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キレタ話・・・その① [<介護生活、そして父母の事>]

キレルって日本語、一体誰が考えたもんだろう。

九子の独断と偏見で言ってしまうと、「堪忍袋の緒が切れる」って表現から来たものではなかろうか?と思うのだが、それよりずっと直説的で、怒りによって脳の毛細血管の数本が切れてしまう・・・みたいなことまで想像されて、言い得て妙って気がする。

九子の説が正しいと仮定すると、身体のどこかに堪忍袋という袋があって、その中にはしょうもないグダグダした怒りのかけらやら、行き場の無い感情やら、コンプレックスに裏打ちされたわけのわからない衝動やらがいっぱい詰めこまれて行って、普段は緒という紐で口がくくられているのだけれど、堪忍袋の許容量を越えて中身が満杯になったとき、緒が切れて中身がはじけ出す・・・ということになる。

自分がキレタ時のことを考えてみると、結構そんな感じが強い。

堪忍袋の口って、本人が気づいていなくてもずっと開きっぱなしになってるもんなんだね。開いていても1度入った物は逃げ出せないで、タコツボみたいになっている。そしてどこまで一杯だったかは、キレルまで本人にわからない。

キレタ時言われた言葉が、いつものそれよりひどかったり程度が悪かったりという感じはしない。むしろ積もり積もったものがたまたま許容量に達していて、一度に爆発した・・・みたいな感じだが、その日の気分なんてものにも影響されそうだから、堪忍袋自体が気紛れな物なんだろう。

昔、九子が良くキレルのは、いつも父の言葉だった。
父が介護保険を受けるようになってから、父に対する怒りは静まり、矛先(ほこさき)は母になってきたみたいだ。(^^;

母はあまりキレない。
というか、しょっちゅうキレテばかりいるので、ことごとくをキレルと表現していたら身体が持たない気がする。(^^;

母の言葉は、感情表現であふれている。
嬉しい、楽しい、おいしい、まずい、イヤだ、困った、まったくもう~!

その上、手早で気も早いので、元気だった時の彼女が出来たようなスピードを誰にも求める癖がある。

九子はその点、言いつけても言いつけ甲斐のない筆頭だ。
生返事するだけで、いつやるとも限らない。(^^;

娘二人は何も言い付からない。
長女Nは言いつけたくても勉強やら部活やらで、日曜日も無い位学校に縛られている。次女Mは、恥ずかしながら、文句ばかりを言って決して言うことを聞かない。(^^;

となると、一番の犠牲者はたぶん三男Yである。
何しろ我が家に残っている唯一の男の子だ。それに図体もでかい!
母が出来ない力仕事を頼むにはうってつけだ。

その上、学習障害がある位の子だから、基本的に優しいのだ。(障害のある子は、無垢で優しいと良く言われるではないか。)
とにかく言われたことは、きちんとやる。

きちんとやるものだから、余計おばあちゃんに頼りにされる。
「ねえ、Y、裏の畑の土おこしといて。それから、木の根っこも掘り起こしてゴミの日に出して。」
「ストーブもう要らないから、みんなの分裏の2階へ片付けといて・・・」
「厚い毛布もういらないでしょ?屋根に干して、ついでに布団も干しときなさい。」

そして、それぞれの言葉の最後に必ず付け加わるのが、「ママが可哀想じゃない。ママが倒れちゃったら困るでしょ・・・。」である。

あまのじゃくの九子は、ここで沈黙する。

もちろん、そう言ってくれるのは嬉しいと言わなきゃいかんのだろう。
でもなあ・・・。

一度や二度なら嬉しい・・たぶん・・・。
でもなあ、こう毎回となると・・・。

Yの優しいのをいい事に、その気持に付け込んでるみたいな感じがするんだよなあ。


そうそう、ゴク最近九子がキレタ時、母はこう言った。

「もう、やだよ~!お風呂入ってるって言うから入ろうとして行ったら、栓が抜けてて空っぽじゃない!ハダカになっちゃったのに!その上電気は晧晧(こうこう)と点いてて・・・。」(良く考えてみると、気の毒に・・(^^;)

あのね、九子が言ったのは「お風呂入ってる!」じゃなくて、「お風呂入れるから・・。」
つまり、お湯が入って準備が出来た!じゃなくて、これからお風呂のお湯を入れ始めるってこと!
栓のほうは知らない・・・。(^^;

彼女の怒り方には特徴がある。
まず初っ端の威嚇が「もう、やだよ~!」である。
そして必ず二つのことを絡めて怒るのだ。

お風呂に水が無かっただけならまだしも、電気も点いてた。
ゴミを片付けといてと言ったのに、片付けてないばかりか、きのうの弁当箱も出し忘れている。
そして、だめ出しが「あんたはいっつもそうなんだから・・!」である。

つまり母に言わせると「もう、やだよ~!」で始まり、「あんたはいっつもそうなんだから・・・!」で終わる真ん中の部分が、常に、日常的に、繰り返し
行われていることが、我慢ならないという事になる。

ところが、相手(ここでは九子(^^;)にとっては、それは日常的に繰り返されていることでも何でも無くて、たまたま偶然そうなったことを取り上げて、あたかも継続的に行われているが如き言い方をされる事が気に入らない訳だ。

お風呂のふた(湯冷め防止の柔らかいやつ)をした時、たまたま何かの拍子に栓がついてる鎖に触れて、栓が抜けちゃうことはいつもあることではない。(5~6回はやっているが・・(^^;)

お風呂に晧晧と電気が点いてるからといって、テレビも電気も扇風機も一日中つけっぱなしの誰かさんに言われる筋合いはない。

気がついたらキレていた。
「そんなこと、ママに言われたくないね!!!」

娘どもが引いている。

そして、九子はひたすらその場を逃れる。
九子は何しろ気が弱いので、居たたまれずにその場を逃げ出すというのが本当のところなのだが、回りにしてみると、怒りを吐き捨ててるようにも見えるだろう。


まあ、九子がキレルことはそうたくさんは無い。(・・・と信じたい。
これでも一応は坐禅をして、修行積んでるからね・・・。(^^;)

だけどなあ、あんまり良い気分じゃあないよね。
一時の快感と、長い後悔を引き換えにしたような気持ち。
Nuitさんの気持も良くわかる。

ただ我が家の場合は嫁姑じゃなくて、親子だからその点はかなり楽なんだろうと思う。
相手をフォローする努力というのはあんまり考えなくても、お互いゴメンも言わずに、明日になれば元通りになっている。
まあ、これはうちの出来すぎ母の性格にもよるんだろうが・・・。

母も九子と同じ様に「気持ち後引きタイプ」なら、ちょっと修復に時間がかかっていたかもしれない。

つくづくうまく出来ているなあと思う。

堪忍袋の緒が弱くて、いつでも小爆発を繰り返してる母みたいなタイプは、キレてもすぐ修復できて後腐れがない分、回数キレルのかな?

九子みたいに、そんなに回数キレル事は無いけど、キレルとなかなか修復できないタイプは、防衛反応が働いて回数キレナイようになっているのかも・・・。

M氏やN子はどうだろう?
あの二人がキレタところ、まだ見たことないんだよね、考えたら・・・。
よっぽど堪忍袋が大きいのだろうか・・・・・・・・・・。


だんだん空恐ろしくなってきた!(^^;
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コメント 3

Nuit

[キレる]
>堪忍袋の緒が弱くて、いつでも小爆発を繰り返してる母みたいなタイプは、キレてもすぐ修復できて後腐れがない分、回数キレルのかな?
そう思います。(←わたしはキレやすい・・・)
で、案外、表現しているほどの怒りは相手に感じてなかったりするし、怒りも忘れたりする。これ、誰の本だっけ、忘れたのですが、「心臓が弱い」人らしいです。
そう言われれば、そうかも。
ちょっとしたことで心臓がドキドキしちゃうんでしょう。うん、確かにわたしは臆病者だし。
 普段キレない人がキレると、怖いですよ~。
by Nuit (2004-07-15 13:21) 

九子

[コメント第1号!]
おお、待ちに待ったコメント第1号はやっぱりNuitさんでしたか。
忙しいのに有難う。( ^-^)

そう?Nuitさんキレやすいのかなあ?
でも、怒りを忘れるっていいですよね。母も同じタイプと思います。

うちは普段キレない人を二人抱えてるもんで・・・。
やっぱ、ぞ~~~っですよね。(^^;
by 九子 (2004-07-15 23:24) 

九子

[・・・と思ったら(^^;]
すみません。
山中玄さんが栄えある(どこが!!(^^;)コメント第1号でございました。謹んでお詫びの上訂正させて頂きます。m(_ _)m
by 九子 (2004-07-16 22:43) 

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