人前でエラソーなこと言うのは難しい! [<九子の万華鏡>]
九子は日頃威勢のいいこと書いてるし、なんたって市会議員の娘で演説するのも平気だし、その上30年以上も坐禅をやっているんだから、人前でおどおどすることはないだろうと、みなさま思っていらっしゃるかもしれない。
残念ながら誤解である。
おどおどはしないと思う。だけどドキドキはするのだ!
そもそも坐禅を30年ということからして怪しい。みんなと同じに30年なら、少しは度胸も根性もついている。
ところがこちとら、夏安居の修行をたった1回しかしていない。法者の位を取っている同期は、みんな10回以上修行をしているというのに・・・。
その上、やれウツが来た、やれ風邪を引いたで休んでた頃はまだいいとして、この頃では参禅するのが月に一、二回という体たらくだ。
これでは度胸も、根性も付きようがない!
先日、来年の6月で閉店になるという某スーパーのレジに並んでいたらこんなことがあった。
たまたま九子の前に並んでた人が、今はやりのスマホ決済をしたいと申し出たのだ。
paypay. 九子の店でも一応導入したから少しはわかると思って聞いていた。
そうしたら、途中でどうしても先にいけなくなって、もう一度支払ボタンを押したため二重払いになってしまう。どうしよう!とその人はレジの人に泣きついた。
さあ、レジの人だって困る!何しろ九子より少し上くらいの年のパートらしい人だ。そもそもpaypayに詳しい人は、どこにいるのだろう?
にっちもさっちも行かず、レジの人はレジを離れて電話をかけ出した。詳しいと思われる人にかけていたものと思われる。またその電話が長かった!
レジがストップしてから15分は経っていた。
良く九子が黙って待っていたと思われるだろう。まあ、暇だったんである(^^;;
その時、スマホ決済客の連れが「この列で待っていても無駄だから、別の列に移ったらどうですか?」とのたまった。
この言葉が九子に火をつけた!15分も待ったのに、他の列に移れですって?
冗談じゃない!
九子は溜まりに溜まっていた気持ちを吐き出した。
「この件は、サービスカウンターにいらっしゃったらいかがですか?
それに、電話したりとか、レジの方がなさる仕事ではないですよね!」
九子の言葉と共に、レジは動き出した。
結果的には言ってよかった言葉、もっと早く言うべき言葉だったのだ。
ここで問題にしたいのは九子の心の中である。
本当はそうじゃないのに、みんなに見られてる気がする。
「あの人の言う通りだわ。」とみんなに思われてる気がする。
そして「いいこと言った!」と有頂天な自分がいる。
その挙句、妙に心臓がドキドキする。
平常心でいられなくなる。
いつもにも増して、自分が今何をしているのかわかんなくなって、ポリ袋に品物をむやみに詰め込んでいる。
たぶん日本人じゃない人は、こういう場面を人生のうちで割と何回も経験しているんだろうな。
他人の目を気にせずに自分の主張が出来るから、彼らはいつ、何を言っても平気なんだろうな。
毎日毎晩言い続けているうちに、ドキドキもおどおどもしなくなるんだろうな。
言いたいことを我慢して、他人に気を遣って、極力目立たなくしていようとしているうちに、弊害がでているな、日本人!
もちろんそれが美しいこともある。もしかしたら違う文明を持った人には美徳と思われているかもしれない。
だけどやっぱり変えなきゃいけない。
おかしいよ。正しいことを言ったり、正しいことをするのに勇気が要るなんて!
えっ?変えなきゃいけないのは九子の自意識過剰だけだって?
う~ん、そう言われてしまうと身も蓋もありませんが・・。(^^;;
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