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さだまさしと中島みゆきと [<九子の読書ドラマ映画音楽日記>]

親戚にアフリカ大好き夫婦がいる。もう4回もJALやANAで行っていて、今まではサファリのでこぼこ道をジープで何時間も移動するような旅ばかりだったから、こんどは喜望峰とかビクトリア湖とかきれいなところを回ってみたいそうだ。


そして声高に言う。

「アフリカは本当にいいわよ~。人生観変わるから・・。絶対一度は行ってみるべし!」


言われるとなんだか行ってみたい気になるけど、何しろ我が家の懐具合ではLow cost carrier (LCC)がせいぜいで、ドイツやオーストラリアで散財しちゃっているからまあしばらくは無理だわねえ・・。(^^;;


っていう訳で、九子の中の映像のアフリカ!百万羽のフラメンコが空を暗くして飛び立つイメージの根源になっているあの歌・・を久しぶりに聴いてみた。

さだまさし  風に立つライオン


 

この曲聴くの何年ぶりだろう?

歌や文章、つまり言葉のあるものは、年を経てから再読する楽しみがある。

単純に忘れていたことばかりではなく、「こんなことが書いてあったんだ!」と新しく発見する楽しみがある。


以前しっかり聴いたのは何年どころか何十年も前だった。

その当時は最後に単独で現れる副主題歌がアメージンググレースという有名な讃美歌であることも知らずに聴いていた。


アメージンググレース(Amazing Grace)に代表される神がかった優しさは、日本を、都会を捨て、恋人と離れてまでアフリカの無医村での診療を選ぶ医者である彼の魂のことか、きれいな瞳を持つ彼の患者たちのことなのか、それとも千鳥ヶ淵の桜並木を彼と一緒に歩いた「君」のことなのか・・・。


実は彼女からの手紙は、彼と別れて3年、別の人と結婚することを告げる手紙だったことがわかる。

彼女が恨んでいないと知って本当に良かったと言い、だけど感動的なアフリカの風景を見るたびに、君と一緒に見ることが出来たなら・・と思いを吐露し、最後はきっぱりと「おめでとう!さよなら。」と結ぶ


こういう時の「さよなら」は哀しいね。「おめでとう!有難う。」にして欲しかったよね、女性にとっては・・。だって女はいつも男を引き留めておきたいじゃん!(^^;;



久しぶりに聴くさだまさしは、「さすが!」と思わせた。


ところで彼はある人の才能に嫉妬しているのだという。この頃ネットでも話題になってるからみなさんご存知と思うけど、中島みゆきさんだ。


確かに彼女は今でも現役でヒットを飛ばし続けているし、女心の複雑さを歌わせたら彼女の右に出るものはない。


知らなかったが二人は同じ年なのだそうだ。私生活でも仲良くされているらしいので、さだまさしが本気で言ったのかどうかは定かではない。

そういう気もする。いや、シャレだろうという気もする。


彼らの描く世界は質が違う。


さだの歌は長い。最初はとぼけた調子で始まって、最後の頃は皆泣かされる。

長いのは、彼が人生丸ごとを題材にしているからだ。


たとえば「親父の一番長い日」は、あんまり器量よしではない妹が生まれてからお嫁に行くまで。だから妹の歌かと思いきや、実は父親への鎮魂歌なのだ。


さだは父が営む大きな会社の息子として生まれたが、ある日会社が倒産して貧乏になった。

その父がいかに娘を可愛がり、愛情深く育てたか。それがあの独特の調子で語られると、ついつい涙腺が緩む。


「風に立つライオン」に歌い込まれているのは、壮大なアフリカの風景のほかに、3年という現地での年月だ。小さな村にも来るサンタクロースの逸話なんか秀逸だ。

わずかな歌詞の中にこういうからくりを盛り込むというのは並大抵のことではない。

さだまさし、恐るべし!と言いたい。


さだまさしは嫉妬を感じる対象として中島みゆきの「時代」と「悪女」を取り上げているらしい。


「時代」と「悪女」かあ! まあ九子でも知ってる中島みゆきの初期のヒット曲だね。


確かに「時代」は新しかった。ただ「あの頃この頃」という言い方に馴染んでいた九子には

時代という言い方は、それこそ時代がかって大げさすぎるような気がしていた。


だから九子には同じLPレコード(古い!)にあった「あぶな坂」や「アザミ嬢のララバイ」やの方が凄いと思った。

((本当は「あぶな坂」を載せたかったが、本人歌唱が見当たらなかった。)


演歌というものが今でもあまり好きではない九子は、もしかしたらこの歌で、知らないうちに中島みゆき流斬新な演歌を聴かされていたのかもしれなかった。


「悪女」は押しも押されもしない名曲だと思う。愛しい人を彼の大好きな女性に渡すために悪女を演じる哀しい詞だ。


凄いことは間違いないけど、映像にしたらせいぜいが30分番組だ。

ところがさだまさしの方は、大河ドラマにだってなってしまうような内容だ。


今の時代これを言ったら「男尊女卑!」と言われるだろうが、やっぱり男女の持つエネルギーの違いのようなものを感じてしまう。


さだまさしと中島みゆき。二人とも凄いのは、こんなに素晴らしい歌詞が書けるうえに、作曲までして歌まで歌ってしまうところだ。せめて詞の方だけでも彼らくらいに書ける才能が欲しい!


ところでアフリカに渡った青年医師と彼女はどんな関係?

九子が思うに、彼女は教授の娘なんかで、青年医師の優秀さを認めた教授が娘と結婚させようとして付き合い始めた。娘さんはきっと世間知らずだが気持ちの優しいお嬢さんで、彼と話がよく合った。彼女はもしかしたらアフリカへ渡ってもいいと思ったかもしれないが、教授が大反対して別れさせた。


そして3年たって、彼女は新しいお相手と結婚する。もちろん彼も医師に違いない。

アフリカの彼に少しだけ未練を残しながら・・・。


な~んちゃって!!

そんなありがちなストーリーしか思い浮かばないようじゃ、あなたに歌詞など書けませんわ。(^^;;


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