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「信濃の国」の附属小学校 [<学校の話、子供たちの話>]

うちの5人の子供達はみな、信州大学教育学部附属長野小学校の出身だ。

Tさんと話すまで、九子は信州大学教育学部附属長野小学校を別段特別な小学校と思っていなかった。九子自身が卒業した小学校でもあり、九子の父もまた、かなり早い時期の卒業生だった。

確かに当時から「フゾク、フゾク」と特別な目で見られがちではあったが、他の小学校だってこんなもんでしょうと思っていた。

ところが!である。
金沢から引っ越して来たばかりのTさんが、「えっ?九子さんのうち、子供達を附属にだしてるの?すっご~い!インテリ~!」と言ったので、九子はおったまげた。

「えっ?なんでえ~?だって、うちは長男がたまたま入ったから、兄弟関係でみんな入れるだけだし・・・。長男の時だって試験で落ちた子なんていないって聞いたよ。みんな抽選だもん。」

今度はTさんが驚く番だ。「えっ?上が入れば芋づる式に兄弟みんな入れるの?違うんだねえ、他の附属と・・・。」

「それにさあ、お勉強だってさせないんだよ。たとえばさあ、数の勉強させるのに、朝顔を植えて、花を数えたり、種を数えたりするんだって。だから、教科書あんまり進まないみたいだよ。それで、中には、子供を塾に入れてるお母さんもいるみたい。特に、転勤族で、また別の学校に移る可能性のある子は、勉強遅れちゃうから附属以外の学校へ入った方がいいって話だよ。」

「へえ~っ、世の中にそんな附属もあるんだねえ。私が今まで行った先にあった附属は、みんな金沢みたいに、試験が難しくて、競争率が高くて、お勉強出来る子が集まる学校だったけど・・・。」

お互いに目を丸くして附属談義を終えて以来、九子の頭の中で、子供達が通っていた信大附属小学校が、全国にかけがえのない附属小学校として認識されるようになった。


「根っこを育てる教育」、信大附属小学校の教育方針は、たぶんこの一言に尽きる。

今全国の小学校に導入されている生活科。信大附属小学校では、20年以上も前からこういう授業をやっていた。

羊を飼ったり、水田で米を作ったり、中には盲導犬を飼っていたクラスもある。

山羊を飼って、その出産に立ちあったクラスもあった。それが、ジェンダー(性の違いや男女の役割)や、性教育の授業につながっていったようだ。

その結果、クラス毎に、まあ違う授業が行われているわけだ。

だから、お母さんによっては、「まあうちの先生ときたら、毎日毎日山羊ばっかり・・・・。一体お勉強はどうなっているのかしら?心配だわ。」という事にもなるのである。

九子の場合は、自分が小さい頃から外遊びが不得手で、友達がいなくて、そういうことに対する劣等感があったせいで、子供達がそうやって、土にいそしんでくれたり、動物の世話を通じて、手が汚れることをいとわずに、生き物に対する愛情をはぐくんでくれたりしている姿に、ただただ感激していた。

九子の頃には、まだ生活科はなかった気がする。教室で蚕(かいこ)を飼うくらいが関の山だった。九子はそれとて、嫌で嫌でなるべく手を触れないようにしていた。
今じゃなくて良かったあ。(^^;

授業はそうであっても、子供達の5人が5人ともみんなが動物好きであったり、土いじりが好きであるとは限らない。それがまあ、教育の限界というものであろう。

小学校には通知表がないから、中学校へ行って始めて手にする通知表で、親は我が子の成績にどんなに愕然としようが、慌ててはいけない。根っこは育ててもらっているのである。

お勉強の出来る出来ないよりも、生きる力を育ててもらったのである。ぱっとしない今は、いざという時ではないのである。本当にいざと言う時には、しっかり力を出す子を育ててもらっているのである。
(もっとも、一生「いざと言うとき」が来ないってこともあるんじゃないかと心配になったりはするが・・・・(^^;)

以前次男Sの担任だった
S先生
がこうおっしゃった。
「附属の子はやっぱり違いますね。他の学校では、先生が生徒を管理することが多いんですが、附属の子はのびのびしている。先生に管理されずに、生き生きしている感じがします。」

まあ、どっちにしても、この「根っこを育てる教育」の成果が出るのは、まだまだ先の事に違いない。

ちなみに、信州大学教育学部長野附属小学校の校歌は、長野県民なら皆知っている県歌「信濃の国」だ。附属小学校で歌うときは校歌「信濃の国」となる。

その昔、この歌を作詞したのも作曲したのも、当時師範学校と言っていた信州大学教育学部の先生だったからだそうだ。

誰もがみんなこの校歌を知っていると思うと、なんとなく歌うたびに鼻が高い気がしたものだ。

だが、Tさんの話を聞いてからというもの、鼻が高く感じるものがまたひとつ増えた。

かつて「信州教育」と言われ、数々の優秀な先輩方を輩出し、皆の模範とされた信州大学教育学部だが、最近はどうもその魔力が衰えてしまったように見える。現在、長野県の学力は沖縄に次いでワースト2になり下がってしまった。

しかし、一体学力とはなんだろうか?大学入試の成績ばかりではあるまい。一生を通しての学ぶ力と言う意味で考えたら、また違う結果が出ると思う。

そういう意味で、信州大学教育学部附属長野小学校の教育には「腐っても鯛の骨」を感じるのである。(先生方、ごめんなさい。(^^;)

根っこを育てられた子供たちは、それぞれのいざと言う時、きっと蓄えていた力を思う存発揮して人生を切り開いて行ってくれるに違いない。

今は低迷している通知表を眺めながら、「今は『その時』じゃないのよ!」と、自分に懸命に言い聞かせなければならない母親の方にも、けっこう忍耐力が要求されるものではあるが・・・。(^^;
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まりこ

[はじめまして]
九子さん、はじめまして。私は信大附属に子どもを通わせるか迷っている親です。いろいろ検索するうち、九子さんがだいぶ前に書かれたこの記事にたどりつきました。現在でも『附属小は体験学習ばかりで勉強がおくれる』という話をよく聞きます。そんなことから私も迷っているのですが、九子さんのお話を読み進めるうちに進学させてみようかな、という気持ちになってきました。生きる力こそ大人になった時、一番役に立つはずですものね。
by まりこ (2008-11-18 17:35) 

九子

[まりこさん!( ^-^)]
おお、地元にお住まいのまりこさん、ようこそおいで下さいました。m(_ _)m

信大附属、私はとても良い学校だったと思います。
もちろん長所も短所もあると思うし、合う合わないもあると思うけど、一般的に言って、先生方はみな熱心で努力家が多いです。

附属での教師生活は監獄やら地獄やらに喩えられて、先生方にするとものすごく大変な期間らしいですが(生徒たちが帰った後の研究が・・)、でもそれなりに気概のある先生方がほとんどだったように思います。

「生きる力」に関して言うと、もちろんそういうのを目指して先生方も努力される訳ですが、我が家の5人が5人とも生きる力があるかと言えば、そう単純には言い切れないのですが、まあそれなりにはついたような気がします。(^^;;

うちの子達はみな附属中の2年生位から塾へ通わせましたが、それで充分間に合ったように思います。

まりこさんのお子さんが「校歌 信濃の国」を歌われる日を待っていますね。( ^-^)

まりこさん、もしよかったら一度メールくださいませんか?
アドレスはkasahara@mx1.avis.ne.jpです。
by 九子 (2008-11-18 21:52) 

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