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冷静と情熱のあいだ [<九子の読書ドラマ映画音楽日記>]

冷静と情熱のあいだ―Bluの画像
冷静と情熱のあいだ―Blu
辻 仁成
自慢じゃないが九子は、まず、ベストセラーを新刊で読んだことはない。(^^;
もちろん経済的事情ばかりではない。

みんなが読んでるおんなじ物をこの九子が読めますか!ちゃんちゃらおかしくって!(^^;という、ほら、例の、あまのじゃくが邪魔をするわけだ。

ちゃんちゃらおかしいったって、後で必ず読む訳だから、もちろんみんなと九子になんら知的有意差があるわけではない。とにかく、みんなと時間差をつけて読みたいってだけな訳よ。
ほんと、素直じゃないよね。(^^;

結果としてみんなが忘れた頃、ブッ○○フの店頭に立つ九子の目に、百円本となった数ヶ月前のベストセラーが突如として現れる。

九子が本を選ぶ時、本のあらすじだとか、タイトルの面白さだとか、誰が書いた本だとか、一応そういったポイントはいくつかあるが、結局最後の決め手は・・・・・。
値段!・・・でしたね。(^^;

そして先日、やっと九子は、百円本となった辻 仁成の「冷静と情熱のあいだ」と、運命的な出会いをしたと言うわけだ。

はっきり言って、期待して買ったわけではなかった。
どうせあおっちろい、恋物語でしょ。

その上、舞台はフィレンツエだって。ちゃんちゃらおかしいぜ。(^^;

最初に見た著者の略歴は、九子をびっくりさせた。

えっ?中山美穂を射止めた人っていうから、もっと若い人だと思ってたけど、1959年生まれなんだ。
45歳か・・・。おじさんじゃん!
自分の年も忘れて、九子はこうつぶやいた。(^^;

中世を今に伝える都市の様子をイタリア語混じりに語られる冒頭に、「ほら、ほら、やっぱり。」と思った九子ではあったが、そのうち辻仁成氏の、鍛えられた肉体美のルネッサンス彫刻のような文体に吸い寄せられていった。

そう。彼の文章には無駄が無いのだ。飾り言葉ひとつにしても、洗練され、余分なぜい肉がない。

九子はいつも言うように、想像力皆無の人間だ。
だからはっきり言って、ストーリー運びの出来不出来は、良くわからない。(^^;
とにかく、小説の中のお話には無条件でついて行くタイプだ。

ついて行くだけならまだしも、自分がそうなように、小説って言うのを書く人も、自分の回りに起こったことをそのまま書いているように錯覚して、「へえ~、辻 仁成って、18までアメリカで育ったんだ!」とか、「ふ~ん、お母さんやおじいさんは立派な画家さんだったんだね。」「イタリア語ぺらぺらなんだ。」と、主人公の環境をそっくりそのまま作家さんに置き換えて、勝手に信じ込む。(^^;

こういう読者に会っちゃ、作家さんは大変だ。
作品の数だけ、輪廻転生しなければならない。(^^;

ただ、彼はフランス語翻訳で「フェミナ賞」というのをもらっているそうだから、フランス語は強そうだ。

九子の古い友人のフランス語の達人まりさんが言っていたが、フランス語が出来ると、イタリア語など3ヶ月でマスターできるそうなのだ。それほど文法も言葉も良く似ているらしい。
だから、彼がイタリア語を話せても不思議は無い。

辻仁成という名前を聞いて、てっきり九子は辻邦生氏の息子さんだと思っていた。
パートナーの江國香織さんが江國滋氏のお嬢さんなのだから・・・・。

ネットで調べたら、どうやら違うらしい。
その代わり「辻アートスクール」というのがリンクされていた。
なんだ!「辻クッキングスクール」の御曹司(おんぞうし)か!(もちろんこれも不正解!)

九子の想像力なんて、所詮この程度である。(^^;

それはそうと、十年後のあおいの誕生日に、約束どおり順正はあおいと会えたのか?

それを語る12章が、この物語の最終章とばかり思っていた。
ページをめくると、「あとがき」があるばかりと思った。

13章は、だから、九子にとって別の物語のはじまりである。


それにしても12章の結びはうまい文章だった、と九子は思う。

過去形でずっと語られていた物語が、そこだけ
「切なく儚く赤く染まる古都の夕焼けである。」と現在形で終わる。
この一言でもう、このお話が過去ではない、現在につながるってことを暗示してるんだよね。


江國香織さんの「冷静と情熱のあいだ」を読むのが待ちきれない。
ブッ○○フの店頭で邂逅する日を心待ちにしている九子である。
(真似して現在形で終わらせても何の意味も無い。(^^;)

アマゾンのレビューに49件の感想が寄せられています。これを見ると当然の事ながら、いろいろな意見があって面白いなあと思います。( ^-^)
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コメント 10

ゆりこ

[冷静と情熱のあいだ]
こんにちは。
「冷静と情熱のあいだ」の本は読んでいませんが
映画を観ました。すっかり内容を忘れましたが。
なんとなーく覚えている感想が
主人公は情熱をずっと持ちつつ、冷静さを秘めていた人。
って思いました。って、、、タイトル通りですね。
でも、いい作品ですよねっ。
by ゆりこ (2004-09-01 14:25) 

九子

[わあ、ゆりこさんいらっしゃい!]
「私が、私であるために。」のゆりこさんですよね。
一応私がリンク貼るの変ですが、コメントの下に貼っておきますね。

うん。映画もいいなと思っているところです。
「帰れない二人」のまさのりさんの日記を読んで、トラックバックさせて頂きました。こちらも御覧下さい。

それはそうと、ゆりこさんとこの先輩も、すっかり落ちつかれたのかしら?
恋に落ちると回りが見えなくなるって本当ですね。

まあ、九子にゃああんまり関係ない話題ですが・・・。(^^;
by 九子 (2004-09-01 16:28) 

ゆりこ

[リンク]
リンク、、、すみません。お気遣い頂きまして。

先輩の話しは明日、番外編みたいな感じで
書いてみようかな?と思っています。
お時間あったら、覗いて見て下さい。
by ゆりこ (2004-09-01 17:47) 

まさのり

[冷静と情熱のあいだ ]
初めまして、九子さん

トラックバックそしてコメント、ありがとうございます。
映画を観たあと、本も読みました、もちろんあおい編から^^;
読み終わったあとはすぐに順正編を読まずにはいられませんでした。
映画は基本的に順正編ですね。

九子さんの日記を開いてみて驚きました。
”一応、五児の母・・”、、、私の妻と同じだ・・^^。
うちは上から順にK子、Ta、Ts、H、K。

今後ともよろしくお願いします。
by まさのり (2004-09-01 19:45) 

九子

[ゆりこさん!]
番外編ですね。うちにもつまんない番外編ありますが(^^;、そちらの番外編は楽しみですう~。
朝一で見に行きますね。( ^-^)
by 九子 (2004-09-01 22:43) 

九子

[まさのりさん!]
おいで頂きまして有難うございます。
さきほど伺いましたら、マイアンテナにも加えて下さり、本当に有難うございました。m(_ _)m

>”一応、五児の母・・”、、、私の妻と同じだ・・^^。

おお!今時、五児の父でいらっしゃいますか。
さぞかし大変でしょう。

そちらはあんまり家庭や職場の匂いのしない日記ですよね。

こちらは・・・。
このありさまです。(^^;

こちらこそ、よろしくお願い申し上げます。

それから後で気がつきましたが、「冷静と情熱」というタイトルで本の紹介もしていらっしゃったのですね。あちらにトラックバックすればよかったかなあと、少々後悔しました。(^^;
by 九子 (2004-09-01 22:51) 

チョッコ

[びっくり。]
九こさん、はじめまして。
よぽぽさんのところから飛んできました。
日記を読ませていただくうち、おしゃべりしたくなっちゃって。

「冷静と情熱のあいだ」は先日読んだところです。
でも、辻さんのではなくて江国さんのほうです。

今までほとんど小説など読んだことのなかった私が、今年に
なって、司馬遼太郎の「竜馬がゆく」や「菜の花の沖」を読
んで(ネットのおかげ)、娘が大好きだという江国さんの本を
読もうと図書館に行ったのです。

そしたら、この冷静と情熱のあいだだけ1冊あったんです。
珍しいことに一気に読んでしまいました。

九子さんと同じ。私も小説と本人がごっちゃになる人です。
娘から辻さんも書いてるよ。でも、江国さんのだけでいいよ。
って言われたので、まだ読んでないのですが。

あおいが順正と10年後にあったかどうかは辻さんの方では
わからないの?
じゃあ、下手に書くといけないよね。
娘は読まなくてもいいといったけど、図書館で検索してみ
ようかな?
by チョッコ (2004-09-08 10:57) 

九子

[チョッコさん、はじめまして( ^-^)]
すぐにお返事できなくてすみません。

お嬢さんは読書家なんですねえ。
うちの娘達は、ハりポタ、セカ中など、話題になってる本は買って読んでるらしいですが、冷静と情熱はまだ無理。何しろ、「世界の中心・・」にしても、なんでみんな泣くのかちっともわかんない!なんて言ってるくらいですから・・・。(^^;

> あおいが順正と10年後にあったかどうかは辻さんの方では
わからないの?

あっ、ちゃんとわかりますよ。(^^;

私的には、辻版も絶対に読むべし!

でも、評判は江國さんの方がいいのいかも・・・。
最初に江國、次に辻というのが、定番の読み方らしいです。( ^-^)

司馬遼太郎って難しくないですか?
歴史弱い人なので、気後れしてます。(^^;

本って読み出すとはまりますね。
それにしても、もっと早く読めるようになりたいなあ。
by 九子 (2004-09-08 21:16) 

チョッコ

[知ってるようで知らない]
知ってるようで知らないって多いじゃないですか?
坂本竜馬も知ってるようで知らないんです。
「竜馬がゆく」8巻も読めないと思ってました。

そうそう宝塚を娘たちと観るようになったのですが、
「猛き黄金の国」という三菱の創始者、岩崎弥太郎の
物語を見たんです。それがとてもよくってね。
その中で出てくる竜馬がよかったんです。

そんな話をネットでしていたら、漫画の「おーい、竜馬」
を勧められて、3巻ほど読んだら、やっぱり司馬遼太郎の
方を読んでみようって思って。

中3と高校生の娘が本好きです。
中1の三女は漫画すら読まない。
娘たちの手前もあって、「竜馬・・・」だけは読み終えようと
がんばりました。

司馬遼太郎の文章は読みやすいですよ。

小学校か中学校の時、「国盗り物語」を読んで、これが小説
なのかって思ったことありました。それからほとんど読んで
ませんが。
「竜馬・・・・」を読んだ時に、この人の人の捉え方書き
方は好きだなあと思いましたよ。
もっと早く読んでおくべきだったなあってね。

「世界の中心で・・・・」は私もよくわからなかった。
どうしてこれがいいのか。
そういうことをいうと娘にしらっとした目で見られますが。

江國さんの「ぼくと小鳥ちゃん」って読まれたことありますか?
長女と次女に勧められて読んだのですが、これも何がいいのか
よくわからなくて。

娘たちは江國さんの描く男性像がいいっていいますね。
「冷静と情熱のあいだ」は偶然に私が借りてきたのですが、
次女が以前に読んだことあったと知って、ちょっとびっくり。
中学生が読む小説かな?
でも、何もいいませんでしたが。
by チョッコ (2004-09-09 10:24) 

九子

[お嬢さん方、凄いです!]
うちの娘達も親に本を勧めるくらいいろいろ読んでたらいいのに・・・。

中学生と高校生で「冷静と情熱・・」は・・・・、しかも江國さんの愛読家なんですね。

>江國さんの「ぼくと小鳥ちゃん」って読まれたことありますか?

当然、読んだことありません。(^^;

でもそんなにお嬢さんが勧めるなら、読んでみようかな?

司馬遼太郎も難しくないんですね。頭の良い人だから、万人向きにわかりやすく書かれてるわけですね。

じゃあ、それも・・・。

お昼寝する時間がなくなってきた・・・。(^^;

いずれにせよ、本の話が出来る母子関係なんて、とってもうらやましいわあ。( ^-^)
by 九子 (2004-09-09 21:10) 

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