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ヴァイオリニスト飯島千鶴さん [<九子の読書ドラマ映画音楽日記>]

ああ、またしても!!
山本貴志というピアニストに、九子は縁が薄いのだろうか?


彼のピアノコンサートが今度は長野のお隣、須坂市のメセナホールであると言うので、九子は早速M氏の分と2枚チケットを買った。
さあこれで、前回のリベンジが出来る!!
今回こそは、前の分までしっかり聴かなくちゃ!

チケットはそれはそれは申し訳ないくらい魅力的な値段だった。そして奏者の中には、あの飯島千鶴さんがいらした。


★ここから先は、九子の思い込みの部分もあるかもしれません。こちらも是非参考にして下さい。


飯島千鶴さんは麗しいヴァイオリニストだ。
実は彼女の上二人のお嬢さんと、我が家の上二人の息子が、それぞれ小学校6年間の同級生・・というご縁もあった。

彼女のおじい様は、きっと誰でも知ってる凄い人だ。
当時の栗林中将。そう「硫黄島からの手紙」で渡辺謙が演じて有名になった玉砕を諫めて一人気を吐いた栗林忠道、後の陸軍大将なのだ。
その上、道半ばにして病魔に倒れられたあの名ピアニスト羽田健太郎氏は、彼女の従兄弟だそうだ。


はじめて参観日で彼女を見た時、なんて華のある美しい人だと思った。すると隣にいたお母さんが小声で「彼女はヴァイオリニストなのよ!」とささやいた。
え~っ?こんなに美人で色白のナイスバディー。その上誰とでも気さくに話しかける社交上手のこの人が・・・?

九子の記憶の中で彼女はいつも、「そう、そう、そうよね。」ではなくて、「そうだ、そうだ、そうだよね。」と言う風に、飾らずおしゃべりしていたように思う。
美人はどうしても疎まれやすい。それを彼女はちゃんと理解していて、敢えて誰とでも気さくな言葉遣いをしていたんだろうか?
もちろんそんな事、計算づくにするような人じゃあ決して無いけれど・・。

天は彼女に二物どころか、五物も六物も与え賜うた。
音大を主席で卒業されたと言うし、いつも人を明るくするエネルギーとオーラを併せ持っていらした。

彼女がたまに少々暗い顔で「もう、いやになっちゃう!」などと語ることがあっても、直後に、まさに楊貴妃を髣髴(ほうふつ)とさせる破顔一笑!
何事も無かったかのようにいつもの明るい彼女に戻るその鮮やかさは、彼女が音楽家である事と無縁では無いような気がした。

毎日の練習。それも、どうやら嫁ぎ先の旧家では、伝統を重んじる家族の手前、ひっそりと行わなければいけなかったようだ。

持ち前の頑張りで家事を手早くこなし、練習の時間を作る。
限られた時間の中で、納得のいく音を探し、その音を紡ぐ。

何という集中力!
九子には情けないほど欠けている集中力が、音楽家の彼女にはある。
いや、それが無ければ、音楽家足りえないのだろう。

そして気持ちを引きずらないで、次の場面、次の場面へと移って行く潔さ。


嫁は家を守るのが当たり前という古い家のしきたりの中で、ヴァイオリンを子供たちに教えることは許されても、華やかなステージに立つことは極力避けていたように見えた彼女。
彼女が輝くように美しく、若さと才能できらきらしていたであろう頃、彼女のコンサートが 開かれることは稀だった。

彼女にずっと寄り添っておられる見るからに穏やかそうで優しそうなご主人と、彼女が育てた天真爛漫な可愛らしいお子さんたち。
彼女にとってはきっと長いこと、それらが幸せの全てだったのだと思う。

彼女に電話したことがあった。あれはいつのことだったか。
電話口の彼女の声は、今までのおしゃべりの続きのように楽しげに弾んでいた。
そして電話口の後ろで、子供たちがさんざめく笑い声が漏れ聞こえてきた。
彼女が音楽の夢を封印して作り上げた家庭の温かさを思った。


今回、山本貴志氏の演奏はもちろん、飯島千鶴さんにお会いするのをずっと楽しみにしていたのだけれど、結局果たせなかった。
前の日の夜まではずっと元気で、来ていく服の心配などしていたのに、当日朝起きたら、熱や咳が出て、おなかの調子も悪くなった。

最初に考えたのはインフルエンザ!M氏が先週珍しく仕事を2日も休んだ。
検査でウイルスは出なかったのだけれど、その数日前にインフルエンザと判明した息子と症状が同じだからと、絶対インフルエンザに違いないと彼は主張していた。

ああ、結局九子のところへも来たのか。じゃあ、やっぱりM氏のもインフルエンザだったのかな?


それでもせっかくのチケットを無駄にしたくないので、何人かに電話して、次男のクラスメートのご両親が2枚とも譲り受けて下さることになった。

良かった!無駄にならなくて! でもまあインフルエンザなら仕方ないよね。


ところが!!具合の悪かったのはその日一日だけだったのだ。次の日になったら、いくらなんでもこの状態で店を開けないのはずる休みだよね・・と言うくらいまで良くなってしまった。

なんで突然大事なコンサートのその日に具合が悪くならなきゃいけない訳?
インフルエンザなら諦めもつくよ。1週間近く外出禁止なんだから。
一日で治っちゃったのに、それがたまたまコンサートの当日って、そりゃあ無いんじゃないの?

これは山本貴志氏の呪いか? でも九子は何にも悪いことしてないよ。ただコンサートの最中に咳が出たくなっただけ・・・。(^^;;

実は遠い遠い昔に、飯島千鶴さんのコンサートが珍しく開かれると聞いて、たった一度だけ聴きに行った記憶がある。
それはそれは素晴らしい音色だったのだけれど、どこかその時の事を忘れてしまいたい九子が居る。

九子の中でその時の思い出は少々ほろ苦いものだった。
彼女の美しさと、彼女の才能、そして彼女の持っているあらゆる魅力と、努力を惜しまない性格。

演奏が終わった時、その素晴らしさをめでる気持ちと同時に、九子の心の中に広がって行った認めたくない黒いジェラシー。
バカだよね。彼女と九子じゃあ持ってるものが違いすぎて、嫉妬心など入り込む隙間は無いはずだったのに・・・。

いけないいけないとそれを消そうとすればするほど、消しゴムで消し損ねて却って広がってしまう鉛筆跡みたいだったっけ・・。


当時より少々九子は賢くなった。
誰かを羨ましくなった時、その人の性格や才能ばかりでなく、その人の環境もすべて九子と交換したとして、果たしてそれでも九子は幸せか?と問い直すことを思いついた。


誰に聞くまでもなく、答えは決まっていた。

家事一切をこなし、彼女の音楽の道を閉ざしていたその人の介護をし、寸暇を惜しんで練習を欠かさなかった彼女よりも、家事はないがしろにしてM氏に手伝ってもらい、好きな時に寝て、好きな時に食べ、無理するとウツが来るからと嫌なことはすべて後回しにして来た九子の毎日の方がどれだけ楽チンで幸せなことだっただろう。(^^;;

まあ楽して怠ける生活が何よりの幸せと思ってる限り、何物をも成しえないことは良くわかってるんだけど・・・・。(^^;;


最後に彼女の言葉を上述の長野市民新聞から抜き出させて頂きます。

「バイオリンの演奏は子育てと同じ。年代も性格も違って思い通りにならない聴衆の気持ちを読み取り、自然体のまま受け入れることが大切なんです。」
「地に足を着けていれば、想像力を働かせて、心はどこまでも飛ばせる。それが夢だと若い世代に伝えたい。」

飯島千鶴さん、是非あなたも聴いてみて下さいね。( ^-^)

  ★ブログ「ママ、時々うつ。坐禅でしあわせ」 頑張って更新中です。是非お読みくださあ~い。(^-^)



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