SSブログ

個人懇談事件

九子がまだ自信を持って、ヤンママを自覚していた頃のことだ。
長男Rの初めての幼稚園個人懇談というのがあった。

考えてみると、最後に自分が個人懇談なるものを受けたのは九子が高校生の頃、つまり十数年は昔のことであった。だからまあ、仕方がないのではないか・・・・と今九子は思っているのだが・・・・。

さあ、先生がいらっしゃる。九子は珍しく客間に掃除機をかけた。店に通じる土間も帚で掃いた。
お茶は出してはいけないそうだから、お土産にドリンクでも差し上げたらよいか。

九子にしては珍しく、早めに用意が済んだ。何しろRはその頃九子の心配の種だった。時間はわずかである。少しでも要領良くお話して、どうしたら良いか先生のお知恵を借りなければ・・・・。

あとは先生が見えるのを待つばかり・・・・。

ところがである。 時間を5分過ぎ10分過ぎても誰も来ない。遅れているのかな?

15分過ぎた頃、電話が鳴った。先生からだった。「あの、お待ちしているのですが、どうされましたか?」

「えっ!!!先生が見えるのではないのでしょうか?}

「あっ」と絶句して、それでもS先生はこうおっしゃった。

「お母さん、申し訳ありませんでしたねえ。説明が足りずにごめんなさい。個人懇談というのは、お母様方に園へ来ていただいてお子様についてご相談させて頂くんです。良かったらすぐおいでいただけないでしょうか・・・。」
若いのにこれだけのことを言えるS先生は見上げたものである。( ^-^)

九子の灰色の脳細胞が瞬時に答えを弾きだした。「そうか!家庭訪問と間違えたんだ。」(灰色の脳細胞が聞いて呆れる。(^^;)

わが愛車(なんて代物?)を駆使して、園に向かった。

昇降口で、親しいお母さんに会った。彼女は私と対象的な理想の主婦あんど理想の母その上理想の妻タイプの人である。

ここで重要な話しをする。A+B+Cの法則である。

今テレビの番組で、なぜだかAとBとCと言えば良いところをAあんどBあんどCなどと言っているが、あれは本来間違いである。こういう場合英語では必ず、A,B,and Cと言う。このやり方なら数がいくつに増え様が、とにかく並べるだけ並べてコンマでくくっておいて、andは最後に一回言えばよい。

つまりこの場合、正しい言い方では理想の主婦、理想の母、and理想の妻の彼女なのである。
(話しが余計ややこしくなったような・・・(^^;)

あの、その、つまりその彼女に、よせば良いのに、今日の顛末を何気なく話してしまう九子・・・・。

何度も言う通り、九子は正直の権化なのである・・・。


数年前、十数年振りで彼女と会った。
彼女のご主人は長野一大きな銀行の銀行マンだから、県内を転々としていて、なかなかお会いする機会はなかったのだが・・・・。

開口一番、彼女はおぞましくもこう言った。
「九子さんの、例の個人懇談の話・・・・。うちじゃ長いこと語り草だったわ・・・。」

つくづく、口は災いのもとである。(^^;
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

たかが一円、されど一円とむらい ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。