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「花ざかりの君たちへ」と下地先生 [<九子の読書ドラマ映画音楽日記>]

九子の地元の放送局では午後4時から5時まで何年か前のヒットドラマを毎日やっている。2週間も見ていれば完結するので、見始めるとつい習慣的に見てしまう。
考えてみたら以前も九子はこんな日記や、こんな日記も書いていた。

なでしこジャパンが世界一になったと言っては喜び、中国の高速鉄道事故に憤慨し、九子の毎日に細かい波風は立ってはいるようだけれど、所詮九子の生活はずっと前からあんまり進歩していない。

今回のは「花ざかりの君たちへ 2007」という、例によって漫画が原作のドタバタ劇だった。
実はあんまりドタバタ系は好きではないので初回はそそくさとテレビを消してしまった。
それが2回目をなんとなく最後まで見てしまって以来、途中で薬局にお客様が見えると心の中で舌打ちしたくなるくらい(^^;;嵌ってしまったのはなぜなんだろう。

ストーリーは極めて荒唐無稽だ。
ハイジャンプ(走り高跳び)の天才高校生ジャンパー佐野泉(小栗旬)は、怪我をきっかけに一線を退いている。その彼を何とか立ち直らせてまたハイジャンプを跳ばせたいと、アメリカから佐野のいる男子高である桜咲(おおさか)学園に男と偽って入学したのが堀北真希扮する芦屋瑞稀(あしやみずき)だ。

この時点で相当の無理がある。いくら桜咲学園のほとんどがイケメンだが頭の軽い男子ばかりという設定であっても、女子が混じっていたらわからないなんてありえない!

まあでも、自分が高校生の頃を考えてみよう。九子は女子校だったけど、あの頃クラスに男の子がもし紛れ込んでいたとしたら・・。
あんまりいろんな事考えないで高校生活送ってたから、高1くらいでその子が二次性徴の目立たない小柄な子だったらわかんなかったかも・・・。(^^;;

とにかく桜咲学園は全寮制で、偶然芦屋と佐野は同じ部屋になる。

部屋にはベッドが二つ、机が二つ、そして何よりシャワー室が完備している。

今の日本にシャワー室がついた高校って、いったいどのくらいあるのだろう?

欧米の映画で高校にシャワーがあたりまえみたいにあるのを見て、スポーツで汗を流す高校生にとってシャワーは絶対に必要なものなのに、なんで日本では一般的じゃあないのかなあとずっと不思議だった。そしてシャワーのある高校は、九子の中で夢の高校になった。
日本の生活水準がいくらあがっても、まだまだ欧米の豊かさにはかなわないなと思ってしまう瞬間だ。

桜咲学園は、ある意味夢の高校だ。
全員がイケメン男子であること。それも自分がイケメンで女の子にもてる事を意識したちゃらちゃらした男子が多いこと。おのずとIQの高さは望めないこと。
ちゃらちゃらしてはいるが、嘘のつけないまっすぐな性格の男子が多いこと。
そしてお勉強はいつやるのかと心配になるほど、やたらにイベントの多い学校であること。
そしてそのイベントで一等賞を取ることに、みんながみんな単純にひたむきに命をかけていること。

実は今、日曜日夜9時にAKB48の前田敦子が芦屋瑞稀を演じてリメイク版をやっているが、視聴率では苦戦しているらしい。

2007年度版の魅力は、主役の二人の、とくに小栗旬の魅力が大きいと思う。もちろん脇を固める生田斗真、水嶋ヒロ、城田優、そしてJUNONボーイの溝端淳平など、当時はまだ無名だったかもしれないが演技力のある若手俳優陣の活躍も見逃せない。

小栗旬と言えば、九子の中では下地先生の記憶だ!( ^-^)

「さんまのからくりTV」で有名になったオネエ系の中学校国語教師の下地先生だが、たぶん九子と同年配くらいの独身の下地先生が誰よりお熱をあげているのが小栗旬くんなのだ。

オネエ系というとテレビに出てくる人たちのほとんどが暑苦しいほど陽気なエネルギーにあふれていて、九子としてはツイテイケナイと思ってしまうのだけれど、下地先生はちょっと違う。

彼の年でオネエ系だと、いじめられたり、差別されたり、きっと先生は悲しい経験をたくさんたくさんなさったと思う。その悲しみを糧にして、先生は生徒たちにどこまでも優しい。

下地先生が独身を通しているのも単純に女性に興味がないからかもしれないけれど、もしかしたら先生と同じようなオネエ系の子供が生まれてまたいじめられると可哀想と思っていらっしゃるのかもしれない。

そんな哀しみをどこかに漂わせながら、バラのお風呂でシャワーキャップをしてJUNONを読むのが一番の楽しみという下地先生の姿は想像するだけでなんだか可笑しい。(^^;;

自分に子供が無い代わり、先生が担任したすべてのクラスの子供たちが下地先生の愛しい愛しい大切な子供たちだ。何十年たっても教え子の名字と名前はおろか、字の癖に至るまできっちりと覚えている下地先生に驚愕した人も多かろう。

とにかくそんな下地先生がスタジオで小栗旬くんに会った時は本当に嬉しそうだった。もしかしたら先生の長い生涯で一番の晴の日だったかもしれない。
そしてそんな下地先生の愛情を、気持ち悪がらないで(^^;;まっすぐに受けとめた小栗旬くんは誰よりも男らしく見えた。

男らしい男を演じさせたら、小栗旬はきっとピカ一だと思う。

小栗旬よりイケメン男はごまんといるかもしれないけれど、あの顔、あの背丈、あの声のあの存在感!は何者にも代え難い。(だんだん下地先生みたいになってきた。(^^;;)

力量ある脇役と言えば「大地の子」の印象があまりにも強烈でどうやっても短髪のイメージしかなかった上川隆也が学園の保健室の医師の役で出ていたが、どこやらのホストと見まごうベッカムみたいな髪型と胸のちゃらいペンダントが不思議によく似合った。
軟派だがいざと言う時に必ず瑞稀を助けてくれる頼りになる先生だ。

九子にとっては今でもなんとなく違和感のあるいわゆる「ツンデレ」なんかも、上川隆也は忠実にドラマで再現していてさすがだと思った。

日本のまんが文化が海外で賞賛されているが、ツンデレも海外で理解されているのだろうか?

先日も九子が高校生の頃に見ていた記憶のある美内すずえの「ガラスの仮面」の第37冊目が出たというニュースが流れて、作者は、まだまだ先の話だが最終回がどうなるのかはずっと前から決まっているのだと語っていた。なんとも壮大な話である。

マンガにはとんと縁の無い九子でも美内すずえの消息くらいは知りたいものだと思ってたのだが、いまだ現役で大御所として活躍されてることだけでもびっくりなのに、何十年もひとつのお話を紡ぎつづけるなんて信じられない想像力だ。

ハリーポッターも子持ちで離婚した女性が生活費を稼ぐために書き始めた物語だそうだ。
まずは自分の子供に話す夢のあるお話を考えるところから始めたものだろうが、今や億万長者である。

想像力というのではないが、例のサッカーの長友選手のちょっと目立ちたがり屋の(^^;;お母さんも、離婚して女手一つで長友はじめ三人の子供たちを必死で育てて来たのだという。
世界の長友が頭あがんないのも無理ないよね。

結局は女性は強いという今時の風潮に合致するという訳か・・・・。


「花ざかりの君たちへ」は学園ドラマらしくハッピーエンドで終わる。
それはいいのだが、どうしても気になるのは下地先生のその後である。

最終回のスペシャルで、子供を連れて下地先生の教育相談を受けに来た母親たちが実はかつての下地先生の実際の教え子で、何も言わなかったけれど先生は彼女たちを見た瞬間からもう教え子だと気が付いていて、名字も名前も当時の様子も先生の頭の中に昨日のことのように刻まれている様は、お茶の間に感動を呼び起こしたものだった。

その先生が番組を降りられる理由が、表向きには「新しいお仕事に就くため」で、先生御自身喜んでいらっしゃる風だったが、それって本当に本当だったんだろうか?

一番考えられるのは、地元の教育委員会なんかから横ヤリがはいって辞めさせられたとか。

下地先生みたいな生徒が大好きな素敵な先生は、決して出世コースに乗って教頭、校長と進むような道は望まないと思う。
下地先生は何より生徒と一緒にいたいのだ。教頭になってしまえば、もう生徒と密なつながりは築けない。

下地先生、現在55歳?そろそろ出世コースの話が出てもいい頃だ。
どんな形にせよ「出る杭は打たれる。」のが日本社会だ。
でも下地先生には、圧力に屈しないでいつまでもバラのお風呂でJUNONを読んでて欲しい!( ^-^)


この頃教育の大切さをしみじみと感じる。

竹島問題だって、韓国民はずっと竹島は自分たちの領土だと教育されてきたんだそうだ。だからそう信じて疑わない。
もしかしたら私たちが受けてきた教育の中にも、実は事実と反している事があるのかもしれない。

為政者の意のままに操られてしまう教育。それに対抗するために日教組が出来たのかもしれないが、それがまた同じようにピラミッド型の自由に物の言えない、少数派を排除するような組織になり果ててしまっているのだとしたらゆゆしき問題だ。
 
下地先生が生徒達のことを良く覚えているというのは、先生が生徒達ばかりを見ていたからに他ならない。それも悪意ではなく、万感の愛情を持って・・。

自分が他人にどう映っているかという事の方がついつい私たちには気になってしまうのだけれど、下地先生はそんなことはまったく気にしないでまっすぐに生徒達だけを見つめていたんだと思う。そういう先生を他にも九子は知っている。

自分が他人にどう映っているかに縛られてる間は、世の中がなんにも見えない。その呪縛から離れた時、はじめて相手がわかる。社会がわかる。
九子がそれを身をもって体験したのも、活禅寺で習った坐禅を通してだった。

他人が怖くて何を言われるかとびくびくしながら生きていた九子は、向き合うべき何物にも向き合っていなかった。
相対するべき課題に立ち向かうよりも、どうしたら学校の先生に嫌われなくて済むかとか、友達の顔色とかばかりを気にしていたので、本当の事はなんにも学べなかった。

だから下地先生みたいに子ども達だけをまっすぐに見つめる事の出来る先生を九子は尊敬する。

教育の荒廃が叫ばれる中、日本を立て直す子ども達を育てるために、下地先生!いつまでも現場で御活躍下さい!( ^-^)


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niki

九子さん、お久しぶりですね。
リフレッシュできたようで、何よりです^^


by niki (2011-08-03 00:42) 

浅葱

お元気になられたみたいですね。良かったです。
沢山のniceをありがとうございました。
by 浅葱 (2011-08-03 19:38) 

九子

nikiさん( ^-^)
はい・・・おかげさまで。
こんなに気楽に暮らしていて何がウツかと言われそうですが、とりあえず自分を甘やかして暮らしています。(^^;;
それにしてもnikiさんのブログは格調高いですねえ。ほとんど毎日アップされているそのエネルギーだけでも敬服しています。
これからもいろいろ教えてくださいね。m(_ _)m
by 九子 (2011-08-03 23:04) 

九子

浅葱さん( ^-^)
ご訪問ありがとうございます。

すっかりご無沙汰してる間に皆さんのブログに新しいのがどんどん追加されていたので、いつものようにまとめて読ませていただいています。

浅葱さんのはなんというかとても素敵な味があって、たくさんnice!をつけてしまいました。( ^-^)

私のウツはいつもの事と思って心配しないで下さいね。これからもよろしく!
by 九子 (2011-08-03 23:15) 

ダイナ

九子さん、お久しぶりで!
お元気になられてよかったです。
私のブログもたくさん読んでもらえて
感謝しています。

心が折れた?って記事は、もうひとつ
心が折れる?って記事もあります(笑)
もし読んでいなければ、ぜひ!

Imagine http://dainaya2.blog.so-net.ne.jp/2011-06-01

by ダイナ (2011-08-07 09:56) 

九子

ダイナさん、コメントありがとう!( ^-^)
そういえば私、nice!もつけてあったのよね。
今から書き込みに行くね。
by 九子 (2011-08-07 23:26) 

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