年賀状2013・・・・・我が家の家訓 [<薬のこと、ダメ薬剤師のこと、家のこと>]
謹賀新年
平成二十四年は我が家にとって晴れの年でした。
長男Rが5月にとても素敵なお嬢さんと結婚しました。
でも胸の痛むような悲しいこともありました。
雲切目薬は例によって地元のマスコミばかりではなく、雑誌「健康」10月号や、井形慶子氏著イギリス流と日本流 こだわり工房からの贈り物」に取り上げられました。
井形氏が書いて下さったように、雲切目薬は女たちが作り、女たちが守った一子相伝の目薬でした。
改めて母恭子や祖母すゑの尽力が偲ばれます。
何しろ「女たち」が主役の我が家ですので、いつも歯科医院の話題が少なくて恐縮ですが、Rもだいぶ慣れて、中にはM氏よりも上手な分野もあるようです。
本年も皆様にとって、心配事の少ない単純なことでふっと笑える一年になりますように。
平成二十五年 元旦
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三連チャンで我が家の事を立て続けに書くのも気がひけるのだが、雲切目薬の話の続きに、例によって年賀状とタイアップさせてお披露目してみようと思う。
我が家には家訓がある。
と言っても書いたものが残っているわけではない。
家長として十兵衛を引き継いだ祖父から父へは、きっとしっかりと伝わったに違いないのだが 、九子の場合は、父が何かの折りにふれてひとつづつ格言めいた講釈をたれながら、最後に「これはうちの家訓だからよく覚えておくんだぞ!」と言っていたのを、またか!と思って右から左へ聞き流していたもんだから、今になってからもっとしっかりと聞いていたらよかったと忸怩(じくじ)たる思いである。
それでも必死に頭をひねった挙句、思い出したのが次の四つだ。
とりあえずこれは、皆様にお見せするためというよりも、何も教えられていない我が家の5人の子供たちに言い含めるという意味で書いておこうと思う。
1.我が家の財産は「信用」である。
2.いつでも最悪のことを考えて行動せよ。
3.保証人には絶対になるな!
4.細く長く。
順番は九子が勝手につけた。
こうやって書き並べてみるとなんだか変てこである。きっと他にもっと大事な項目があったに違いない。
最初にあげた我が家の「財産は信用」というのは、一番何度も言われた気がする。
「うちはお金は無いけれど、笠原だと言うだけで人が信用してくれる。それが一番大きな我が家の財産だ。」
なんだかお金が無い言い訳みたいだが(^^;;、祖父からも父からも事あるたびに言われ続けた。
これはたぶん雲切目薬屋だったという側面よりも、祖父も父も市会議員であったという理由の方が大きい気がする。
選挙という洗礼があるから、人に嫌われないようにするというのが第一で、とにかく敵を作らないようにということが重んじられた。
いつでもどこへ行ってもたてまつられて威張っていた印象の父だったけれど、亡くなる少し前にこんな事を言ったのが印象深い。
「俺は一度でいいから本当に自分の言いたいことを言いたかったよ。 人様の顔色なんかうかがわないでさあ。」
その父に、おまえは人に気を遣いすぎると言われ続けた九子だったが、それは人に気を遣っていたんじゃなくて、単に人が怖かっただけだと、活禅寺で坐禅に出会ってはじめてわかった。
2番目の「常に最悪のことを考えて行動せよ」は、なかなか遵守出来ない家訓のようだ
3番目 の「保証人になるな」にも通ずるのだが、話は16代十兵衛さん、つまりは九子のおじいちゃんにさかのぼる。
おじいちゃんは様々な頼まれ事をしたが、中に近所で当時羽振りのよかった実業家から6000円の事業の連帯保証人を仰せつかり、事業が失敗してその人は満州に夜逃げしてしまい、4000円ほどの残金を返すため、毎月100円というお金を何年にもわたっって払い続けたという事だった。
100円というのは、今のお金で100万円くらいの価値があったそうだ。
当時市会議員は無給だったから、100円は当然雲切目薬の売り上げでまかなう。
一ヶ月で100万円だなんて、九子じゃどう逆立ちしても及ばない途方もない金額だ。
たぶんその一件でほとほと懲りた16代目が家訓に加えたものと思われるが、実は父17代もおぼっちゃん育ちのお人好しで、何度も社長に祭り上げられてはうまく行かなくなり、出来すぎ母に叱られながら尻拭いを続けていたらしい。
そう言えば父が関わった事業はほとんど失敗していた(^^;;
そもそも父には商才というものがなかったんである。
父と母は選挙対策もあってたくさんの頼まれ仲人をしていたが、ある時そういう子分の人の一人がビルを建てるから保証人になって欲しいと言ってきた。
父はすぐにもハンコを押そうとしたが、それを阻止したのは出来すぎ母だった。
母は日頃、家訓にのっとった生活をしていたとはとても思えなかった(^^;;。
稀代のバクチ好きなので、一か八かの勝負が大好き。
とてもじゃないが最悪の事を考えていたなんて思えなかったし、どちらかというと細く長くよりもむしろ太く短くを旨とする人生だった。
その母が、保証人になろうとした父を、家訓を忘れたのかとなじった。
なんでこんな時だけ?・・・って話だが、母は母なりに我が家の行く末を考えていてくれたんだろう。(それとも単純にお金が惜しかった?(^^;;)
結局そこのビルは何事もなく建ち、現在でも存続していて、父が保証人に納まっていようともなんともなかっったという訳だ。
最後の家訓は、九子にとって誠に有り難い家訓である。
父まで17代の当主 のなかに、野望をもって家を大きくしようとか、東京に出て一旗あげようとかいう人間がいなかったからこそ、雲切目薬は今日まで残り得た。
たぶん一人でも遣り手の十兵衛さんがいて全国区なんかをめざしていたならば、ちょっと大きくなったところで、さらに大きな会社に乗っ取られてしまうというのは、今でもよく聞く話である。
十兵衛さんは代々小粒であったらしい。(^^;;
九子が薬局を継いでから、活禅寺で知り合った経営コンサルタントさんに「笠原十兵衛薬局は商売の体をなしていない。」と、かつて言われた(^^;;
なんと言われようと、鬱の時でもお昼寝しながら、細~く長~く雲切目薬を 売っていれば良い今の笠原十兵衛薬局の現状に、九子は大変満足しています。( ^-^)
今年もよろしくお願いします。
新年おめでとうございます。
本年もどうぞ宜しくお願いいたします。m(_ _)m
by 扶侶夢 (2013-01-03 13:09)
扶侶夢さん こちらこそよろしくお願いします 素敵な文章を読ませて頂くのをt楽しみにしています (^-^)
by 九子 (2013-01-03 17:28)
昨年は大変お世話になりました。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
九子さんのお宅では、昨年は素晴らしい晴れの年であった由。
本年もきっと輝かしい年をお迎えのことと存じます。
ますますのご発展をご祈念申し上げます。
by 伊閣蝶 (2013-01-03 18:26)
伊閣蝶さん、明けましておめでとうございます。
こちらこそ、今年もよろしくお願い申しあげます。
そうですね。プラスマイナスで言ったら、まあそうなると思います。
伊閣蝶さんも、単身赴任の御生活を立派にやり遂げられて、本当に素晴らしい方だなと敬服しております。
いろいろな発見のある伊閣蝶さんのブログを楽しみにしています。( ^-^)
同じ長野県生まれですから、いつか是非善光寺まで足をお運び頂き、薬局にご来店頂けますことを願っています。
by 九子 (2013-01-04 17:04)
あけましておめでとうございます。
ご長男様のご結婚おめでとうございます。
お孫さんの顔が見られる日もそのうちですね。
むむむ、羨ましい限りです。
今年は私も、無理せず慌てずのんびりと過ごす予定です。
どうかよろしくお願いいたします!
by 浅葱 (2013-01-05 00:49)
あけましておめでとうございます。
本年も相変わらず、よろしくお願いいたします。
by いっぷく (2013-01-05 05:21)
あけましておめでとうございやす。
今年もよろしくお願いしやすでやす(◎o◎)
by ぼんぼちぼちぼち (2013-01-06 11:55)
あけましておめでとうございます。
長男さんご結婚されたんですね。おめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
by ようこ(よぽぽ) (2013-01-06 12:34)
浅葱さん、こんにちわ。
お返事遅れてすみません。
久しぶりに家族で温泉に行ってました。
浅葱さんとこみたいに、頻繁に行けると良いのですが・・。
孫はなるべく後がいいのですが、こればっかりはねえ。(^^;;
無理せず慌てずのんびりと・・は私の座右の銘です。( ^-^)
こちらこそよろしくお願いしますね。
by 九子 (2013-01-06 15:35)
いっぷくさん、こんにちわ。( ^-^)
こちらこそよろしくお願いします。
そちらにもお書きしましたが、奥様とお子様、元気になられて本当に良かったですね。そんな深刻な状態だったなんて、きっと誰もわからないんじゃないかしら?
私もそうですが、いっぷくさんもとても運の良い方だと思いますよ。( ^-^)
by 九子 (2013-01-06 15:38)
ぼんぼちさん、こんにちわ。
こちらこそよろしくお願い申し上げます。
確かいっぷくさんとこで読みましたが、さんまさんが暗い青春時代を過ごされた・・と言う話、びっくりしました。
ぼんぼちさんも本当にご苦労されて、ひどい目に合われて、それでもこうしていろいろ考えられながら真摯に生きていらっしゃる姿は、本当に凄いと思います。悪い道に走ったり、人生を投げてしまう人だって多いと思うのに・・。
これからも才能に恵まれたぼんぼちさんの俳句や歌、文章を楽しみに読ませて頂きますね。( ^-^)
by 九子 (2013-01-06 15:44)
よぽぽさん、こんにちわ。
そうなの。でも長男は歯医者は継いでも十兵衛は継がないって宣言してるので、本人たちの望みどおり親、兄弟しか呼ばないジミ婚でした。
よぽぽさんは相変わらずいろいろなことに挑戦されて凄いですねえ!
お互い子育てもあと少し。(もちろん成人は過ぎたけど、とりあえず学生の間は)
もう少しだけ頑張りましょう。( ^-^)
今年もよろしく!
by 九子 (2013-01-06 15:50)