれを考えると、ハマちゃんはかなりの月給を稼いでいるってことにもなるのかな?)
キーワードは「豊かさ」なんじゃないかと、ふと思った。
ハマちゃんは大金持ちでは無いけれど、そこそこ仕事もしながら釣り一筋の自分の人生に心の底から満足しているように見える。
戦後の焼け野原から復興して物質的に満足する事を追求してきた日本だけれど、昭和の人々が持っていた精神的な豊かさを失ってしまったとよく言われる。
物質的な豊かさなら数字でこれこれと示す事が出来るけれど、精神的な豊かさというのは決して数字では表せられないもので、最貧国の子ども達が持っている明るい笑顔なんかがこれに当たると思う。
要するに今の自分に、今の生活にどれだけ満足しているかという事だ。
もしかしたらなまじ情報なんか無いほうが豊かに幸せに暮らせるってこともある。
西田敏行は豊かさをたくさん表せる優れた役者さんだと思う。
九子のウツが一番ひどかった時何人ものお医者さんにいろんなことを言われたのだけれど、どのお医者さんにも共通していたのが100%を目指すのを止めなさいという事だった。
もちろんいい加減な事この上無い九子にとって、自分が100%を目指す性格だとは到底思えなかったが(^^;;、この言葉はうつ病の回復途中の人々にとってはより重い意味を持つと思う。
ふつううつ病が治るまでにはかなりの時間がかかる。月単位、中には年単位という人だっている。
そういうなかなか治らない時期に、100%本来の自分を目指すのではなくて、6割7割出来たらまあ良しとする生活を送りなさいという訳だ。
そしてこれは、人間が今の自分に満足して幸せを感じるための魔法の言葉でもある、と九子は思う。( ^-^)
そして同時に、人間がこれ以上の進歩を望めない堕落の言葉でもあるなあと、九子は日頃の自分を観察しながらいつも思っている。(^^;;(^^;;
愛という言葉は日本語でしょうか?
殿さまに「愛」は似つかわしくないけれど
王様には「愛」がぴったりくるでしょうか?
母国語の中に「愛」を表現するための概念はあるのでしょうか?
あなたのそのままを受け入れる「包容力」。
褒めて育てることをしない環境に、「包容力」はあるのでしょうか?
西田さんには少なくとも「愛」と「包容力」を感じます。
by Muran (2011-06-12 19:11)
九子さん、こんにちは!
私も、このCMステキだと思っていました。
西田敏行さんにピッタリ似合っている王様の衣装
ステキですよね。
あの力強い歌声。
西田敏行さんが歌っているからステキなのだと思います。
フルコーラスで聞きたくなりますね(´(エ)`*)
by ダイナ (2011-06-13 12:30)
Muranさん、こんばんわ。
コメント有難うございます。( ^-^)
>母国語の中に「愛」を表現するための概念はあるのでしょうか?
Muranさんにわからないことが私にわかるはずがありませんが、とりあえずキリスト教の「愛」は仏教の「慈悲」だと言われますよね。
愛よりももっと探すのが大変な気がしますが・・。
>褒めて育てることをしない環境に、「包容力」はあるのでしょうか?
これ、Muranさんに言われてはっとしたのですが、子どもが小さい頃はいつもこの言葉が見近にあったはずだったのです。
それが一応子どもが手を離れてしまって、家に居なくなってしまったら「誉めて育てる」なんて言葉、忘れてしまいました。
そうですよねえ。まだ与党になって数年の民主党は子どもと同じですから、国民に誉めて育てる視点が無いといけないわけですね。
Muranさんは指揮者さんであると同時に、若手を育てる先生でもいらっしゃるので、いつまでたってもそういう視点を持ち続けられるのですね。
すごく考えさせられました。
by 九子 (2011-06-13 21:10)
ダイナさん、こんばんわ。
コメント有難うございます。m(_ _)m
アイコンっていうのかな?可愛いチューリップから月夜?に変わったんですね。ちょっと大人の雰囲気( ^-^)
もしかしたら西田さん、即興でつくってるのかしらねえ、あの歌。
よくわかりませんがyoutube見ると60秒バージョンっていうのもあって、詞が二つに分かれて一番二番みたいになってる!ちょっと冗漫な感じで、やっぱり本編の方がずっといい感じでした。だから、スタジオで勝手に作って歌ってたのかしら・・なんて思っちゃったりして。
フルコーラスかどうかわかんないけど、良かったら見てみて!
いずれにしてもあのCMは西田さんだからあそこまで惹きつける魅力があったのでしょうね。
さっきちらっと見せて頂いたのですが、ミスチルとか'bad'とか、面白そうなお話がたくさんあったので、また是非コメントに伺いますね。少々お待ち下さい。m(_ _)m
by 九子 (2011-06-13 21:25)