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生活感・・・同窓会~ラブ・アゲイン症候群 [<九子の読書ドラマ映画音楽日記>]

マクドナルドが夢を売っていた時代は、一体いつまでだったんだろう。
夕暮れのスーパーの片隅にあるマクドナルドは、夢ではなくてまごうかたなき生活の匂いがした。

子供連れの家族の誰もが一日着終わったおとうさんのTシャツみたいにくたびれていたし、おばあちゃんに至っては、自分が生まれた時代にはこの世に存在する事さえ知らなかった「ハンバーガー」なる食べ物で一日の最後の食事をしめくくらねばならない事を、そしてそれに関して自分が表立って不平不満を言える立場でもないって事にも、随分長いこと諦め切っている顔つきだった。


「あの人はねえ、生活感の全く無い人なのよ。」
九子の数少ない親友のカモさんから、彼女のパートナーの話が出たのは九子がまだ薬大生の頃だった。

カモさんはそれはそれは優秀な人で、もともと医者を目指していた。
それが運悪くM薬科大学などに来てしまったせいでまったくやる気が出なかったのだろうと思う。出席日数が足りずに留年組となって、九子の学年に降りてきた。

友達も出来ずにいつもひとりぽっちだった九子とカモさんは実習班が同じになった事も手伝って、なぜか仲良くなった。九子にとって面倒見のいいカモさんはお姉さんみたいで一緒に居て居心地が良かったし、カモさんは九子のやる事なす事を面白がって笑ってくれた。 カモさんと出会わなかったら九子の学生生活は悲惨なものになっていたと思う。

カモさんと九子のコンビは、「なんであの二人が一緒にいるんだ?」とクラスでも不思議がられていたらしい。

そのカモさんのうちに初めて泊めてもらう事になった時、パートナーのUちゃんさんは確かにカモさんの言うとおり生活の匂いのしない人だった。

カモさん好みのイケメンで、昔はトラックドライバーもしていたという、まあ「脱げば凄いんです。」系の人だったと思われるが、もちろん九子はそんな事は知らない。(^^;;

彼の当時の職業はカメラマンだったと思うし、きっとカメラマンとして働いていた時間はかなり長かったと思う。
さだまさしの映画「長江」にも関わっていた。
そして、童話も書いていた。

物凄く笑顔が綺麗で、人に気を遣う、嘘のつけない優しい人だった。そして言葉遣いも美しかった。
きっと女性にもかなりもてたんじゃないかな?(^^;;

だけど、確かに生活感というのが無かった。
もちろん綺麗好きなカモさんが洗濯物なんかはすぐに始末して部屋を小奇麗にしていたから・・っていうのは理由の一つだったと思うけれど・・。

当時カモさんはまだ学生だったから、Uちゃんさんが確かに稼ぎ手だったはずだ。
それでもなんだか霞でも食べて生きているみたいな不思議な感じのする人だった。

生活感が無いというのは、いいにせよ悪いにせよ、所帯じみてないという事・・かな?

カモさんはその後めきめきと才能を伸ばして、今じゃ近隣のお医者さんにも一目置かれる薬局店主だ。漢方薬なんかを選ぶ時は、医者になりたかった彼女らしい知識の集積と説得力と多少の強引さ(^^;;の三段重ねで、何万円払ってでも彼女に薬を選んで欲しいというお客さんが引きもきらない。
お医者さんの奥様方も、ご主人に言われて彼女のいいお得意さんになるのだそうだ。

そんなカモさんと一緒にいれば、とりあえず遊んでいても暮らして行ける。
生活感が無いというのは、そんなところからも来るのかもしれない。(あっ、Uちゃんさん、ごめん。(^^;;)

ところで生活感とはなんぞや?ネットの辞書にはあまりそれらしいのが載っていなくて、ヤフー知恵袋でこんな答えが載っていた。まあ、みんな感じる事は一緒という事か。



「同窓会~ラブアゲイン症候群」がそろそろ終る。
九子は3回目くらいをうっかり見てしまったら、案の定嵌ってしまった。(^^;;

この中で、三上博史演じるところの大久保真一という雑誌記者がまた、生活感の無い事この上ない。
彼は離婚して子供も無い。恋人はいるようだが、一緒に住んではいないようだ。

スクープを書くために友達のプライベートさえも犠牲にする、最初はなんて嫌なヤツだと思った。

ところが彼に脳腫瘍という不治の病があり、それももうあと何ヶ月かしか生きられない事が解る。
若くして死すべき運命を与えられた人間というのは、途端にカッコよく見えてくるものだ。

この人の顔立ちや体型を見ていて、ある日突然Gacktに似てる!」と思い始めた。
絵に描いたような美男子の顔ではないが、どこを見ているのか判らない、それでいて相手の心の中を射抜くような目が魅惑的。贅肉が付いた身体はとことん許せなくて、鋼のような肉体になるまでジムで汗する禁欲家。
そんなイメージがつきまとう役者さんである。

大久保の部屋は、大人の男の香りがする。無駄な物、雑多な物がまったくなくて、すべては男の趣味ですっきりとまとめられている。もちろん一つ一つが高価であるらしい。

この部屋に、斉藤由貴演じるかつての同級生の陽子が、夫の愛人が生んだ娘を連れて転がり込んでくる。
不思議な事に、生活感の無い部屋に来た血のつながりの無い親子の二人もしっかりとこの部屋に馴染んで、生活感など微塵も感じさせない。

考えてみれば陽子の夫は会社が傾くまで新進気鋭の若手実業家で、陽子は長い間お金に不自由しないセレブ夫人であった。そしてなさぬ仲であるはずの子供とのあっさりした関係。

陽子はまったく大久保の病気の事など知らなかったのだが、ある日部屋の掃除をしていて脳外科から出された薬を発見する。そして本棚に、「最後の日々」とか「余生」とかいうタイトルのたくさんの本を見つける。

この辺りの彼女の鋭敏さは凄い!
彼女は出てくるどの登場人物よりも頭がいい女性だと思う。そしてなかなか言えないことを思いっきりよくズバッと口にする。 だけど肝心のところでは、いろんな想いを呑み込んで強がりに変える切ない女性でもある。


大久保は死んじゃうのかな?
本来の主人公の黒木瞳扮する朋美と高橋克典扮する杉山の恋の行方はどうなるのかな?
最終回が楽しみだ。( ^-^)


「生活感」というのを、我が家随一の大辞典である「日本語大辞典」で調べてみる。
「その人の実生活を感じさせるようす。着実に、たくましく暮らしているようす。」とある。

CNN(にリンクされた記事しか見つかりませんでした。m(_ _)m)は菅直人首相が誕生した時、「菅直人は歴代首相と違って政治家の家系出身ではない」と報じたそうだ。 菅首相にはいい意味での生活感を感じさせる総理になって欲しい。


実は九子もあんまり生活感がある方だとは言い難い。
家の中は掃除が嫌いで片付いてないから家だけ見たら生活感ありありなんだろうが(^^;;、そんなに薬局も売れてそうもないし、娘二人の学費でてんてこまいのはずなのに結構涼しい顔してるって?
はい。すべては、それでもこれでもビンボー神が稼いでくれるのと、そこそこ親の遺してくれたもののお陰で・・。m(_ _)m

そもそも生活とは「生きて活動して」・・・と書くが、生きてはいるがお昼寝ばかりであんまり活動していない九子には生活感が乏しいのは当たり前か。(^^;;
そして、「着実にたくましく暮らしているようす」に至っては・・・・・・。
怪しい!至極怪しい!(^^;;(^^;;

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