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女は嫁に行く [<九子の万華鏡>]

内向きと言われる昨今の日本人だが 中には勇猛果敢に世界に繰り出す人もいる。  

その代表格が『グッと!地球便 ~海の向こうの大切な人へ~』という番組で取り上げられる人々だろう。グッさんこと山口智充が、海外で一人住み、現地で修行しながら自分の夢を叶えようとする日本人たちに、それが地球のどこであろうと家族からの手紙やプレゼントを届けるという企画だ。

両親からの思いのこもったちょっとした一品に涙する若者たちを見るのはいいものだ。

そればかりではなく、日本から何万キロも離れた地球の上で、それぞれの情熱を傾けて立派に生きている日本人が居るという事実を教えてもらうと、日本人もまだまだ捨てたもんじゃないという気がして嬉しくなる。

この頃「こんなところに日本人!」という番組も現れて、こっちの方も結構人気があるらしい。
こちらはタイトルそのものズバリで、アフリカだとか、中南米だとか、アジアの山の中だとか、びっくりするような僻地に暮らす、多くは現地の人と結婚してその土地に住む日本人を紹介する番組だ。

どちらの番組を見ていても、女性のほうが圧倒的に数が多いのに驚く。
隣で見ているM氏が「やっぱり女性は強いよなあ。男はとっても敵いませんよ。」と諦めたようにのたまう。

昔の言葉で「戦後強くなったのは女と靴下」というのがある。
確かに戦前の絹の靴下は破れやすかったが、ナイロン製は丈夫である。
でも「女性」のほうは、本当にそうだろうか?

九子は思う。
女には、太古以前の昔から、「嫁に行く」というDNAが組み込まれているのではなかろうかと・・。
だから女性は、強くなったのではなくて「昔から強かった」のではないかと・・・。

よく娘を嫁がせる父親が「娘は嫁に行っちまうからつまらない。」と嘆くが、まったくその通り。

年頃になり、好きな人が出来れば、山を幾つも越え、時には大海を幾つも越えたところへさえも、愛する人への愛情ひとつを携(たずさ)えて鳥のように羽ばたいて行く。

もちろんお婿さんに来る男だってあるけれど、普通の場合男の子は、特に長男と生まれたからには、家を守り、名前を継ぎ、墓を守り、両親の面倒を見るために性懲りもなくその土地に居座り続ける。

いくら東京で有名大学を出て、憧れの職場に就職し、人も羨む生活をしていても、親が老いたと聞けば田舎に戻り、東京の職場とは似ても似つかぬ就職先に甘んじて、その後の一生を過ごす人々を何人も見てきた。

そういうのが嫌だからと、最初から地元の会社しか受けない若者も多い。

そういう男たちが多いのは、彼らが従順だからだろうか?
それとも、あまりにも長い間、両親や世間から「家を守る責任」を問われ続けて来たからだろうか?

よく「男は社会に出、女は家を守る」と言い慣らされてきたけれど、本当の意味で家を守るのは男の仕事で、女はどこへやら飛び去ってしまうのが常ではないだろうか?

とにかくそういう男たちがやすやすとその土地を離れるという可能性はまず無いと思う。

ところが女の子は違う。

親たちだって「娘は嫁に行っちまうもんさ。」と、最初から女の子がその土地に留まることを想定していない。

土地どころか、苗字さえ、変わるのが当たり前だと思っている。
「お前の名前はあんまり字画が良くないらしい。まあ、そのうち苗字が変われば良くなるかもしれないよ。」

娘たちにとって、羽ばたいた先が日本の隣の町だろうが、見ず知らずの外国の都市だろうが大した違いはない。どちらにしても縁もゆかりも無い知らない場所だ。

そして彼女たちは瞬くうちにあちらの社会に取り入って、友人を作る。居場所を作る。異文化に馴染んで、根を張っていく。

以前九子父の入院風景でも書いたけれど、この辺りはきっと男性には不得手な分野に違いない。会社という枠を離れると、とたんに貝のように自分の殻に閉じこもる男性たちが多いようだ。

どうしても女の子を手元に置いておきたければ、そうする手段が無いわけではない。

九子みたいに、なんにも出来ない娘に育て上げることだ。

娘に手出しさせずに、すべてを母親がやってやる。
娘は母親が居なければ何も出来ないから、怖くてとてもお嫁なんかにはいけない。

結婚する時女中を一緒につけてよこす・・などという話はもう過去の時代の遺物で、いくらなんでも母親が娘と一緒にお輿入れなど出来るはずが無い。

九子の父のように「うちの娘は嫁にやるように育てては居ません。」の一言で、すべての縁談を切り捨てて、ひたすらお婿さんが来てくれるのを待てばよい。

そう!そうして来てくれたのがM氏なのである。( ^-^)

よく考えてみると「縁談」という言葉自体がもう死語になりつつあるのかもしれないが・・。

 

これはある長いこと続く薬屋の話である。

薬屋を継ぐのに必要な学問を積んだ上の娘は、日頃よく言っていた。
「私が必ず薬屋を継ぐからね。いつか必ず戻ってくるからね。」
この言葉を聞くたびに、母親は安心しきっていたものだ。

下の娘は最初から、家を継ぐ気などさらさら無かった。
同じように学問を積んだ二人の娘だが、この時点でちゃんと棲み分けは出来ていた。たった一年前の話である。

ところが何やら様子が変わってきたのは去年の暮れ頃か・・。
上の娘に好きな人が出来た。どうやら彼女、彼氏にぞっこんらしい。
就職先までその人の居る県に決めてきた。

「あのさあ、うちに帰って来るって話、私が50歳の頃でもいいかなあ?」
(その時母親は80代になりますが、それまで店を一人でやりなさいって事?)
 
「名前継ぐのは私って選択肢もあるよね?」

(彼が名前変えるの嫌がってる? 女性じゃダメなのよ、残念ながら・・。)

 

そして、とどめは、「家継ぐのって、何も私じゃなくていいよね。登録販売士の資格取れば薬剤師じゃなくたって、家伝薬売るだけなら誰でも出来るわけだから、責任は兄妹5人で分けようよ。」


まるで「関白宣言」の浮気のくだりのような変わりようではないか!(^^;;

今日のタイトルはあくまで「女は嫁に行く」・・つまり、女というものは、嫁に行くものだ・・ということ。

決して「(うちの)娘が嫁に行く」って話ではありませんから、なるべくそうならないように努力しますから、誤解のありませんように。

まだまだこの先、紆余曲折があるでしょう。
大丈夫!そんなに簡単に嫁には出しませんから・・・。

・・・・っていつまで言っていられるかなあ。 (^^;;

 


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ようこ(よぽぽ)

こんにちは。
やっぱり女の子はお嫁に行くのが今でも普通の選択なのでしょうか。
ましてや、九子さんところは
男子が3人もいるんですもの
お相手も婿入りは遠慮されるのでしょうね。

でも、きっと、誰かが、近い将来
跡継いでくれますよ。信じましょう!!
by ようこ(よぽぽ) (2013-09-27 13:10) 

九子

よぽぽさん、こんばんわ!
ご無沙汰してるのにいつも来て下さってすみません。

そうなのよ。まさか彼女がそんなこと言い出すとは思わなかった!
そうですね。考えてみれば男の子3人だものね。
でも、一応薬剤師に継がせるつもりだったから・・。

でもまあ、こういうのは良くある話みたいで・・。仕方ないよねえ、どうしても結婚したいと言われてしまえば・・。
さて、どうなることやら・・・。

よぽぽさん、ごめん。ブログのURLをもう一度教えてくれる?書き込もうと思ったらわかんなくなっちゃって・・。(^^;;
by 九子 (2013-09-28 00:03) 

ようこ(よぽぽ)

ブログのアドレスはhttp://blog.goo.ne.jp/yopoposroom-802です。

でもほら忘れてしまっても
このブログの「読んでるブログ」に
私のブログも登録してくださっているようなので
それをクリックしていただけたら、そのままジャンプしてくれます。

今後ともよろしくお願いします。

by ようこ(よぽぽ) (2013-09-28 13:03) 

九子

あっ、よぽぽさん、有難う!
そう。そうなのよ。登録してたはずなのに、昨日見た時目に入らなかったのよね。
やっぱりあったんだ!って、人に教わってどうする!(^^;;

こういうことだらけの人間です。これからもよろしく!

有難う。
by 九子 (2013-09-28 15:01) 

away

九子さん、こんばんは。

> この辺りはきっと男性には不得手な分野に違いない。
> 会社という枠を離れると、とたんに貝のように自分の殻に
> 閉じこもる男性たちが多いようだ。

全く仰るとおりで耳が痛いです、笑。
by away (2013-09-28 21:46) 

九子

わあっ、awayさん。有難うございます。( ^-^)

えっ?awayさんはいろいろな趣味がおありだから違うと思ってました。

でも考えてみると、話好きでにぎやか好き。その上会社勤めとは縁の無いうちのM氏までそんなことを言うくらいですから、これは男性一般の特性なのかしらね?

父の病室で男性たちを見ていた時、本当にびっくりするほどしゃべらないんですよね。
私も内にこもる方だから女性としては群れないタイプなのですが、それでも挨拶くらいはするし、おしゃべりの輪には入ると思うけれど、それが一切無いからとっても異様な光景でした。


by 九子 (2013-09-28 23:07) 

moz

うちは一人娘なので、いずれはどこかに出て行って姓も変わってしまうのだと思います。娘は嫁に行くもの、行くと寂しいですがいつまでもいられるのも・・・^^;
心配になってしまいます。
ただ、お嫁に行っても、絆が強いのは娘みたいですね。女系家族?
結婚しても親元によく来るのは娘みたいです。
うちも、なんとなく、そんな感じです。 ^^;
by moz (2013-10-01 10:32) 

九子

mozさん、コメント有難うございます。( ^-^)
そうでしたか。一人娘さん。可愛くて仕方ないんでしょう。
私も一人娘で父の愛情が暑苦しくて嫌でしたが、今になると有難かったと思います。

でもmozさんは、お嬢さんにお婿さんを取ることは考えないの?
えらい!立派です。

娘ってやっぱり一緒に居て安心するんですよね。( ^-^)

>結婚しても親元によく来るのは娘みたいです。
娘のほうもそう思ってくれているのかしら?

我が家の場合、母親が割合あっさりなので、どうなりますことやら・・。

どちらにしてもmozさんのご家族はとってもお幸せだとおもいますよ。( ^-^)
by 九子 (2013-10-02 19:37) 

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