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ぶっこみジャパニーズ [<九子の万華鏡>]

このところニッポン礼賛番組が花盛りで、見るとなんだか逆に情けなくなって消してしまうのだが、この番組はついつい最後まで見てしまった。

寿司職人、剣道の達人、歌舞伎女形が海外で誤って伝えられてる日本文化の本筋を教えに行く。
歌舞伎女形なんて特に凄い!達人があの坂東玉三郎を髣髴とさせる市川春猿改め河合雪の丞だなんて・・・。
それこそプロ中のプロだ!

最初はロシアのお寿司屋さん。出来上がった寿司をてんぷらよろしく揚げてしまったり、サワークリームソースやチーズソースでアレンジしたなんともとんでも寿司を作っている。

その寿司屋に、寿司の達人が2日間修行に行く。達人だとは微塵も匂わさず、若い職人の言うとおりに得体の知れないやり方を教わったとおりに真似をする。

二番目はモロッコの剣道道場。剣道と一緒に空手やキックボクシング?みたいなものも教えているらしい。
初めて知ったが、剣道の試合では技が入った時に「面」とか「胴」とか決まった部位を大声で叫ばないと点数にならないらしい。

その道場では、胴を打ちながら「メ~ン」と言っていた。胴も小手も無し。「メン」しか知らないのだろう。
川の中に入って何かを唱える修行も、きっと日本の達人にはばかばかしいはずだが、達人は一生懸命やっていた。

三番目はノルウエーの、はっきり言えば歌舞伎パブ。よくも市川春猿ともあろう人があんなところへ行ったなあ思う。
ニューハーフみたいな男たちがしきりに扇をくゆらせて踊る。
あんまり修行らしきものもなかったせいか、リーダーの男性がエステで美顔術を施されるところなどが大写しで映し出された。

どこの場合でも、修行に入ったはずの三人の見習い、実は達人が、急に二日間で日本に帰ると言い出す。

そして別れた後、三日目には、本場日本からそれぞれの技の凄い達人が来るのだという広告が周知徹底されていて、店や道場関係者はもちろん、たくさんの人々が方々から詰め掛けて来る。

もちろん主役はあの達人たちだ。

さて、どんなことになるのだろう?

九子が思ったのはこうだ。彼らはいくら自己流とはいえ、大きな店や道場を構え、曲がりなりにもプロとして、お金を取ったり教えたりする立場にあるのだから、日本から本物が行ってそれを誇らしげに見せ付けたら彼らのプライドはずたずたに傷つけられるに違いない。

そうなった時、彼らはどうするのだろう?
怒り出す人が続出したら、どうなのだろう、テレビ的には?

ところが、あら、不思議!!
三組どこをとっても、素直に自分たちの非を詫びて、「日本の技術は素晴らしい。これからこの通りにしていくよ。」と号泣せんばかりの喜びようなのだ!

自分たちが間違っていた事を素直に認めてプロの技を評価する姿勢が本当にすがすがしい。九子は「なんていい人たちなの!」とその真摯な態度や謙虚さにいたく感激した。


「羞恥心」やら「恥」の文化とは、日本人を表す象徴のようになっている。
こういう時に「恥をかかされた」と思うのは、もしかしたら日本人だけ、あるいは日本人がとりわけ強いのかもしれない。

欧州の人々は今までの自分たちのやり方にそれなりの自信があったのだろう。だから「恥」とは決して思わず、自分たちのやり方で最善を尽くしていたと素直に思えるから、本物を受け入れる強さがあるのかもしれない。


日本人が言う「恥」とはなんなのだろう?
誰に対して恥ずべしと思うのだろう。
師あるいは、自分の行くべき「道」に対して、まだまだ未熟で恥ずかしいと思うのならよい。
ところが、こんな失敗をして他人にどう見られるか、
人様になんと言われるか、無様だ、情けない。
そんな人が大多数なのではないだろうか?

世界の中で長い間活躍していらっしゃる指揮者のmu-ranさんこと村中大祐氏がいつか、言い方は少し違っているかもしれないが「日本人には他人が常に介在している。」というようなことを書いておられた。いや、「他人が入り込みすぎる。」だったかな?

とにかく日本の中で生活しっぱなしの我々には、なかなか言えない言葉だろう。まさに言い得て妙だ。
この国で育ち、この国で生きている私たちが、他人の目を全く無視することは難しい。
だけどそれに振り回されず、自分の思い通りに生きていくことが特にこれからの時代大切なんじゃないかな?


市川春猿改め河合雪之丞、本当にきれいだった!
背骨をくぼませると肩が小さく見え、 男性より小柄に見える
なで肩に見せるようにあごを引いて首をもたげる。
女性よりも女性らしい艶姿だ。

一瞬で着物を着替える早着替えの技も見せてくれたが、それには二枚の着物を合わせているとじ糸を一瞬にして断ち切る裏方さんの存在が不可欠だそうだ。

彼らは、主役に影のように寄りそう他人だ。
己の存在を抹消して、自己主張は決してしない。
自分を100%殺し切ってる人たちだ。


自分と他人。日本人として生きる以上、どうやっても折り合いをつけなければならない二つの存在。
これからの時代、以前よりは自分中心に舵を切り、かと言って、周りへの配慮も怠らず・・・。


あ~あ、どうやってもニッポン人から抜け出せない九子である。

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コメント 4

chibacandy

市川春猿改めて河合雪之丞のノルウェー編をみたかったです。歌舞伎パブですか?雪之丞さんの顔想像できちゃうな、、、
歌舞伎から新派に移られ、ますます遠のいてしまいました。(まだ新派の良さがわからないんです)
九子さんのおっしゃりたいことをもっと知りたいので再放送があれば是非見てみたいです。

日曜日、息子が薬局に伺いますので、よろしくお願いいたします。
by chibacandy (2017-04-28 17:19) 

九子

chibacandyさん、コメント有難うございます。

はい。春猿さん、美しゅうございましたよ。(^-^)
私は演劇も歌舞伎も詳しくないし、全くの門外漢でしたが、魅力的な役者さんというのは一目でわかりました。そうか。もしも彼がまだ歌舞伎役者だったら、とてもじゃないけどあんなとこ(^^;;へ、いけなかったかもですね。

息子さん、お待ちしております。<(_ _)>
by 九子 (2017-04-28 22:50) 

mu-ran

そんなこと言ったんだ。^_^
日本語が比較の対象を求める言語だからですね。自分を下げるか、誰かを上げる。そこにevenな関係性がないから。他者が介在する場合は、必ず上下関係が言葉の中に入ってきて、無理やり意識させられます。そう言うこと。
by mu-ran (2017-05-07 08:15) 

九子

はいはい、おっしゃいましたです。(^-^)
ただ、コメント頂いて、私の受け取ったこととmu-ranさんがおっしゃりたかったことがずれていたことに気がつきました。

mu-ranさんは言葉に上下関係があるから、上下関係をいつも意識させられるとおっしゃりたかった訳ですね。

私が受け取ったのは、「自分の中で常に他人の目を意識してしまう。」ということでした。まあ、自分がそんな人間だからそう受け取ってしまいました。

見栄やら、恥やら、結局人目ですものね。

人生も最終ラウンドに入って、なるべく後悔したくないので、人目を気にせず、知りたいことはその場で聞き、言いたい事も言うようにしようと思いながら、達成度は5割ほどでしょうか・・。

mu-ranさんは出来ないと言わない、チャンスを逃さない、日本人としては稀に見る強気な性格でおいでですから、ヨーロッパでも成功されたんですね。(^-^)

あっ、そうそう、お願いなのですが、mu-ranさんのブログにも「検索窓」をつけていただけないでしょうか?

私のところにも左欄の真ん中くらいにあって、たとえばここに「雲切目薬」と書けば、「雲切目薬」という文字が含まれるブログが一覧表示で全部出て来ます。

mu-ranさんのブログの情報量がすごいので、たとえば「モーツアルト」と書けば「モーツアルト」が含まれるブログが出て来たら嬉しいし、今回みたいに引用させて頂くときにも便利だと思うのですが・・・。

もちろんお暇な時(そんな時無いか?(^^;;)で結構ですが、ご考慮下さいませ。
<(_ _)>
by 九子 (2017-05-07 21:21) 

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